2017年10月16日

すうの空気攻略 4 福井 セイ(小学館 サンデーうぇぶりSSC)


え?次で終わるの? 4巻にして最高になったのに。
田舎からきたすうちゃんが母親が残した「空気を読んでうまくやるマニュアル」を読みながら失敗や笑いを繰り返しつつ、3巻の終わりに「最強の布陣」たる5人のメンバーができる。いやこれがとってもよかったのよ。5人がうまく噛み合ってるのをみてすうちゃんが泣くシーンあるの。これがギャグのつもりなんだろうけど本当に感動的なんだよね。
5人の描き分けがまたすばらしい。それぞれのキャラの立て方。性格の差異はそれがキモなんだからアタリマエだけど、見た目の描き分けの配慮がすばらしい。それぞれの記号をきっちり活かして、なおかつ女性っぽく私服なんかは気を使ったそれも性格ごとにコーデしてるし、それが極端ってギャグはなくてみんなアタリマエに着こなしてる感。
5人の活躍でもっとみたかったなあ。もう空気攻略とか関係ないじゃん(とはずっといってる派)。とはいえあと1巻あるから楽しみにしてます。


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2017年10月15日

Spotted Flower 3 木尾士目 白泉社

Spotted Flower 3
Posted with Amakuri at 2017.10.14
木尾士目
白泉社

アマゾンレビューでかなり叩かれてますね。
「げんしけん」のメンバーがたどらなかったルートをたどるマンガ。
斑目っぽい人が最初にホレた人と無事に結ばれたルート。
1巻では子供が生まれる前にセックスレスになったのでなんとかセックスしようと四苦八苦するほのぼのな話。
2巻では「二代目」のキャラもからんできて、なおかつ子供が生まれる。
3巻ではそのキャラたちがからみはじめて、斑目が浮気するのよね。
奥さんが子供を産んでヘロヘロのタイミングで、元カレといるのがたまらなくて浮気だって。ダメだなー。
と、まあ、こういうダメな人を描くのがもともと作者の芸風ではあるからな。
うーむ。たしかに「4巻はもう買いません」って意味もわかるんだよ。そういった意味か「げんしけん」と「二代目」ってこういう鬱展開をなくすようけっこう繊細にココロを砕いておられたんだなあと。

あと、メガネのコのすべて飲み込んだ上で愛している感じがすごい。ここで彼女と斑目に明確な差がついたよね。それは性差ってのもあるかもしれないけど、彼女の「愛」が報われてるのはおれは美しいとは思う。

それがあるからおれは4巻買うけどね。


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2017年10月14日

バイオレンスアクション 3 浅井 蓮次, 沢田 新(小学館 ビッグコミックススペシャル)


マンガになったなという感想を持ちました。
1巻のときにビートたけし氏だったらどんな映画を撮るのかみてみたいと思いました。
2巻はただただおもしろさのカタマリだったなと思いました。
そして3巻ではマンガになったなと思いました。良し悪しでいうなら両方の部分があります。それを書いたら早いかな。

専門学校に通う20歳の殺し屋ガール。ここしばらく非常にこのたとえを書いている気がするけど、「Dr.スランプ」におけるアラレちゃんバリの無敵さ。まだ苦戦を強いられているという状況はないね。
3巻では監禁するためだけに存在するというヤクザが管理してる不気味なビル。そこに監禁されている囚人を救いにきた3人組の殺し屋を迎え撃つという展開。全体の8割くらいかな。

この戦いがマンガだった。すなわち実写化してもこのおもしろさは絶対に出せない域に達したなと思ったんだ。
そしてそれを無理やり実写化するといわゆる「Vシネマ」になってしまうなと思った。
それはいいことなのか悪いことなのかわからない。ただ、ずっと実写ドラマ化やアニメ化を視野に入れつつやってたら3巻のおもしろさには到達しなかったろうなあ
みちたかってクレイジーなキャラと、主人公の相棒となるスナイパー。あと上記の3人組。これらの濃いキャラクターが入り乱れてドタバタするというのは非常に「マンガ的」。そしてこれを実写化するとしょうもない感じになるのは目に見えてるじゃない。もはやだれもこれらを演じられる人はいないだろう。そういったマンガ的に突き抜けてしまったんだよね。良し悪しだよほんと。

