怪獣を解剖する 上(1) (ビームコミックス) [ サイトウ マド ] - 楽天ブックス
怪獣を解剖する 下(2) (ビームコミックス) [ サイトウ マド ] - 楽天ブックス
発売が近くなるとおれがフォローしてるひと、とくにマンガ家が毎日のようにリポストしだして、これはただごとではない、乗らないとこのビッグウエーブに!感覚のお気楽ミーハー根性で買って読んだけど、衝撃のおもしろさでした。
短編集「解剖、幽霊、密室」は3篇の短編が収録されており,その中の「怪獣を解剖する」がブラッシュアップされマッシュアップされリメイクされたのが上下巻になったのが「怪獣を解剖する」になります
(と、ここまでは「解剖、幽霊、密室」 と同じ書き出しですと言うかコピペです。なぜなら最初は2作とも同時に取り上げようとしたのですが「長い下手くそな感想文誰も読まない問題」を真剣に鑑みて分割することにしました。こういうダラダラした言い訳を書いているから長くなるのですね)
短編集を先に読んで衝撃にぐわんぐわんしながら本作も読みました。上下巻の大作です。前記の通り短編集での「怪獣を解剖する」とは似てるところも多いけど磨き直したところが多いです。
女性怪獣学者の主人公が四国方面の島で怪獣研究をしてます。
彼女は怪獣出現による被災者であり地震にトラウマがある、男が大多数の働きづらい職場と戦いながらも怪獣の興味深い特徴を暴いていく。そのうちに怪獣が再び出現!って展開していきます。
ひとがちゃんと死んでいく怪獣モノだなと、まずは思いました。地震での災害描画に重ねているのはすぐに連想できます。ただ、怪獣が暴れたあとの惨劇から先の、浜辺に打ち上げられた怪獣の死骸を解剖し研究しつつ「戦う」という視点が新しい。戦うんですよ。体内に獰猛な寄生虫がいたり、「二次怪獣(読みましょう)」という要素も起こる。
そのうち、怪獣の声が聞こえる女性、主人公の元彼が現れたり人間関係も織り交ぜつつ、新たな怪獣が出現したりして話がクライマックスへとなだれ込んでいくのです。
短編集「解剖、幽霊、密室」 もそれぞれに骨太ってカンタンに書いただけでは済まされない卓越した話でしたが、さらに上下巻という長丁場を1本のエンターテインメントとしてビシーっと貫き通した手腕に感嘆しました。
いろいろな要素が加わってます。怪獣という題材から考えられて派生していく数多の作品から「いままで語られてなかった」要素やディティールを抽出して整理してまとめて物語として紡いでいっております。それでいながら怪獣モノとして読者が求められている「旨味」や「お約束」もきちんと描いております。
短編集のときに触れていた絵と物語のギャップは埋まっているというと語弊がありすぎるので申し訳ないのですが、本作では引っかかりが起こることはおれにはなかったです。
ありていにもっと迫力のある画風のひとのほうがいいとかいうことは全く無くて、つまり、サイトウ氏の絵と物語じゃないとこの味は出せないと感じました。完成されていってるなあと思いました。短編集のときよりもさらに。
作者は「何者?」って強く思います。香川県在住でダンナが古本屋を営んでいるとはYouTubeの香川県のローカルニュースの抜粋でみました。
おもしろかったのでみんなも読みましょう。2025年読んでおくべき1冊と思いました。次回作も待っております。映画化とかもよろしくどうぞ。

怪獣を解剖する 上 (ビームコミックス) - サイトウ マド

怪獣を解剖する 下 (ビームコミックス) - サイトウ マド

