いつごろからはじめたのか検証したいなとは思うけど、本作はずっと単行本1冊において「幕の内弁当」になるように構成されているなあと思った。
たとえば、21巻では、ちょっとネタバレになるけど、構成として、20巻から引き続きの、エンデヴァーのヒーロー人気投票1位になってからの戦い、そのあとの家族とのエピソード、ホークスのエピソード、そして主人公デクのオール・フォー・ワンの記憶、そしてメインディッシュになるA組とB組の演習試合。1戦目のあと2戦目の途中まで。
まあ他所の作品と比較するのもなんだけど「鬼滅の刃」。これは延々2巻とか戦い続けとかになるからな。そこいらの、「もうちょっとこのシーン読みたい」と「このシーン長い」をすごく計算してるなあという発見。それを強く感じたのはヤクザ宅へ女の子奪還するエピソードだったかな。あれは思った以上にコンパクトにまとまっていて感心したもんじゃ。
これが再読性を高めているんだろうなあとは思う。「おもしろさ」とダイレクトに関係があるかは微妙だけど。適度な長さってのは絶対に必要。そして相反するかもしれないけど、短くするのは「まだみたい」というおもしろさを阻害するかもしれないけど長い目で見るとそっちのほうがいいことが多いとは思ったり。
でもって、各エピソードでおのおのメインのキャラがかっこいいんだ。A組B組の対決では、圧倒的に蛙吹梅雨さんがすばらしい。Google日本語入力はいつのまにか「あすいつゆ」で1発変換できるようになっているし。でも久しぶりに大活躍したな。なんたってアニメでやった原作でやってないエピソードでも役にたってなかったもんな。その弱点も克服して(寒さ対策)、大活躍。
で、すばらしいのが、蛙吹梅雨さんの舌に巻き付かれることよね。そりゃああんた高校生だっせ。ヒーロー同士とはいえ同級生女子に舌で全身巻き付かれて拘束されるのはエロいしドキドキするよな。考えてみれば戦ってる透明能力のコもずっと裸ってことだしさ。ヒーローだって思春期の高校生だもんな。
また新規登場が多いB組のキャラが立ってる!そこいらはネタバレにもなるから詳細は書かないけど、B組(プラスあいつ)もいい感じで活躍できるかもしれないな。
ということで安定した幕の内弁当な1冊まるごと大堪能。