2020年11月17日

葬送のフリーレン 山田 鐘人/アベ ツカサ 小学館





現在(2020年11月17日)2巻まで。12月には3巻が出る模様。週刊少年サンデー連載中。

中世RPGの世界。今だと異世界のほうが通りがいいですか。10年かけて勇者一行(4人)は魔王をやっつけて平和をもたらした。
そして50年後。みんなと再会します。「人間」はすっかり老いぼれている。でも、主人公フリーレンは長命であるエルフ族だから見かけは変わりがないわけです。
1話で勇者は「老衰」で死にます。「そこ」からはじまる物語。

1話が名短編そのもので。はじまり終わる感じに他がいらないように思うほどの完成度。でも、人生と同じで範囲指定でカット&ペーストした物語の「前」もあるし「後ろ」もあるわけです。本作はそういうものだと思ってました。

勇者たちにとって、そして彼女にとって、10年の勇者一行による魔王退治の物語は一生残るものだったのですね。あるひとにとっての戦争のように。つまりは戦後に戦争についてずっと語ってるひとがいらっしゃるじゃないですか。そういう感じでもありますね。

本作は各キャラが深く描かれていることで、とくにフリーレンはすごい。長命であること、魔法使いなことが関係あるのか死生観を筆頭にいろいろな価値観がちがう。それなのになんともいえない呑気さがある。それがほぼフリーレンの個性ってことなんだろうなあ。
この終わったあとの物語と「葬送」というタイトルが示すような抒情をベースとして静か。それに上記の呑気。だから黄昏の世界でほのぼのと進む系の物語かと思ってたんだよね。それこそ「ヨコハマ買い出し紀行」の異世界版みたいな。それが2巻の後半から急転直下の展開。

うむ。一筋縄でいかないのはなんとなく予想してたけどけっこうな展開だなあ。

3巻以降どうなるんだろう。


posted by すけきょう at 13:30| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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