マンガは素晴らしいよ。マンガが最強だよやっぱり。



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2017年10月13日

私だってするんです 1 小谷 真倫 (新潮社 BUNCH COMICS)


好きなオトコに女性のオナニーについて調べてくれと頼まれていろいろと調査する話。
女性はセックスの話はするけどおたがいのオナニーの話は絶対にしないそうです。まあ、男性もそうしないけど女性はもっとしないみたい。
で、なんとか聞き出せる人を探し出してはそれを実践してみてレポートとしてイケメンくんに提出するという話。

鉄棒とかのぼり棒とか机の角とか自転車のサドルからはじまって、電マ、またエロシチュエーションとして腐女子的なこと、自撮りとかにも追求している。

その視点は新鮮でいいです。
ベタなのもあるし、たとえばただ布団にしがみついて股間をあてるってのはそれぞれが名前があるけど共有化されてないこととか(シャッポとかいってたかな)あって非常に「そうだったのか」という発見が。

話としてはどうでもいいんだけど、オトコの意図やストーリーの進行のほうが要領を得ない感じでふわふわしてる。

作画も全体的にそうで、モノの大きさとの縮尺とか、有名人の似顔絵(出川氏、伊集院氏、みうらじゅん氏っぽいのが登場しているがみんな普通にひどいクオリティ)とかなあ。

まあ、女の子はカワイイしエロシーンはエロいし、おまけもその手のネタだし、作者がやっていたお水世界のネタもおもしろい。2巻まで待ってみようかしらねえ。「おおそうだったのか」が1コ2コあるだけでもめっけもんだし。



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BEASTARS 5 板垣巴留(秋田書店 少年チャンピオン・コミックス)


ビビるほど急展開。
動物が人間みたいに暮らしてる世界。肉食獣と草食獣が表向きは仲良く暮らしている世界。
ハイイロオオカミなれど心穏やかな主人公は園芸部でヤリマンの草食のウサギにホレますが、ウサギは学園でトップを狙う主人公が裏方をつとめる演劇部の部長であるアカシカと愛人関係にあるのです。
と、4巻終わり、ウサギはライオンだけのヤクザ組織に拉致されます。組長に食べられるためです。それを奪還すべきハイイロオオカミは単身ヤクザ組織に乗り込むという5巻です。
え?と思った。このまま突っ走るのか?って。突っ走ったよ。いくつか後戻りできない展開が起こってるよ。大丈夫なんかこれ?ってくらい急展開。急展開に興奮するより心配するくらいの急展開。

1巻冒頭の学校内で草食が肉食に食い殺されるなんてネタはもう完全に雲散霧消しちゃったね。だって、今更その犯人がわかったところで5巻のモロモロのインパクトにはかなわない気がするんだもん。だれが犯人でも「ああそう」って感じになる。

そこがなんか残念だけど、6巻はどうなるってのはかなり強いね。


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2017年10月11日

六道の悪女たち 6 中村勇志(秋田書店少年チャンピオン・コミックス)


5巻が終わったときすごく心配してたんだ。
最大の敵のメンバーがこともあろうに同じクラスにまとめて転校してくる。そいで友好的に過ごしていたけど、それは六道の最大の武力を持つ乱奈さんの弱点を見つけるため。その弱点がみつかったので「仲良しごっこは終わり」だと6巻では血みどろの戦いが始まると。
と、6巻はまだそのための駆け引きでした。そもそも六道は普通の平和を愛するオタク少年だからドンパチの殴り合いは性に合わないし、むしろ命がけで止めようとする性質があるから全面戦争にはどうしたってならない。
そう、だから、6巻は敵に騙された乱奈さん以外のメンバーで知力体力を尽くして対決を避けるって「総力戦」なんだよ。これは予想できなかった。そしてそれが素晴らしい。各キャラが要所要所にガチンと噛み合って「いい仕事」をする。感動した。また飯沼が涙が出るほど男前でな。こいつが1番かっこいいわ。

それはそうと思ったけど作者の弱点。お膳立てが上手ではないな。5巻にポッとでてきた竜宮ってレディースが話の中核にいるってのはなあ。降ってわいたような配置だったんだよな。そりゃまあしょうがないってのもあるんだし、6巻で表紙になってる竜宮のボスはほれぼれするくらいかっこいいけどさ。そこが残念というか、もうちょっとうまくやれたんじゃないかと思ったり。

