2021年08月03日

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 11 (ヤングアニマルコミックス) - 武田一義, 平塚柾緒(太平洋戦争研究会)

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ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 11 (ヤングアニマルコミックス) - 武田一義, 平塚柾緒(太平洋戦争研究会)

2021年は印象的な長編作品が終了する年であるように思える。
ペリリューも終わった。ただし、スピンオフがはじまり、アニメ化が決定するという、かなり発展的な終了だ。
2016年から連載がはじまっています。現在のパラオ共和国であるペリリュー島での日本とアメリカの戦争の話。
ゲリラ戦のようにあちこちに立てこもり戦う日本軍。圧倒的物資による爆撃などでガンガン攻めてくるアメリカ軍。
その一方的な負け戦をじっくり丁寧に描いている。武田というキャラを主人公に丁寧に各キャラも描く。
かわいらしいキャラで地獄のような世界を描いてます。

驚いたのは7巻だった。7巻で昭和20年8月15日を迎えたんだよな。終戦だよ。そしてそれでも彼らの戦争は終わってない。
基地を作っているアメリカ軍の物資を盗み、彼らが戦争が終わったというビラを「嘘だ」と信じない。そして食べ物や負傷兵、住環境(海からしか入ることのできない洞窟など)などで日本兵はどんどんおかしくなっていく。
それで11巻までつづくんだよ。
実際、11巻のおもな舞台は2017年。エモいのは10巻で終わるけど11巻は必要ではある。そして終わる。
11巻、および、全体の身も蓋もないメッセージとしては「戦争は死ぬまで終戦しない」ってことだったりな。
そして、多くの戦争漫画(映画でも小説でも同じ)に共通する長い人生における数年のことなんだよね。実際、主人公の武田は無事に生き延びで日本にいる時間のほうが長いし。でも、戦争の数年は一生を左右するわけですし。

ということを考えます。しかし、5年にも及ぶ長編になるとは。それを描ききったのもすごいな。

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posted by すけきょう at 19:12| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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