2019年04月16日

恋煮込み愛つゆだく大盛り にくまん子 (KADOKAWA)


いいっすね。ネットにあったときから追いかけ続けていたけど、商業誌も同人誌も敷居が高くて(おもに金銭面)全貌をうかがい知れなかったがついに商業出版にて解禁となりましたよ。同人をメインとした短編集です。同じ月に商業誌初連載の「泥の女通信」も出ます。

男女間の機微を描いた短編集です。

道端に落ちていたちんちんを拾って飼う「さよならちんちん」
割り切って楽しくセフレをする「Hotel」
ずっと異性としてみてないがさつな友人に彼氏ができる「よよの渦」

これはおれの感覚です。
これはおれの感覚です。
これはおれの感覚です。念の為3回書いてみました。

よくあるといえばよくある男女の機微を描いた短編集です。そしてあらゆるひとが描いてますし、それなりに読んでます。

本作で特筆すべきは、なんていうかなズコズコやりまくりつつ悩むという男女の話のわりに、漂う嫌悪感がないことです。この嫌悪感は前記の通りのおれの価値基準や感性によるものです。

嫌悪感があるなしは作品の善し悪しとは別という気持ちはありますが、字の通り好き嫌いはあるわけです。本作は男女とも好ましいキャラなんですよね。

多分にかわいらしい絵が大きいのだと思います。そして中立かどうかは作者のサジカゲンではありますが、男女ともそこそこに愛嬌があり、そこそこにクズで、そこそこにお茶目といういわゆる「いいキャラ」なんですね。

それでいて簡単にはじまるセックスを日常のちょっとだけ上がるイベントって位置づけて日々楽しく苦しく過ごしておられるわけです。

「よよの渦」なんて処女の「よよ」をどこか小動物としてみて、自分は彼女の家にお泊りデートなんかにいくような感じであるが、よよに彼氏ができてくるとときおりよよが「女の子」になる感じとかとてもいい。

どっちにも「うん、わかるわかる」となるのがとっても新鮮。こういうのはやっぱり性差も作風もあるからどっちかの肩を持ちがちなんだけどね。そのへんのバランス感覚というか恋愛両成敗な感じが。

あくまでおれの感覚ですよ?

とくにこの本でも3コマか4コマある、うつむいてしょんぼりしてそうでそれが普通の無表情であまりなにも考えてないって顔が好きなんだよな。

https://twitter.com/oic_oniku/status/1114865897447936000

ここの1コマ目とか。

ということでこのあと出る「泥の女通信」も楽しみです。もちろん今後の作品も。

「セフレに彼氏が出来た話」1/4
https://twitter.com/oic_oniku/status/1116635228892569600



posted by すけきょう at 20:12| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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