あとややネタバレになるけど、鬼島連合に取り込まれた乱奈さんに、六道が「そこにいるやつらちょっと殺しといて」っていえば一瞬で終わる話ではあるよね。乱奈さんはDr.スランプにおけるアラレちゃんばりに無敵なんだし。
でも「それ」をやらないところに感動があるんだよね。いや、分かっちゃいるんだけどさ。そういうの「いかんともしない」って状況を作り上げてそこに追い込まないとって気もする。六道はなんで歩道橋で無傷だったのか?とか、雷乃さんは学校じゃなくてもっと遠くで監禁しておけばよかたんじゃないかとか。
まあ、重箱の隅ってのは承知。不粋ってのも承知。作者よりにすごく考えればいくらでも解釈はでるのも承知。でも、それはすっきりと読者にわからせるってのも大事やろ。

しかし、わりとクライマックスだぞ。7巻で終わるのか。そういや六道で6巻だったな今回。


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2017年10月10日

働かないふたり 12 吉田 覚(新潮社 BUNCH COMICS)


作者のあとがきがおもしろかった「いつ終わんだこのマンガ」だって。いや、自虐ではないと思うけど芯食ってる。マジいつ終わるんだろう。
兄妹のだらだらニートライフ。どんどんキャラも増えていってよくわからない広がりを見せています。
12巻では11巻で風邪で調子の悪いときにイキオイで出してしまったオーストラリアのおっぱい大きい子ちゃんをもうひとり出すという暴挙に出ました。ほぼその出落ち感にもかかわらずインパクトは絶大。「Dr.スランプ」でガッちゃんが2人になったくらいのインパクト。

そしてそのふたりの役立ちどころは、ニート兄と戸川さんとの関係の行方ですね。今回これが特筆すべき変化のひとつでした。兄がおっぱいボーン子さんといるときに戸川さんと会うと戸川さんが意味もなくその場を立ち去って「なんで怒ってるのかしら?」と自問自答するという流れ。
その兄と戸川さんの今巻の最後のエピソードがいい。この関係から目が離せない。
そのあとの丸山のエピソードも定番で鉄板だけどよかった。丸山には幸せになってほしい。つーか、登場人物は全員幸せになってほしい。無理だろうけど。まあそれぞれそれなりにね。

毎巻おまけにシールがついてましたが今巻はポスターでした。シールのほうがコストがかかるんだろうかねえと思ったり。



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2017年10月09日

ぼくたちは勉強ができない 3 筒井 大志(集英社 ジャンプコミックス)


理系の天才が文系の大学を、文系の天才が理系の大学、そいでスポーツ特待生が英語の大学をそれぞれ目指すといいだしたので、すべてに秀才の男が彼女ら(3人とも美少女)の家庭教師をするというラブコメ。

展開が早く、3人ともいい感じでいい子でそれぞれにアプローチしていくも、お互い親友同士なので足を引っ張ったりの泥沼にならず、健全にちょっとはみ出すお色気ってラインで上手く進んでいる。

作者の最大の特長はまとめるのが上手いことだね。1話のページ数に内容を圧縮して美味しいところをうまく配置する。とってもきれいな盛り付けをするタイプ。プレバトで土井先生にホメられるタイプ。

その成果がいかんなく発揮されていたベストは主人公男がスマホを買う回。風呂に持ち込んで勉強したら捗るってきいたのでそれを試していたら、機械音痴の彼が次々と彼女らに連絡を取ってしまう。彼女らも風呂に入ってるという。
ドタバタとギャグと3人の入浴シーンがキレイにまとまっている。すばらしい。同じ内容を同じページ数でまとめるのは他作家にはなかなか難しいと思うぞ。
同様にパジャマパーティーの回も素晴らしいね。
作者はマンガ家にはかなりめずらしい多人数を上手く動かすという才能をもっている。

全体的なストーリーもそれぞれをチクチクと適度にコマをすすめている。とくに、文系の天才の子は他2人の思いをしってるからややひいてるけど、少しづつ自分の気持ちに気がつきはじめているというあたりの進行が上手い。文系の天才だけあって駆け引きを知ってるんだな。他の二人はそういうのもちょっとバカで直情径行だから。

匠の技ですね。安定安心の3巻でした。


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2017年10月08日

メメント飛日常 カラシ ユニコ(小学館ビッグコミックス)

