2019年06月26日

メタモルフォーゼの縁側(3)鶴谷 香央理 (KADOKAWA)


いやおもしろいマンガではあります。「このマンガがすごい!」で1位なのも異論がないです。
ただ、2巻までだとなんていうかやや雰囲気系のマンガかなと。

BL好きが縁で出会うJKとおばあちゃん。彼女らは友情を深めていく。それぞれにうっすらとしたストーリーを進行させながら。そのふわっとしつつも重かったり苦かったりする話のなか、おたがいがおたがいにいろいろと考えている。

でも、それらは3巻でギュッと結実する。もっというと3巻の最後のページで。

あざやかにスパーン!と決まった。そうか、こうしたかったのかと。このスパーン!に涙が出るから糞チョロだよなあおれ。

人生があきらかに変わった瞬間であり、それをJKが自分の手札からドローしたのよ。それに感動した。

そう思ってみてみるとこのJKの表情のない描画がものすごい。表情をあまりオモテに出してこない無愛想なJKではある。でもその葛藤や勇気がすごく伝わる。しかもその「大事なセリフ」をいってたときの表情がすごい。両方凄い。こういうとき「決め」た顔か、あえてなにげない顔にするか、もっというと表情を隠すなんてのも割合とポピュラーな手法(実は本作でも多用されてる)。でも、このマンガの決めのシーンではばっちり描画してる。これが正解かどうかはおれには判断できない。でも、「凄み」がある。これだ!と。しかも、これタイトルに帰結してる超重要なシーンだよ。それを「これ」にしたのか。ちょっと震撼。

すごいマンガになっていくんだなと思った。




posted by すけきょう at 19:22| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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