完結。火星のアパートのマーチャンダイズの住人たちを描いた群像劇。
舞台が火星でありながら西部劇までいかない1950年代のグッドオールデイズなアメリカン。
住人は一癖ありそうなひとばかり。凄腕の殺し屋。ボニー&クライドなカップルな強盗。サイエンティスト。マッド・サイエンティスト。元宇宙海賊の首領などなど。
それらがオムニバスの1話完結が徐々に収束して、なんつか、大石まさるの「大きい」ほうの話でお馴染みの壮大なオチへとつながるです。
すべてに安心安定でなおかつSでFなロマンも堪能。
今回は人物と表情で魅せるところがステキでござんした。絵も話もどんどん進化してるけど、SでFなところとコメディセンスは変わらないっすねえ。それが悪かろうはずはなく。
たとえば、SでFなところを抜いた非センスオブワンダーな純日常なきらら的な作品を描こうって気はまったくないご様子。それは前作にあたる「タイニィドライブ」での初期の「りんりんD.I.Y」シリーズ的な姉妹のふたり暮らしに「いろいろ」混ぜることからも伺える。吾妻ひでお氏じゃないけど、背中に「SF」ってアザができてるご様子。じゃあおれのいえることはひとつしかない。
次回作を楽しみに待ってます。