新作はノータイムで買ってる作者買いの方。
鳴り物入りで登場して読んでいたWEB雑誌の「コミックDAYS」で連載されておりしばらくは読んでいたけど、まとめて読めばいいかと放置して待っていた。
強盗で懲役にふくして出所したオトコが刑務所でもらった住所をたよりにしていってみたら廃屋でしょうがないと雨宿りしていたらそこには老女が住んでいた。いわゆるゴミ屋敷な。その住人との奇妙な共同生活がはじまる。
非常に邦画的な。それは各作品に共通する。1本のオリジナル脚本の映画をつくるように丁寧に組み立てている。それは今作も健在。
これまでで1番さっぱりとして後味がよろしい話。そしてもう1度読む。あともう1回読む。「さっぱり」の感触が増していく。さっぱりしたマンガなんだよつまりは。
もうちょっと話に踏み込んでいくと、ムショ帰りのオトコはその老女に雇われてゴミ屋敷を整理するわけよ。そうしているうちにいろいろなことがわかってくるわけよ。そういった意味の「さっぱり」でね。なるほどな俗にいう「断捨離」ってこういうことなんだよな。
伊集院光氏がいってた「断捨離はこわい。なぜなら突き詰めると自分も捨てることになるから」と昔のラジオでおっしゃっていたけど、それをちょっと思い出したのよね。
そう、「水清ければ魚棲まず」じゃないけど、ゴミ屋敷がさっぱりすることで見えてくるものは「いいこと」ばかりではない。そういうことも描いている。
それでもさっぱりとした読後感だよ。それでもかなり拡大解釈ではあるがボーイ・ミーツ・ガールなんだよな。いい「出会い」だったんだよ。