2019年05月08日

亜人ちゃんは語りたい(7)ペトス (講談社) & オカルトちゃんは語れない(1)ペトス/橋本 カヱ (講談社)





本編とスピンオフを両方取り上げるのも乱暴ではあるんだけど、この2作品とも非常に密接につながっていて、ともすれば副読本としてのスピンオフどころか、双方ぴったりよりそった本編くらいに感じたので取り上げさせていただきます。それぞれでも話がわかりますが、双方読んだほうが絶対におもしろいです。

アニメ化もされた「亜人ちゃんは語りたい」。亜人と書いてデミと読みますね。ヴァンパイア、デュラハン、雪女、サキュバス等のJK亜人さんがいる学校を舞台とした物語。

本作は一貫して「彼女らは何か?」ということを描いてきたと思います。彼女らの特質をネタにキャッキャウフフな女の子図鑑というスタンスではなくて、彼女らはどうして存在しているかという深いところに入り込んでいて、その考察を延々していた。それとキャッキャウフフの両立。

それが7巻で前者のピークに達した。

ポイントはクビと胴体が分離しているデュラハン。彼女の「首」はどこにあるか?というところからはじまる話がすべて収束する。

そしてその答えからもうひとつ「派生」する。

すなわち、デュラハンの存在をつきつめること、それは「オカルト」に収束すると。ずっと科学的な視点で本編が進行した行く末がわからない人智を超えたところにあるってのは実はすごく「科学的」ではあるからなあ。
そしてスピンオフの「オカルトちゃん〜」よ。つまり、この世にいない亜人はオカルトたる存在になるのではないかと。
前記のデュラハンの首が異世界(異次元)にあるとするなら、オカルトちゃんに登場する座敷わらしは存在まるごと異世界にあるのではないかと。そして、それを「視る」ことができる主人公(本編の主人公たる先生の妹)とともに、謎を探っていくという。

すごく良くできているし、必然的なスピンオフとも思えます。本編のペトス氏に絵も話の「クセ」もよせて、なおかつ本編に沿って展開していき、相乗効果で奥深さを醸し出している。とっても上手いです。えーと、亜人ちゃんの世界のXファイルシリーズとかMMRみたいな。

そしてそれを踏まえての本編7巻の展開もものすごいものがある。新キャラキジムナーさんもまたいい。そしてラストの超衝撃的な結末よ。どうなんのこれ?

ということで目が離せない。ここにきて作品最大の衝撃。



posted by すけきょう at 13:46| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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