メメント飛日常 (ビッグコミックス)
Posted with Amakuri at 2017.10.4
カラシ ユニコ
小学館

「100年後にも残る才能」なんて帯にありましたよ。大きく出ましたね。2117年にも本作が売ってるのでしょうか。
SFのさじ加減が絶妙な作品集です。
最近読んだ「好奇心は女子高生を殺す」「大きい犬」「ストレンジ・ファニー・ラブ」などの流れとはまたちがう、かなり現実のそれにウエイトを置いているためにSF的な要素のギャップがまたスゴイ。
「ザ・人間チャレンジ」ではネコが人間になれるかどうか会社で働くことで試される。会社でPCで入力作業を延々やる。
「BAR俺のドッグフード」は飼い犬が家出する。そしてBARを経営していたという話。

どこが現実にウエイトだよ?っておもわれるかもしれないけど、ネコの話はともかく、犬の話はかなり人間関係を深く細かく描いているんだよ。

「孤塔にて」は動物が出てこない。ものすごい高いビルの屋上。トイレしか無く、降り口が見当たらない場所に殺し屋のオトコが降ろされる話。すごい世界観。

だいたいがハッピーエンドってのがまたスゴイね。だいたい執筆された順に並んでいると、どんどん絵がさっぱりしていくんだよ。その絵にも救われているけどかなりどうかしてる話に重いリアリティが内包されている。

そして表題作がクライマックスに用意されていた。
1度だけみたそこにあるわけのない幻のバス。それがくるかもしれないということで毎日もう廃線になってるバス停で待つ少女の話。これは作品集のタイトルになるだけの作品だし、これは100年後にマンガのアンソロジーに収録されていてもいいと思うわ。おれが選者だったらまあもしかしたら。


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2017年10月07日

萌恵ちゃんは気にしない 1 喬文 (KADOKAWA MFC)


気にしない萌恵ちゃんの活躍を描いたギャグです。
萌恵って名前はあざといのを狙ったのかと思ったら「堂田萌恵」→「どうでんもええ」→「どうでもええ」ってシャレになっていたのでした。他の方も準拠。
モノゴトに動じないポーカーフェイスでマイペースな萌恵ちゃんを真ん中におきさえすればなにが起こってもええやろってことで、宇宙人は彼女をさらおうとして、それを守るために魔法少女の同級生は彼女を守り、血を吸いたくなる発作に襲われた吸血鬼の血を吸うJKは彼女を襲うなどのハチャメチャな展開。ハチャメチャって久しぶりに書いたな。
「ガキの使いやあらへんで!」に完全にチカラを抜いた松本氏を他のメンバーがいろいろと工夫して世界記録を出させようって企画がありました。それをふと思い出しました。萌恵ちゃんはあらゆることがなすがままで、まわりが進行させていく感じです。

細かくて精緻な描き込み、萌恵ちゃん以外はバリバリに動くアクション巨編。ものすごいアホらしいことをすごい技術で描いてるからこそ発生する笑いがありますね。
後半ほどナンセンスに加速していきます。萌恵ちゃんが幽体離脱する話とか、

なお、宇宙人のお姫様のムチムチな肉付きが超好みです。その肉を隠すために外界にいるときはゴスロリってのもまたいい。昨日そういう人のドキュメンタリーをみてたのでタイムリー。



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2017年10月06日

銀河の死なない子供たちへ(上) 施川 ユウキ(KADOKAWA 電撃コミックスNEXT)


これは下巻がでないとなんともいえないし、いわないほうがいいような気がするマンガだわ。
死なない兄妹と母の話。どうやってもなにしても死なない。そしてずっとどうやら人類がいなくなった世界を生きている。ごろんと横になって何年もすぎる。大地震がおきクジラに飲み込まれ、死んだクジラが海に打ち上げられ自然と腹が裂け中身が出てきたときに目をさます。そういう生活。
ある日、宇宙服を着た女性がくる。そして赤ちゃんを産んで息絶える。
兄妹はペット禁止になっていた。なぜなら彼女らのスパンじゃ一瞬で死ぬから。でも、兄妹は赤ちゃんを育てることにした。

