14巻。まだまだつづく夏休み編。長いよねー。学園マンガということを忘れそうな勢い。
コミュ症の古見さんが友達100人作るべく奮闘する学園ギャグマンガ。
1年生から2年生になり、質は変わった。大きな要因は万場木留美子だ。マンバメイクで登場した新キャラ。古見さんと只野くんの友達グループに入り、そのメンバーでの活躍が多くなる。
1年では友達を作るべく、毎回、クセのある友達との新しい交友がメインでしたが、2巻では無理して新たな友達をつくることはなく何人かの友達での行事を楽しむというスタンスが多くなっている。海に泳ぎに行ったりな。
それでいて、只野くんと万場木さんとの2人での「いい話」を毎巻1回は挿入するようになってきている。
自信がないのを悟らせないようにマンバメイクをしている万場木さんにとっては少しづつ気になる存在ではあるんだけど、只野くんはいっしょにいやすいしいろいろと優しくしてもらってはいるが「必要以上に近づくな」というスタンスではいる。
それでいて古見さんにとってすでに只野くんは気になる存在を超え、友達というラインを超えている。
この三角関係が14巻ではかなりなところに行き着いた。
お祭りにいく。そして万場木さんと只野くんがふたりでいちゃいちゃしているところを多数の知り合いに目撃される。そして14巻の最後に「あれはどういうことだ?」とそれぞれ「尋問」される。そこがクライマックスであり、14巻での万場木x只野のラブコメシーンになっている。
13巻の万場木さんのあたりから思ってたんだよ。彼女は「なつかないイヌだな」と。
しっぽはブンブン振っているのに近づこうとしたら怒鳴ったり吠えたりするイヌ。まあ、イヌのしっぽをふるのはゴキゲンというより興奮してるからのリアクションなんだけど。万場木さんの只野くんへの態度はまさにこれ。それはこっちにはわかってるからそうなんだけどね。
いっぽうで古見さんは「なつくネコ」。ツンとしてクールな佇まいですが気がつくととなりにいる。ちょっと触れんばかりの距離にいつもぴったりいる。そうするのがアタリマエみたいにいるからまわりもつい受け入れてしまうし只野くんはときおり「女」を感じてしまうが(そりゃあ絶世の美少女ですから)、基本は普通にそこにいる存在となっている。大勢でいてもふたりきりでいても同じ距離で同じ位置にいる。
みんなと集まってて、誰が古見さんのとなりに座る?ってなってもアタリマエのように只野くんの隣に座るとみんな「そりゃあそうか」ってやっかみながらもみとめてしまう感。だから「なつくネコ」ね。
本来なら「なつくイヌ」に「なつかないネコ」なんだよね。この両名は逆なんだよ。
「なつくネコ」は物語ではある(現実でもある)。だけど、「なつかないイヌ」はあんまりみかけない。ツンデレってのも基本「なつかないネコ」だからなあ。
そういった意味じゃ万場木さんはかなり希少なキャラ。それが2年編での本作の最大の功績かなと。そりゃあクローズアップして書きたくなるしね。単純にこういうコロコロ表情が変わるし、毎回髪型がちがう女の子(コレも珍しい)ってのも貴重だしな。
この「なつかないイヌ」がカワイイってのはわりに大げさかもだけどマンガ史に残る功績かもしれん。
そしてその三角関係の言及がはじまったのが14巻ですよ。うむ。ネタバレになるから多くは書かないがこれを抱えて15巻新学期に向かうのねとは思った。
これがいわゆるTwitter4Pラブコメでは到達できない熟成させたラブコメっすよ。育ったキャラがそれぞれの思いを持つわけっすよ。それ読者が「ほお」と楽しむ。これはまあ長年のファンならではの味わいですよね。
それとは別にギャグマンガとしての機能も十分に発揮させております。とくに只野くんの妹編での安定したギャグ度数の高さ。。最近ある植物図鑑的なやつ、今回は田舎での遊びを丁寧に描いてました。あとはキャラ図鑑。久しぶりのキャラも大勢登場。かつ、新しいメンバーも。高校生にもなって河原でエロ本を探す話とかすごかった。そらもうオビであだち充氏もホメるわけっすよ。
すばらしいや。個人的にはもう万場木さんのほうが好きだなと思うし、彼女にはぜひいいひとみつけてほしいわ(片居くんがそうなりそうだけど)。
(アニメ化のときは上理さんの叔母と上理さんはあえての一人二役でおながいしゃす(アニメ化したとしてもいつ放映だよ))
(あと「なつかないイヌ」ネタは13巻から書きたかったんだけど13巻の予告に14巻ではこの三角関係のネタがあるかと思ったので14巻まで待ったのでした)