2022年05月17日

「絶滅動物物語 」 うすくらふみ 今泉忠明 (小学館)




タイトルの通り、絶滅した動物を描いた1話完結の読み切りオムニバスです。1話1動物絶滅します。

現在は6回目の大絶滅の時代だそうです。これまでの5回は気性変動や生存競争に負けたものですが、6回目は人間によるものです。本作は人間によって動物がいかに絶滅したかを描いているものです。

これが罪悪感がすごいすごい。読後、非常に後ろめたい。

ステラーカイギュウやリュウコウバトのように「美味い」から食べ尽くしたというのはまだ序の口だというのが本作を読むと突きつけられる。

ネタバレに配慮するので詳しくは書きませんが、「こんなことで絶滅するのか」と絶句するようなのや、「やりきれねえな」ってのがあります。

人間っていろいろな意味ですげえなと、そしてこのバツの悪さはなんだ?とモヤる。ひいては人間とはなんだ?生きるとはなんだ?

絶滅させられるのは動物だけじゃないとか、いろいろな教訓をひねり出すこともできますが、まあ、さしあたっては絶滅していった動物たちに思いを馳せておこうか。

筆致や描写が凄まじいからこそ湧き上がったもので、マンガとしての完成度は高く、動物はもとより各考証も正しいのだろう。それで生まれた説得力か。

読みましょう。おれと同じ後ろめたくなりましょう。多くのひとが背負ってもいい後ろめたさですから。

絶滅動物物語 | うすくらふみ 今泉忠明 | 【試し読みあり】 ? 小学館コミック https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784098612758

「ステラーカイギュウ」の回を読めます。

なお、表紙にもなっているドードー。ドラえもんや不思議の国のアリスでおなじみで、絶滅動物の代表となってます。
動きが鈍く警戒しなかったので捕まえて食用とされたために絶滅したとなってますが、実際はあの鳥の肉はすごく不味いそうです。
じゃあなんでなくなったのか?ってのがまた。



posted by すけきょう at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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