2019年04月16日

さすがの猿飛G(3)細野不二彦 (ヒーローズ)


アニメ化もされた「さすがの猿飛」の正式な続編。
3巻も続いているし、本格的に続いている。
GはグローバルのGということで世界各国から集まった忍者志望の生徒たちと学園に渦巻く陰謀をおなじみ肉丸が各国の仲間とやっつけるみたいな展開。

特筆すべきは作者がマジもマジの大マジでおもしろくしようと十重二重に趣向を凝らした展開で描いていることだな。
ややもするとこういう懐かしのマンガの新作ってのは余計なことをしないのが最善になるってのがセオリーで、いつもの通りのキャラがやりとりしてメタ展開(年をとった、最近の世の中描写等)をしてお祭りの今回限り復帰を出してわーっと騒いで終わりが1番多いし無難。それでも、最盛期との絵柄のちがいにみょうな年月を感じて、うーむってなる。
本作も絵柄はちがう。なによりも女性キャラな。いまの細野画風での猿飛たち、当時のキャラも主人公の肉丸のみ前面にいてヒロインの魔子はわりに奥の方、というか、別ラインで動いているね。

3巻では肉丸はエジプトとウクライナ出身のメンバーとチームを組んでロシアのチーム相手に3on3ってサバイバルゲームを繰り広げてる。すげえグローバル。
もちろん、各国の歴史や各人の事情をからめてのアクションが豊富であり読むだけで「ほー」って知識がつくのも「ギャラリーフェイク」仕込みのもの。

楽しんでいるというのはベテランであり職人である作者にむかっていうことではないんだろうが、読者に飽きさせないようにしつつあらゆる要素を、かつてのキャラに流し込んでいる姿勢はとてもいいなと。

そして、たとえば3巻である、贅肉を移動させておっぱいを作る疑似巨乳のような「なんだそりゃ」ってネタもある。それもまあわりに初期からの細野氏の作風ではあるんだよな。「なんだそりゃ」ってズレ。
キライな時期もあったけど、そういうのも細野マンガの味だなあと思ったりするようになったのでもう100%のファンではあります。そこがいいんだよ。そしてその「なんじゃそりゃ」なアクセントがとってもあとあと効いてくる。細野マンガで覚えてるのは案外とそういうところだったりするし。



posted by すけきょう at 19:39| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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