2024年09月14日

片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 乍藤和樹 (漫画) 佐賀崎しげる (原作) 鍋島テツヒロ (原作)秋田書店

片田舎のおっさん、剣聖になる〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 6【電子書籍】[ 乍藤和樹 ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
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ラノベのコミカライズ。原作未読、コミカライズは既刊6巻まで。その時点での感想になります。2025年にアニメ化も決定しております。さもありなん。

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ここがバズったので、そういや持ってるけど読んでないなと思いみてみると、5巻まですでに所有しておりました。
上記インスパイヤされたブログのタイトルのように電書の功罪、セールで安かったり、〇〇円以上買ったら〇〇%引きとかあるので帳尻合わせについいろいろ買ってしまうんですよね。同タイトルはまたチョイチョイとセールになります。これを書いている時点(2024年9月14日午後9時30分)ではまだ安いようです。

そいでもってどんなもんじゃいと5巻まで一瞬で読み終えて6巻も大急ぎで買って追いついて、そのいきおいで感想文も書いている次第です。その熱はあるということです。

あらすじを書く感想文は下手な感想文だそうですが、あらすじ。

タイトル通りです。ラノベの功罪。片田舎で町の子供を相手に剣術を教えてるおっさん。ある日、子供の頃に教えていた弟子がやってくる。可憐な女の子だけど国の一番強い騎士団の団長になってやってきましたよ。
女の子はおっさんの力量を買っているので、ぜひ騎士団に剣を教えて下さい。というか、王様勅命ですさあ行きましょうとあれよと都に連れ出される。
都についたら国一番の冒険者(これまたお約束のボインの女の子)がまた弟子。そしてふたりともおっさんに惚れている。
そしてさらにラノベのお約束で、主人公は自分がモテてることも強いことも無自覚で、そんなボクなんかが!ムーブを炸裂。

んー、お約束だぁ。清々しくも明瞭。

ところがここからちょっと毛色が変わってくる。そして毛色が変わらなきゃ凡百の異世界モノに埋もれるのみですしね。

おっさんは騎士団の剣術指南になる。
いろいろなところでいろいろなひと相手におっさんは剣術の腕前を披露させられる。
こういうとき、腕を隠すパターンが多いけど、おっさんは上記の国のナンバー1にいきなり勝ってのけます。ナンバー2にも勝ちます。つーか全員に勝ちます。しかも「ちゃんと」勝ちます。ここがすごい。この「ちゃんと」がとっても「ちゃんと」なんです後述。
そしてファンタジー異世界らしく、モンスター討伐にもいきます。冒険者のボインちゃんとともに、名前がつくような強いモンスターと戦って勝ちます。
と、異世界舞台で全方面に熱い剣術マンガなのです。マジかよ、冒険者のボインがあたってウヒョーみたいのないのかよ。ないのです!そういう方向のニーズは今度探しておきますね!

と、この剣術描写がちょっとすごい。

このままこう縦に剣を振り下ろすとこうなる。だからこうするって描写が頻発します。これが非常に決まる。残心っていうんでしょうかね。残像というか、マリオカートのタイムアタックのときのゴーストというか。
熟達者同士の一手二手先の読み合い描写というかな。詰将棋的な。
その殺陣描写も、きちんと生身の人間が剣を振り回していると重みをはじめとする存在感(と、少しの嘘)が感じられ、もちろんなにが起こっているのかというマンガおなじみの現象もなく、迫力も十分でマジで天下一品です。
しかも、チャンバラがはじめるお膳立てもとてもうまい。
すべての主要キャラとはいちおう戦ってる。お手合わせという感じで。
そこでのおっさんの強さが理にかなってる。ほかのメンバーも強い。それをねじ伏せる強さってのの説得力が、もう、「ちゃんとしてる」というほかないんですよね。
そのうえで、味方主要キャラとおっさんって組み合わせで各種ミッションでもまんべんなくチャンバラ。しかも、ロケーションも毎回凝っている。

こういう主人公(及び主要キャラ)が無敵状態ってマンガは往々にしてあります。異世界モノはとくによくみるでしょうか。それで主人公が苦戦するには、いくつかのパターンやセオリーがありますが、原作はかなり丁寧に先達のピンチ判例を学習分析されアレンジされていて、それを作画も過不足なく画にすることに成功しております。ちゃんとしています。

ただ、巻数のはじめのころは剣戟アクション以外の描写はこってりとはいきませんでしたかね。
キャラをうまく描くのは大前提。それがないと不成立です。
次に、女の子が心が動くかわいさがあるかエッチか。
その次に、アクションが熱いか。
次に、設定です。
そしてお話。
最後に背景描写です。

だから、背景描写が上手いか下手かを測るのにもっとも楽に評価できます。あれ?背景がアレなのにこのマンガはおもしろいぞ?なんでだろう?から逆算したほうが分析がしやすい。
背景描画の緻密さや正確さなどを含めた「説得力」は描かれてる内容に寄り添わないと出てきません。というか逆ですね。因果関係は逆になっていきます。
マンガがおもしろくなればなるほど、背景がちゃんと描かれていきます。必然です。だって、上記の「おもしろい」を増やしていくと最終的にはすべてをおもしろくしないといけなくなりますし。
(なかには女の子のかわいさやキャラの魅力だけで突破していく異能の作品もありますが)。

とくに「大きい」ことを描く作品は、題材にふさわしい背景が必要不可欠。例外はあまりないです。
本作はかなりわかりやすく最初の方はあっさりしてます。ここはそのままの意味です。画面が白いといいましょうか。(それで剣戟描画のキレだけはすごかったです)
でも、巻が進むにつれて、具体的にミュイ編からは、舞台設定の練り込み、そのための描画コストも加速度的に上がり、まあ、こっさりって感じにはなっていきます。天下一品なだけにね。
そして5巻にはもうこってりです。6巻のシュプール編はもうこってりMAXでした。このマンガの最大クライマックスですね。たぶん、この先、何十巻と続いたとしても、語り継がれる名バトルです。

そして6巻ですごくキリよくエピソードが片付きます。

よって、いまのうちに6巻まで読んでおいて2025年のアニメに備えましょう。たぶんアニメも1クールは6巻までとは思うんだけどな。

アニメ興味ないひとも血湧き肉躍る西洋剣戟バトルマンガです。敵も味方もそれぞれに流派があったり戦い方がちがったりしてほんと細やかによくできてますし、燃えるアクションマンガです。おっさんはじめ敵まで含めてみんなかっこいいし。
バイオレンス描画も、やりすぎず、かといって物足りなさもなく、いいバランスだと思いますよ。ファンタジーの盛り込み具合もいい塩梅ですし。
片田舎のおっさん、剣聖になる〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 1 (ヤングチャンピオン・コミックス) - 乍藤和樹, 佐賀崎しげる, 鍋島テツヒロ
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片田舎のおっさん、剣聖になる 1-6巻乍藤和樹同梱一律.即発送
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posted by すけきょう at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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