1巻からみかけてはいたのよね。でも、作者のA-10が「あの」A-10先生とは思わなかったのよ。寡作だけど出すと必ず心に爪痕を残すマンガを描くあのA-10先生とは。とくに「GIRL?NEXT DOORの1話には脳天に電撃の衝撃。
参照:
[なまのまんこの破壊力〜げんしけん二代目5巻&more〜: ポトチャリコミック]
[GIRL?NEXT DOOR | ワニマガジン社]
表紙絵も「そのころ」とちがうし、A-10先生がマガジン?講談社?と思ってたんだけど、2巻発売時に衝動におされて買ったらビンゴ。マジかと。
女子中学生が曾祖母からの遺産を受け継ぐ。廃墟のお屋敷の隠し部屋には魔導書(グリモア)である「赤ずきん」がいる。そしておれと契約しろそうすれば助けてやると。
んー!ベタ! まあ1巻の手が出なかったのはA-10先生であろうとなかろうと「どうせ」そういうベタなやつなんだろ?って。まあ、成年コミック描いてたやつが一念発起してそれこそNEXT DOOR目指してやって玉砕するってあるあるじゃない。ベタじゃない。あるあるじゃない。話も異世界ものの前は掃いて捨てるほどあった話風じゃない?と。
ところがそうじゃないからここを書いているわけだ。
1話からベタな進行でありつつ横紙破りのオンパレード。そこでもうノックアウト。そして表紙はともかく中の絵は紛れもないA-10先生のそれで。
あかずきんは契約を破棄しようとだまくらかそうとする、そしてそれを上回る予想外の方法で解決。
なおかつ全編に漂う斜め上からの「痛み」描写ね。展開もそうだけど、ここでこの「痛いやつ?」って感じがくる。身体描写でも精神のほうでもくる。
そして毎回の引きも異様に強い。「え、次どうなるの?」「え?そうなるの?」って。
これはベタではない! すごく強いマンガだ!と。
1巻では衝撃のつづれ織りであっけにとられたけど2巻はいきなりエモい。
それでいて2巻でも同様でありながら、同様にベタに進行していく。これがすごい。横紙破りの「破れ方」を丁寧にコントロールしている。当たり前っちゃ当たり前だけど、それを逸脱して、後半苦しくなるマンガって実は存外に多い。まあ、ドラゴンボールとか? ONE PIECEとか? 作った設定、意表をつく展開にしたいがために後々苦しくなっていくところか(それをさらなる意表をつく展開で乗り切り乗り切り長期展開ってパターンも多いけどそれは博打すぎるそして失敗は多すぎる)
たとえば「すごい」ということをあらゆる見せ方をする。2巻ではどら焼きを食べるシーン。これがエモい。なぜかは読んでいただくとわかるが「すごさ」を表現するのにどら焼きを食べるのね。
そして1巻からパワーアップしたクライマックス何秒かのあいだに事態が飲み込めないくらいの「いろいろ」おこる畳み掛けの巻またぎの引き。
2巻の終わり7pすごい。
ということでエロがないA-10先生の漫画もすごいなあと。