2025年06月03日

霧尾ファンクラブ 地球のお魚ぽんちゃん(実業之日本社)

霧尾ファンクラブ(6) (リュエルコミックス) [ 地球のお魚ぽんちゃん ] - 楽天ブックス
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全6巻で、先日霧尾ファンクラブFCというトリビュート+スピンオフ付きの本が出て、このトリビュートが激烈豪華メンバーなので、実はずっと買っていたけど寝かせてある既刊を読まなければならないと思ったので一生懸命読みました。

おれは寝るときにシーパップという無呼吸防止の装置をつけて寝てます。心臓に爆弾を抱えてるからです。この装置、すげえ簡単なこというと、空気を送られ続けている機械です。それにより無呼吸のアレをなんかいい具合にするんですね。普通につけているとなんでもないけど、口を開けると顔につけた装置から鼻や口にブオーって空気が入り込みます。それをつけて霧尾ファンクラブを読んでいたら、ツボに入ってリアル大笑いして空気がブオーってなってマジで呼吸困難になって死にかかりました。寝ながら読むべきではなかったですね。

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昨今は笑いに飢えてるなと自覚しています。マンガでもネットでもテレビでも声をだして笑うようなことはめっきりなくなりました。加齢によるものかそこらへんのレベルが下がったのか他に理由があるのかわからないけど、おれは笑いに飢えています。常に笑いたい。これは昨今に限らずおれの永遠に追い求めているものです。

だからいくつも笑えた、もっと正確に、「声を出して笑った」霧尾ファンクラブはそれだけでMVPなのです。

現在ドラマ化され、次にアニメ化も控えて人気なのは当たり前と思うわけです。

女子高生2人が憧れの同級生の霧尾くんのファンクラブを密かに開いているという話です。
ナチュラルボーンアイドル好きで買うマンガはアイドルマンガかアイドル憧れマンガか演劇マンガがメインという長女のせいでその手のはよく読んでいる(また読めと強要される)のでくわしいです。
作者が「推し」っていうのにやや抵抗があるそうなのでアレですが、そういう信者っていえるくらいの愛で対象を追い求める構造のギャグマンガとなっております。

ギャグの範囲がとても幅広い。
イロモネアってTV番組あるじゃないですか。いまでも年に1回くらいやってますね。「一発ギャグ」「モノマネ」「ショートコント」「モノボケ」「サイレント」の5つのジャンル で観客を一定数笑わせたらクリアで5戦を勝ち抜くというものです。これを開始即全笑いで駆け抜けてあっさり100万円獲得していくオールレンジ攻撃の万能タイプの引き出しの多い笑いです。座王だと笑い飯西田氏ですかね。
ギャグマンガはイロモネアよりさらにたくさんの笑いの分類ができますが、それらを鑑みても広く確実にモノにしていってます。
特色としては荒唐無稽が少ないことですかね。反則ギリギリもシュールもかなりあるけど、VFXがなくとも実現可能なネタばかりです。それは「ギャグマンガ」の範疇になるのです。なおかつかなり多岐にわたります。1話丸々キングオブコントみたいなシチュエーションものから「おもしろい顔」で笑わせるってのから会話、絵、物体、あらゆる種類のあらゆる切り口のギャグが散りばめれてあります。

そしてギャグマンガと油断したら泣かせたりミステリーだったりするくらいのしっかりしたストーリーも用意してある例の幕の内弁当のやつです。
でも、本作はそんな例のやつじゃないのです(どないやねん)。

作者の性分と思いますが、とにかくギッチギチにつめます。泣かせるシーン感動のシーン熱くなるシーンを「そのまま」にすることを是としないみたいで「あえて!ここに!笑いを入れる!」って勢いでギャグをつめていきます。層状になっているミルフィーユの隙間にカスタードクリームをブチュチュチュチュと増量していき元のサイズの倍くらいにします。読者に一息つくひまを与えません。
よくいえばそうですが、余韻や間やエモもギャグで塗りつぶしているところがあります。おれが前記の呼吸困難になったところもそういう余韻をキルするタイプのネタで完全不意打ちでした。おれは前記のとおり「笑いたい」からウエルカムなんだけどね。

[マンガのラジオ] Vol.190 地球のお魚ぽんちゃんさん(その1)「転機は『浦安鉄筋家族』と『GOLDEN LUCKY』」 | ニッポン放送 PODCAST STATION -ポッドキャストステーション- https://podcast.1242.com/manga/?ep=189

とても役に立つしおもしろい1ヶ月にわたってひとりのマンガ家にひととなりから作品まで語っていただくこのポッドキャストによると驚くことに本作は最初から最後までびっちり決まってたそうです。マジかよ。
(ついでに書くとこの番組終わっちゃいました。残念&復活希望です)

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ただ、そういわれると、バカネタのつもりで作ったと思われてた自作のファンソングが最後まで非常に重要な役割を担っていてすごいです。考え抜かれてるんだし必然だったんだなと。
YouTube貼り付けますが作者が作っておられYouTubeや各種サブスクに登録してあるこの曲がとてもいい曲(ちゃんとボーカル入りで作り上げられている)。あんまり気に入ったのでSpotifyとかアップルミュージックのプレイリストに登録しましたよ。しかも1曲目だ(すげえ個人的なことですね個人的な感想を書くところなのですみません)。
https://youtu.be/pRqs0EDcVzc?si=kz54f5bptzDf6ylU


Spotifyのプレイリスト
https://open.spotify.com/playlist/2MjeEVZ1TH0FOF21or3twI?si=mh4cdmYNRuuu8OdFn-a4CQ

