2024年03月11日

ウィッチウォッチ 篠原健太 (集英社)



神が作り給うた作品ってあるじゃない。
たとえば、ビートルズ。4人がギターやベースを演奏して録音して作ったのではなく、「ハイ」って天から指さしたら煙がボワンとしてもうそれはそこにある感じでCD屋の棚に収まっている。
そんな感じしない?もうあたりまえみたいによくできていて完璧で「そういうもの」としてそこに収まっている。

本作がそうだというと、大げさだし風呂敷が大きすぎるけど、最新刊の展開がすごすぎて、というか、全ての収まりが良すぎて、ひとりのマンガ家が考えたというより、実際にあったことをマンガに書き起こしただけじゃないのか?って思ったりするくらい良くできてる。まさに人智を超えたという。

魔女のニコ。千年に一度といわれる魔女で、1年以内に災厄が訪れる彼女のお守りとして代々鬼が引き継ぐ。それが幼馴染の守仁。ひとつ屋根の下に住むことになったと思ったら天狗、吸血鬼、狼男と増えて、結局シェアハウスみたいなことになる。
その設定の割に基本はギャグマンガでおもしろおかしく(声出して笑うレベルでガチのギャグマンガ)アハハと笑っていると油断した瞬間にシリアス回をぶっこんで篠原流の緊張と緩和するわーとなりながら、最終決戦がありうそうだと匂わせた10巻から、いよいよバトルが13巻ではじまり、決着がついたのが15巻。

ギャグもキレキレだがシリアスも超一級で迫力の画力に各キャラを活かしてきっちり見せ場に活躍させておき、状況も舞台もコロコロも変わりつつ、なお、ジャンプ王道バトルでバシッと決めた。
うわ、すげえ!って思う以外ない。

そして、次???

「次」がはじまった。最終決戦のあとの「次」。こんな展開考えつくか?しかも、いま、上記が何巻からはじまったかざっと読み返したら6巻にすでに伏線があった。そして次。15巻後半の展開が驚愕すぎる。

これなにがいいって収まりの良さこそは驚異的だけど、ギャグマンガにはおなじみの展開ではあるんだよね(ジャンプの有名作品でもある。ひょっとしたらそれのおまーじゅかもしれない)。そして、あれだけド級のバトルのあとにギャグ展開なんだよな。それもまたきっちりおもしろい。

なんだこの漏れのない淀みのない完璧な流れ。1話からこうなる予定でしたよとのばかりの流れ。
神が作ったのかわからないけども、そういうことを考えたのです。
ただ、前記のビートルズにせよ、正規のアルバム以外のいろいろな音源を聴くと試行錯誤の過程がわかります。本作もそうです。14巻には1話分のネーム、設計図みたいなものが掲載されていました。
これは神様が作ったものじゃなくて、作者が書いていると。

そこがすごいのです。

ただ、15巻で終わるはずが、アニメ化が決まったとかで「もうちょっとだけつづくんじゃぞい」ってことになるのかもなあとか。

YouTubeにはボイスコミックって声優が声を当てて展開するのがあるからもう各キャラの声は決まっているようなもんだしな。

(98) 【コント】(CV:小松未可子、松岡禎丞、福島潤、花守ゆみり)カンシの10倍速生活〜前篇〜【ウィッチウォッチ/ボイスコミック】 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=wByHXRfWu-Q
posted by すけきょう at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック