2022年12月20日

ようきなやつら 岡田索雲 双葉社


このマンガがすごい2023の18位。
各コメントを読んで気になったのが1位とこれでした。

短編集。webアクションで読み切り連作として発表されていたものに電子書籍として別に発売されていたものに描き下ろしを加えてグググググと完成度を増して1冊にまとめたようです。

妖怪系を主人公としての読み切りが最後のほうで集結といった具合。

かまいたちの子供がほしいただのいたちがかまいたちの奥さんとセックスをしてばかりいる「東京鎌鼬」と、他人の心が読めるゆえにクラスから孤立しているサトリが先生の尽力で心を開く「忍耐サトリくん」は、ギャグテイストが強くて(声出して笑ったよ)、そういう路線なのかと思ったら、「川血」からテイストが変わり「峯落」から”思想”が入っていき、関東大震災の日本人による東京での朝鮮人虐待を描いた圧巻の「追燈」。そして描き下ろしでグググとまとまるという段取りになっております。

読み応えがあり、それぞれテイストががらりとちがうのにきっちり引き込まれる。

このマンガがすごい経由だったのでタイトルでひいて買ったから読み終わるまで気が付かなかったけど「メイコの遊び場」のひとだったのね。これは全3巻読んでいたのにな。
そう気づくとあらためて似たところも多いのですが、タッチがちがうので気が付きませんでした。各話ごとにガラリと話がちがうし絵のタッチもちがう(でも、統一したものもある)ので気が付きませんでした。

読み応えのある完成度の高い1冊になっております。なるほどこの年を代表する短編集になっておるなと。





1970年代が舞台。いつも眼帯をしているメイコ。いつもひとりだったメイコ。そして「仕事」をしているメイコ。
あるとき地元の同年代の少年少女に誘われていっしょに遊ぶようになる。
彼女が眼帯をとった目に見つめられると「彼女の世界」に引きずり込まれ彼女の遊び場のおもちゃになる。そうされると「壊れる」。
ということで、前半は友達といろいろな遊びをやって、後半はその遊びでひと(ほぼヤクザ)を壊すという段取り。
ラストがいいんだよな。とってもいい。いまもどこかにアラフォーくらいのメイコがいるのかしらねえ。
posted by すけきょう at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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