2018年11月14日

メタモルフォーゼの縁側(2) 鶴谷 香央理(KADOKAWA 単行本コミックス)





ツイッターでどこかからのRTでまわってきたのにピンときて買ってみました。1巻をおためしで買って、「おおこりゃええわい」と次の日に2巻も買いました。
おひとりさまで書道教室をひらいて日常を過ごしてる75歳の老婦人。あるときBLをなんとなく買い、目覚める。そしてその書店でバイトしていた同好のJKと知り合い、おたがい初のBL友達ができる。

2巻では出会いのきっかけとなるBLの先生に会いにコミケに行くところからはじまる。

和紙に水滴が落ちて滲む。そのように物語が進行していく。それぞれがそれぞれの(憧れの漫画家も含む)物語が滲んでいく水滴のようにひろがりまたちがう色をつけて、そして、繋がっていく。それはゆっくりでドラマチックというものでもないけど、確実に広がる。それは読者(おれっすね)のココロにも。

たとえばJKは幼馴染との友達から恋愛に移行とかそういうレベルですらない、じわっとしたところにあるし、老婦人は娘から終活について示唆される(死ぬまでそこにひとりで住むの?)って。

そして、

「人って思ってもみないふうになるものだからね」

老婦人の言葉の含蓄が深いことよ。

ということで、おれも思ってもみないふうになりたいなあと。そのためにはアクションだなあとも。

あと、隠し味にある「こうの史代」がええっすね。2巻ではちょい少なめでしたかね(2巻のアンケートハガキのイラストなんかがその風味の代表だけど、老婦人の所作とかね)。

短編集も出てるんですよね。買おう。



posted by すけきょう at 11:56| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]