![いつも憂き世にこめのめし(1) (ビームコミックス) [ にくまん子 ] - 楽天ブックス](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/7463/9784047367463_1_3.jpg?_ex=128x128)
いつも憂き世にこめのめし(1) (ビームコミックス) [ にくまん子 ] - 楽天ブックス
にくまん子さんの4冊目のコミックです。1,2冊は同時発売で3冊も間をおかず発売で、その3冊が発売された2019年はにくまん子イヤーとでもいえる画期的な年だったのですが、まあ、それからちょっと間がありまして、「どうしてらっさるのかしら?」なんて思ったころに新刊でした。わりに青天の霹靂で。というのもツイッターでフォローしててときおりあったツイッターマンガのほうも楽しみにしててそっちのほうもあまりみてなくてけっこう渇望してたんですね。だから素直にうれしい。
それが最高だったので最高にうれしい。
本作は連作長編というカタチでしょうか。作者の分身的な女性とその同棲している恋人とのいちゃいちゃ日常マンガ。
ここいらの経緯はあとがきに詳しいですが、かなり命削って描いていた前作らでやや燃え尽き症候群になったところからのリハビリをかねた「生活の話」的なゆるくて描きやすいのでいってみようってことらしいです。
それがすばらしいのです。
つきあって3年経ってちょうどいい具合の力の抜けたバカップルの最上級のバカップリスト状態の甘々でゆるゆるの毎日を描いてます。
1ページから3ページ4ページのマンガがつづくのです。
あー、いうたらなんだけどツイッターマンガっぽい感じで。緩さといい内容といいページ数といい。そして実際にツイッターに載っていたものもあります。
https://twitter.com/oic_oniku/status/1363322554128027648?s=20
ただまあ最近はあまりマンガをアップしてないんですね。ツイッターマンガ流行ってないからなあ。
そしてほのぼのとしたところに「ほのぼの」ベースは守りつつドーンって「これでもくらえ」マンガが挟まる。
この「ほのぼのベースは守りつつ」ってところがミソなのよね。ほのぼのマンガに突然ダークネスなエピソードぶっこむのあるじゃん。つじあやのさんのウクレレ弾き語りアルバムに突然デスメタル曲をはさむようなトンチキな構成の。それが効果的なのもあるけどさ。おれはその落差にどっちらけになってみなくなったマンガあるよ。名前はいわんけど。
「まだいっしょに」というドーン物件(物件か?)。カップルとその女友達と3人で飲んでいる。彼女がトイレにいってるあいだ女友達と彼氏が話をする。女友達が結婚とかその先のこと(結婚ね)をたずねる。そいでつられてガンガン飲んでしまい真っ赤になってぽやんぽやんになってしまう。そしてアパートに帰るとガバっと抱きついて「まだいっしょにいたい」と。
ってまあ、そのあとがあるからすげえんだけどね。そのエモで止まらないところ。
まえのときにも書きましたけど相変わらず嫌悪感を持たないキャラといちゃいちゃとエッチの内容です。ほんと不思議。同棲していちゃいちゃしてたり「男ってほんとバカ」的な内容で、なんつかもともこもない日常セックスだったりするけどすべてに「いい感じ」をもつ。
成年コミックの男向けのセックス描写に嫌悪を持つ女は多いでしょうが、逆もあるんですよ実は。ま、とくに非モテな人生を歩んでいた男がセックスがファミマでファミチキを買うくらい簡単にありつける人種がいるとどうしても妬み嫉みの気分が湧き立つのですよ。そこらへん成年コミックもそうなのになぜか女向けに描かれる「それ」にすげえ「いやだー!」って感じになるんですよね。ファミマでからあげクンたのむくらいの高いハードルに思えるのですね。
と、にくまん子氏って作風芸風でいうとモロそういう路線ではあるんだけど、不思議と嫌悪がない。これは本当不思議なんだよな。みんなナイスキャラだからなのかもしれないけど。あとマンガ内の全てに愛を注ぎながら描いてるからなのかしらね。わからんが。
で、前作品にも登場した作者と作者の同棲相手をモデルとしたキャラは最高にナイスですからねえ。そらもう最高なのです。
これが後半の構成がさらに最高なのよ。描き下ろし30p以上のメインを含む2本の短編に、ふたりが出ない短編でギューッとしめて、なおかつ最後にまたふたり登場するという。ここいらの有機的に結びつけて畳み掛けながらもキレイにキレイにエンディング。それで1冊としての完成度を飛躍的に高めている。
とくに今回キャラを固定したのがまた効果的だったのよね。ぐぐぐとまとまりができた。
最高じゃないか。現時点の最高傑作ですよそりゃ。
あと、なんでつじあやのさんだったのか?(知らんよ)

いつも憂き世にこめのめし (ビームコミックス) - にくまん子