2025年07月24日

「壇蜜」清野とおる(講談社)

 「壇蜜」[本/雑誌] 1 (モーニングKC) (コミックス) / 清野とおる/著 - ネオウィング 楽天市場店
「壇蜜」[本/雑誌] 1 (モーニングKC) (コミックス) / 清野とおる/著 - ネオウィング 楽天市場店

アレだよね、昭和の少年誌の1話読み切りのほがらか日常系ギャグだとたいてい1話は描いてる話。
人気アイドルが忙しい毎日にいやんなって失踪して主人公のいる町内に逃げる話。で、「〇〇ちゃんがいるー!」ってドタバタの話。かくまったりするの。元ネタは「ローマの休日」なんかね?
本作はその実写版だよ。実写版ってなんだよ。

泣く子もぽーっと見とれて生唾を飲み込む人気芸能人の壇蜜氏と「人気」特殊マンガ家の清野とおる氏が結婚しました。
清野とおる氏は赤羽で出会ったけったいなひとの話とかけったいなこだわりを持ってるひとの話とか実話系ルポ系マンガの大家です。
その流れで赤羽を食べ歩きする壇蜜氏をテレビの仕事でエスコートしてけったいな赤羽を案内するって仕事で「壇蜜に会っておきたい」ってスケベ心で初対面だったはずが、表紙にあるように撮影の合間の中華料理店の店前で突然プロポーズされて結婚にいたるんですね。
なんつか、奥さんとしての壇蜜(齋藤支靜加→清野支靜加)と、あの「壇蜜」(だからタイトルがカギカッコ付きの「壇蜜」なんだよね)と、実にうまく混ぜたり分離させたりして、妻壇蜜という日常と「壇蜜」という非日常とふたつを描き分けてます。

(もうやってるけど以下敬称略で)

1話がとくにインパクトあって。
テレビ撮影の時、偶然を装ってリポートしている壇蜜と出くわすのですが、その描写が抜群でした。
こんな赤羽みたいな魔都に壇蜜が現れるのか?と思ってたら向こうから黒い塊が向かっていたと思ったら撮影している壇蜜ご一行で、その塊に清野氏が飲み込まれるサマ。小さく5コマで描写してるけど抜群です。日常(赤羽)が壇蜜(非日常)に変わり、そこに清野氏が飲み込まれていくという状況を簡潔に表現してます。そしてそれこそが以降の状態なわけですし。

俺から壇蜜にプロポーズなんて
するわけないじゃん?
そんなのバカじゃん?


まさにこれなんだよね。だからこそマンガ的でもあるのよね。奥さまは魔女、おくさまは17歳くらいマンガやドラマ的な「おくさまは壇蜜」です。

ネタバレになるかわからんけど、本作はわりと「火の鳥」な構成になってます。
火の鳥ってわかります?マイナーじゃないと思うんですけど、手塚治虫ってすごいマンガ家が描いておられるマンガです。血を飲むと不老不死になるといわれている火の鳥を巡る話で、古代の話と未来の話といったりきたりして展開していきます。それです。
本作は、初対面からのふたりのあゆみと結婚後の生活と2つの時間軸をいったりきたりしてます。

こんな構成です。
ネタバレになりますが、1巻では壇蜜がなぜ清野氏にプロポーズしたのか、つまり清野氏のなにに惚れたのか詳細に描かれてませんし(上記のテレビ番組は壇蜜が清野氏に会いたいってオファーだったそうですが)、入籍の顛末も描かれてません。
もしかしたら火の鳥云々は関係なく2巻でいきなりその謎も描かれてるのかもしれませんが(清野氏そんなしゃらくせえこと(火の鳥云々)しなそうな気もするからマジでわかりません)。

そして本作通してただただ輝くのが壇蜜だったりするのです。

そして のちに気付かされる
この「壇蜜」という人間は今まで
僕が出会った人間たちの中でも
指折りの「奇人」だということに…


壇蜜宅で壇蜜に酌してもらい、半沢直樹の役のセリフをいってもらうって、まあすごい羨ましいことをしてもらった次のページから壇蜜宅で起こる怪異を描いたり。

それぞれの身内と会う話もすごかったなあ。とくに清野氏の身内の話がおもしろい。

ということで、ただ芸能人サマとのうらやまし結婚マンガにならないのがとてもいいんだよな。シンプルに壇蜜がとても素敵なんだよな。けったいなところも込みで。しかも、それを最高におもしろがって描いてる清野氏もとっても素敵。
壇蜜も「壇蜜」であるところをおもしろがって利用してるあたりもまたいいんだよね。

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清野氏の作品、全部は読んでません。でも、壇蜜氏が清野氏で描かれる全キャラで1番カワイイというのはわかります。
付録が多い単行本ではあります。対談とかインタビューとかルポとか。このおもろい夫婦の対談がまたとてもいいんで見ましょう。

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羨ましいようであり、微笑ましいようであり、そのどれにもあてはまらないけったいさもありで、不思議なマンガです。不思議な夫婦です。



「壇蜜」(1) (モーニングコミックス) - 清野とおる
「壇蜜」(1) (モーニングコミックス) - 清野とおる
posted by すけきょう sukekyo at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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