上記のマンガのラジオのサブタイトルでもおわかりのように「浦安鉄筋家族」と「GOLDEN LUCKY」と、かなりストロングスタイルで1990年代のギャグマンガのエキスがたっぷり染み込んでいるもので、なんていうかおれにはストレートにツボです。これらもケラケラ笑ってます。あのころはシーパップなんてつけてませんでしたが呼吸困難になるくらい笑った記憶があります。

そして「霧尾ファンクラブFC」についても書きます。

畳みましょうか。

霧尾ファンクラブFC (リュエルコミックス) [ 地球のお魚ぽんちゃん ] - 楽天ブックス
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霧尾ファンクラブは最終回のあとのメイン以外のキャラのスピンオフと素晴らしいマンガ家によるトリビュート作品です。最初の方にも書いてありますが、トリビュートのメンツがすばらしい。

(トリビュート作品豪華執筆者一覧)
雪下まゆ/マツオヒロミ/榎本俊二/奥田亜紀子/つづ井/凸ノ高秀
中谷祐太(マユリカ)/みや/山科ティナ/和山やま/伊藤紺

※掲載順・敬称略

すごい!とくにプライベートでも友達らしい(ソースは前記のマンガのラジオ)、つづ井氏や和山やま氏と作者の御三方は現代のギャグマンガを牽引されてると思います。

男女ネタにナーバスな方にはもうしわけないけど、マンガはすでに女性がメインで創造されているエンタメで、あらゆるジャンルでメインで網羅されてます。
ただ、ギャグマンガの牙城は男性のものと思ってました。でも、いまや、上記の3人が立っております。
90年代からのギャグマンガはミクスチャーな感じがします。〇〇+ギャグという具合で。
かわいい女の子+ギャグ、ウンチク+ギャグ、バトル+ギャグなど。主従が半々あるいは従のほうがギャグというパターンが多いです。
これが純ギャグを描かれていると思われたマンガ家もいろいろなパターンの「半」ギャグを描かれています。
だが、ここにきてギャグのほうが主に据えているマンガ家がまた台頭されていて、ポンちゃん氏に和山やま氏やつづ井氏はその大きな括りでの「一派」な気はします(おれの中での「一派」で誰かがそういったわけじゃないんですがね)。それぞれ別のアプローチではありますが「ギャグマンガ」ではありますよね。
〇〇+ギャグの〇〇がなんていうか適当な言葉では出てこないんですが共通点があるように思えるんです。女性にぶっ刺さる笑いです。
すごくざっくりですが、女性の中から出てきたゲラゲラ笑える新しい「女性向け」の笑い。この3人のようなアプローチの「女性向け」でドーン!って切り口の笑いがかつてないと思われます。そこが「新しい」なあと。
うーん、こういうレッテル貼りするとちがうんだよなあって気がしてはがゆいです。とくに「女性向け」ってのがねえ。正確に芯をとらえてないって強く感じてはいるんですけど、「新しく」て「強い」といえる笑いにはなっていると思うんですよね。しかも、「ちゃんと」笑わせにきています。主としてのギャグマンガです。そこがとても痛快なんです。「笑える」感動です。

ある時期までギャグマンガは笑いがテーマの全ジャンルにおいて絶対王者で絶対最先端でした。そのバランスが崩れたのは松本人志氏の台頭です。でも、その松本人志の笑いにしてもギャグマンガの「翻訳」です。ギャグマンガを人がテレビでやる笑いに翻訳したための成功であり革命であった。おれの「笑い史」はそう解釈しています。あとネットの笑いなどほかにもいろいろありますが。

繰り返しになりますが、おれは笑いたいのです。いつでもたくさん笑いたいのです。それほど笑いはありがたいものだと思ってます。また、加齢により偏屈さに拍車がかかって笑えなくなっている。
だから笑わせてくれるひとはたいそう有り難い恩人です。

今回自分語りが多いなにがなんだかわからない文になっているついでに書きますが、奥さんがガンで亡くなる前後で、おれがおかしくならなかったのはラジオでした。伊集院光氏の「深夜の馬鹿力」を筆頭に全JUNKの全曜日と、当時力をいれてたポッドキャストのアフタートークも含めてずっと聞いてました。それで片道1時間20分かけて奥さんの病院に毎日顔を見せに行くときのBGMにしてました。意外にそのドライブで笑っていられる瞬間はいろいろ忘れていられましたし、その後もいろいろあったのでラジオ、というか笑いは必要でした。なかったらおかしくなってました。伊集院光氏は特にそういった意味で面と向かって1回感謝の意思を伝えたいくらいの恩人です。

松本人志氏を筆頭とするテレビの笑いもネットの笑いもそうですし、もちろんマンガでもそうです。笑うことはとても大事です。きついこというと笑いを阻害するひとはおれにとっては加害者です。暴論で極論ですが、テレビで笑いを減らす行為を是とし、強要するひとは、被害者だったとしてもおれには加害者でもあるってことです。
ここまでいうと余談にもほどがありますね。

ということは全く考えず、笑って泣けて楽しめる作品にはなっておりますので。でも、おれには前記のように死なないようにするシーパップのような大事な作品でもあるんだよと。そういうことをいいたかったわけです。次回作も楽しみにしております。

霧尾ファンクラブFC (リュエルコミックス) - 地球のお魚ぽんちゃん
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霧尾ファンクラブ(6) (リュエルコミックス) - 地球のお魚ぽんちゃん
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posted by すけきょう sukekyo at 12:47| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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