2024年01月19日

うつ病になってマンガが描けなくなりました 相原コージ(双葉社)

うつ病になってマンガが描けなくなりました 発病編【電子書籍】[ 相原コージ ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
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うつ病になってマンガが描けなくなりました 入院編【電子書籍】[ 相原コージ ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
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相原コージ氏がうつ病を発症された後の自殺未遂が「発病編」
入院されているときが「入院編」
次は未刊ではあるが「退院編」

相原コージ氏のファン歴は長いです。コミックスも基本発売日に買ってる程度のファンです(全部ではないと思いますが)。
だから、センセーショナルな自殺未遂のシーンからはじまる1話がWEBで公開されてバズったときからもうネットじゃ読めなくなり単行本が発売されるまで待とうと思っていた程度にファンです(それはファン度をアピールするのに相応しいかどうかはわからないけど)。

「発病編」を読みはじめてすぐに「白い」絵にたじろぐ。マンガは基本的に白い紙に黒い絵を描いているから白い紙面になる。相原氏の絵は律儀だと思う。丁寧に基本を踏まえコツコツとそれはもうコツコツと紡ぎあげるという画風であります。本作も「それ」なんですが、なんだかちがう。それは病気になったからって先入観でそう見えたのかとも思えたがちがう。そういう不安を煽る白さだった。白さと硬さかな。徐々に馴染んで安心するのだけど。なんだか最初は不安だった。

「発病編」では、これまでの「相原コージ」作風や画風を「思い出し」て描いておられるようなゆらゆらしたものを感じた。いろいろな作画テクを駆使してエンタメにしようと命を削っておられている様子が伺えるようでした。ただ内容が内容なもので(あらすじ→発病して自殺未遂して入院する)ギャグ的な要素をどこまで足していいのか、「軽く」していいのか、筆が迷っておられるような。そしてそれこそが唯一無二の味わい。

一方「入院編」では一転して白いのを意図的に描いておられるような安定を感じられました。
閉鎖病棟での生活を描いております。長いものは首を吊るかもしれないってNGだからスマホを充電するために短いコードで立たせるようにしてるあたりのリアリティがよかった。この手のディティールとそれ故にギャグになる感じはホント相原氏の発明っていっていいくらいの独自性がありますね。ついでにいえば、コンセントに差し込む擬音が「カチ」で、USB端子に差し込む擬音が「スチ」って言語感覚が好きです。

双方に共通しているのが食ってのもおもしろい。
発病編では梨が、入院編ではチョコレートがポイント。美味しい食べ物や食べられる食べ物って重要ですよね。

私事で恐縮ですが2022年11月から2023年4月まで入院していて食はポイントだったなあとか思い出します。私事で闘病記をよく読んでいたので闘病モノに食は重要というのはよくわかりますし実際自分でも大事でした。ポイントだよなあと、

退院編も楽しみにしてます。


posted by すけきょう at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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