2019年08月17日

やんちゃギャルの安城さん 4 加藤 雄一 (少年画報社)




グルメマンガと同様の現象が起こってるなあと令和に入ったくらいから感じはじめた。
ラブコメに飽きてきたなと。

ラブコメはずっと続くのかと思ってた。だけど、ああいう特殊設定による関係が縮まりも遠ざかりもしない生ぬるい日常が延々と続く系のラブコメは急に飽きてきた。ぶっちゃけると「からかい上手の高木さん」の一連に飽きを感じていた。アニメも原作も。それはクオリティが高く「おもしろさ」という観点から非の打ち所がないことから導き出されたものなんすけどね。

単なるこちらの飽きか一過性のものか。ともかく。

理由は分析できる。Twitterだ。タイムラインを眺めていると毎日たくさんの数の4pの部品のような美味しいところだけ凝縮したマンガが流れてくることだ。かつてはギャグではあったけど現在はラブコメが主流になった。サルビアのつぼみの蜜のようにちょろっとあるラブコメのエキスを毎日のようになめてりゃラブコメ耐性もできようもんだ。それでもまあ飽きないもんだなと思ってたけど甘かったな。飽きたわ。
またTwitterマンガ家の4pマンガはかなり拙いものが多い。ラブコメ系統のものと啓蒙や告発系のものはちょっとしたテンプレがあるしいうても4pなのでパターンをつかみやすい。そのキモ描写だけならそんなに難しいことはない。その甘いところ以外をおもしろくしてキモまで飽きさせずに誘導するほうが100億倍むずかしいんで。
でも、そのラブコメのパターンはでも大事なパターンでもある。あえていうところの「普通のマンガ」でも使われるところだから。そこを大挙んしてこするわけだからそりゃラブコメでのドキドキする感じは摩耗するわね。

本作はやんちゃギャルの安城さんが陰キャボーイの瀬戸くんといちゃいちゃするマンガ。

本作もその大事な美味しい蜜のところは使われる。
本作はでも相変わらずいい。丁寧な描写に徹しているし、なおかつ丁寧に変化をさせている。丁寧に「蜜」の前後も描かれている。

いや、とどのつまりが好みに帰結するのかとも思う。

4巻はいやに安城さんほかのデフォルメ描写が進行した気がしないでもないが、そのおかげでより生き生きした感じは出た。そして相変わらず関係性は変化していくしふたりはどんどんいい感じになっていく。陰キャボーイがやんちゃガールにデートを誘ったよ。

このマンガの特徴である女性がくっつくいてくる(文字通りの意味)のって単純に気持ちがいいんだよね。その感じがすごく良く出ている。しかも柔らかい一方じゃなくて硬いところ(骨とか頭とか)の感じもあるなあと。
そういうところは4pのテンプレラブコメじゃなかなか描けないところ。
ここいらが成年コミックエロからそうだけどラブコメでもある、「リアル」の取り入れ具合の妙だよな。ドリアルでもあかんしドファンタジーでもあかん。その狭間での調節具合いな。本作は絶妙。おれ感覚ではね。他の人だとまたちがう感覚があるとは思う。

ただまあ次はどうなるかって危うさはある。結論。現在のラブコメのスタイルは飽きつつある(おれ感覚)ってことで。
グルメはもう完全にふるいわけが終わり、異世界ものも年末ごろは「昔はやったよね」っていわるんだろうなあ。
ラブコメはねえ、、、、(新味が入ったら盛り返しそうな気はするんだけどね)



posted by すけきょう at 12:18| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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