2021年09月14日

怪獣8号 4 松本 直也 (ジャンプコミックス) [

怪獣8号 4 (ジャンプコミックス) [ 松本 直也 ] - 楽天ブックス
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4巻出たタイミングなので感想文書きます。
1話がネットでバズってから単行本はすぐに買ってますしけっこう読み返してます。

怪獣が現れる世界。主人公カフカは32歳。幼馴染の約束を守り防衛隊の隊員になろうとしたのだけど落とされて、怪獣を退治したあとの掃除係をしている。ところがある怪獣を飲み込んで怪獣8号になる。

そいでもって防衛隊をやりながら怪獣8号もやって、迫りくる怪獣をやっつけるという図式。

ベタな設定でしょ。実際、おっさんが怪獣だとバレないようにがんばって人知れず戦うって怪獣を正義の味方風の見かけにしたらもう山のようにあるじゃないですか。ウルトラマン仮面ライダーを筆頭として、まあ仮面ライダーにしても最初の設定はバッタ男で改造人間ではあったんだもんね。

そういう展開とわかってはいたけど、異様なスピードとテンポ。バトルや、見開きの止め絵でのアングルやタイミングのうまさなどで、ちょっと抜きん出たおもしろさはある。
実際、バトルモノマンガは集英社にヤマのようにあるし、その中にあって「普通」の世界観や設定ではある。ベタの度合い、絵のオーソドックスさ、その他、ざっくりと「普通」ではある。ただしおれは今はダントツで好き。なぜならいろいろ割り切ったうえの読みやすさ、ストレスフリー度が半端ないから。
3巻でのラスボス級のタチの悪い敵をもうちょっとで取り逃がしてからの「連戦」には正直ビビったし心が震えた。
なかなか敵が死なないとか、なかなか戦いが続くってのはあるし、その亜流ではあるんだけど、そのタイミングでそうくるか!ってのにしびれるんですよ。そして敵に逃げられ、自分は逃げたと。

で、その、「逃げる逃げない」をひっかけつつの4巻の展開。すばらしいよ。

まー主要キャラがかっこいい。そのキャラを最大限活かす絶妙な止め絵の1ページ2ページのぶち抜き。ONE PIECEの「ドン」部分ですね。そしてこの「ドン」が終わらない。まだくるか!こうくるか!ってドンドン畳み掛ける。読者の気を緩ませる安心させる余地をできるだけ削いでいる。出し惜しみしなさすぎてないか?って。作者の引き出しすべて机から引き出して引き出し逆さまにして中身を出し続けてるくらいの大盤振る舞いなんだよな。そこがすごく心配。それくらいの全力。
かつて、そして今は長いこと読んでませんが今もそうであろう、ONE PIECE。作者はずっと105%で突っ走っている。ただ、本作は120%くらい出してるんじゃないかと思う。

そして、たいそう酷なことをいわせてもらうと、このマンガは、120%じゃなくなったらすぐに死にます。そういうタイプの全力です。
スーパーマリオの星だけ撮りつつひたすらダッシュボタンを押し続けなければならないという地獄です。スターを取り損なってもBダッシュボタンを離しても死にます。「そういうマンガ」だからです。

作者すごくしんどそうに思います。これがどこまでつづくのか心配してます。このマラソン大会で100m走みたいなの、集英社のマンガには多いし、過去、これでつぶれてきたひと多いです。彼らを想起します。
それこそ、さっきから引き合いに出しまくりですが、アラバスタ編までのONE PIECEとかはもうそういう感じでしたよね。そこらへんは何度も読み返してました。だっておもしろかったから。作者はどうやってこれから逃げ出せたのだろうか。まあ、正直その次のからおもしろさは急速に抜けた気はしましたが。

今後どうなるんでしょうか。心配してます。が、おもしろくあっててくれとも思います(正直4巻後半のエピソード4はちょっと落ちてる)。

怪獣8号 1 (ジャンプコミックス) [ 松本 直也 ] - 楽天ブックス
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怪獣8号 2 (ジャンプコミックス) [ 松本 直也 ] - 楽天ブックス
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怪獣8号 3 (ジャンプコミックス) [ 松本 直也 ] - 楽天ブックス
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怪獣8号 4 (ジャンプコミックスDIGITAL) - 松本直也
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posted by すけきょう at 20:56| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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