2008年03月14日

「STAY-ああ 今年の夏も何もなかったわ-」西 炯子(小学館)

・ここしばらくは、わりといいマンガに出会えてますが、なかでも相当高い位置につけているマンガが、2003年発売で、ブックオフで105円で買った本作だったりしますのよ。

・九州のイナカの女子高演劇部5人それぞれの夏物語を連作短編形式で。

・この設定のカンペキさ。何度読んでも(そう、未読コミックがけっこうあるのに3回読み直してます)この設定の神がかっていることに舌をまきます。

・夏休みだから、それぞれ1人1人の「読みきり」の思い出が存在する。文化部だから、運動部とちがい、たまにしか集まらない。そいで、1人1人のキャラが徐々にからみだして、6話目で5話目の主人公さんの後日談兼オールスターキャストになるという構成。

・えーと、だから、ドラクエ4パターンよ。最近DSでもでたからわかるでしょ。

・この設定と構成力だけでもすばらしいことに、きっちり立ったキャラが乗っており、全体的にほんのりコメディタッチになっているのですよ。たとえるなら明太高菜マヨネーズ牛丼といったオモムキです。それでいて「全然くどくな〜い」プラスです。

・身長172cmでその男前フェイスのために女子にキャーキャーいわれるコの苦悩「STAY」。ここだけ男ナシ。

・恋焦がれているアイドルが所属している東京の劇団をみに上京するメガネ少女。実はひそかに劇団の入団テストも受けようとしている。そんなとき、コンビニでそのアイドルと出会う「STAR

・そうとは知らずにデートをしてしまう。そこで「オカズ」の話をする劇団の脚本担当のコの「LETTER

・幼馴染2人とかわした「カッパをみつけたほうと結婚する」という約束が10年経って果たされる「WATER」

・演劇部部長と顧問の先生の愛が育まれていく「ANSWER」

・そのつづき「ああ今年の夏も何もなかったわ」

・くわ、今、タイトル書いていってわかったけど、タイトルもつながっているのね。韻をふんでいて、表題作からはじまってサブタイトルで終わってるよ。

・各エピソードがまた、徐々に「男女のコトワリ」になっていくのがすごいね。
「女女」「アイドル」「はじめてのデート」「ドリカム状態」「先生と生徒」ってね。

・ほかに、物語の終わりに別の演劇部員、次の回の主人公がさりげなくからんできたりするんですよ。しかも姿を現さないんだよねえ。ここいらのさりげなさ。

・演劇部というのも密接にからんできてるんですよね。小道具として、テーマとして。その5人が表現できるものとはなんだ?的な。ま、演劇練習シーンとかほぼないんですが、逆にそれがよかったり。

・細かいところの配慮も万全で、5人そろって演劇のビデオをみるシーンなんか、それぞれのキャラ付けがひとコマで表現できてるんだよな。5者5様の感動をちゃんと描き分けておられる。

・後口さわやかっす。みんなカワイイし、みんな女子高生として地に足つけている。なんつーか、スーパー女子高とか、逆に幼すぎるだろって感じじゃなくて、年齢相応の「小娘感」がちゃんとある。ほら、山王さんみたいなエロ方面に達観したようにみえるキャラは「どこが高校生?」と思ったりもするじゃないですか。キャノン先生みたいにアナルにヌイグルミつめてたりさ。彼女は小学生だけどさ。

・んまあ、田舎の女子高生っぽくちょっとウブ目なのでしょうか。ま、山王さんは「監禁とアナル」をテーマにした自作エロ小説をオカズにしてるそうですが。

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・こんなよくできたの絶対に映像化すべきだろと思ったらありました。なんだかすごくナットクしつつもこれは絶対に原作のよさを活かしてないよなあと直感した。みてませんからなんともいえませんが。

・本作、「裏」のテーマかもしれないけど、「田舎の夏」の雰囲気が描かれているのが最高だったりします。切れ切れに挿入される背景の「夏」と「田舎」がたまらない。夕方とか星空とかも。田舎の夏のダルな空気がちゃんと漂ってるなあと。

・ということでイマサラすぎてもうしわけないですが、「1冊」のおもしろい本として強力にオススメしますよ。

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posted by すけきょう at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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