Amazonのレビューにもあったけど、いろいろな要素を施川ユウキ風にやっているという趣。最初に兄が「火の鳥」を読んでいたりな。
だから真価は話が噛み合って進行しはじめた上巻の終わりを受けての下巻。そういうことなんで、現在はスゴイ雰囲気はするけどそれ止まりなんだよね。

下巻待ってちゃんと感想を書こう。上巻だけだと雰囲気はいいけど施川ユウキな「火の鳥」とか「ファイヤパンチ」的なスケールバカでかい話。

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カフェでカフィを ヨコイ エミ( 集英社クリエイティブコミックス)

カフェでカフィを (集英社クリエイティブコミックス)
Posted with Amakuri at 2017.10.4
ヨコイ エミ
集英社クリエイティブ

コーヒー(お茶)のある日常を描いたショートコミック。登場人物やロケーションなんかは他作品にゆるくつながってます。
お弁当のたらこを電子レンジで爆破させたのを顔に浴びてたけど1日会社で誰も気づかないのでムカついたから眉毛の端をうずまきにしてカフェに行くOLさんの話からはじまって、
それを最初に発見してドギマギしてる同じカフェにいたおじいちゃんの話がはじまって、
そのおじいちゃんが前に来たことがあるはずなのにどうみてもはじめてのカフェでキョロキョロしている男を「同士」と思って笑いかけるって感じ。

その冒頭3編のあとは、少し掲載年月にブランクがあったと思ったらパラリと絵柄も変わる。絵柄が変わるといろいろと急加速して進行する。
会社でミルでマメを挽いてコーヒーを淹れる女性と茶飲み友達になり、
自販機とコーヒーの会話。そこに茶飲み友達がそのラインを超える瞬間があって、
自販機とコーヒーが田舎に配置されて、そこから田舎の物語がはじまってって。

その田舎でのリンクからいよいよ真骨頂になっていくんですよ。ここからが本作の最大の特長。おじいちゃんおばあちゃんの出てくる話がとってもいい。ジジイ3人組で公民館借りて「マンガ部」やったりな。ジジイ3人がマンガを描くんだよ。あと、回転寿司でコーヒー飲んだりシュールストレミングを食べようとしたりな。そこからラブストーリーが薄くなっていくのよ。それがいい。最高。

そのラインとは別に個人的にぐっときたのは新婚夫婦がいっしょに家の狭い風呂に入ってコーヒー飲む話。エロかったなあ。こういう日常のあちこちで行われてるエロはいいなあ。足で金玉ぎゅってやったりなあ。憧れるねえ。

高野文子さん風のさっぱりとした絵(たぶんもっといろいろ混ざった末のこの画風ではあるんでしょうが。宇仁田ゆみさん要素とか)で、ドタバタとしてるのは本当に楽しくてなあ。読めば読むほど味わいが増す。
日常描写のあちこちの細かさがまたいいんだよな。病気の同僚の家に看病していって下痢漏らしたって半べそかいた男に「これ使え」ってナプキン渡したりとか。でもオトコは使い方がわからなくて戸惑うとか。

あ、でも、最後に謎。「卵かけご飯のコツ」の答えってどこかに書いてたかしら?


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2017年10月04日

美人女上司滝沢さん やんBARU(KADOKAWAドラゴンコミックスエイジ や 3-1-1)


おっぱいが大きくて胸元が開いた服ばかり着てるけど男にウブでちょっとドジっ子だけどそれを悟らせないようにしてる上司さんと、よくできた部下とのニヤニヤラブコメ、ややエロコメ4コマ。

本作のポイントは部長さんの存在だね。基本、上司と主人公と部長さん、ほかにゲストキャラが幾人か。この部長がでっぷり太ってハゲでセクハラの上司なんだけど、それをちゃんと描いているのがすばらしい。この手のマンガにおいては、いまや、男性キャラもいないし、下手したらおめえ描けないだろって人が多い(でもバカ売れしてたりもする)ところ、みごとにマンガ内に住まわせることに成功していると思う。これができないマンガ家ってほんっとおおおおおおに多いから。老若男女の「若」、しかも、思春期くらいのミドルティーンの「若」しか描けないマンガ家。別にそれはそれでいいんだけど、できるならいろいろ描けたほうがいいに決まってるんだし。本作はそれが大きい。きちんと部長はアクセントになってるしな。

つづいて残念なところ。各話のインターミッションに上司さんのイラストを描き下ろしされてるみたいけど、これが案外と世界観をこわしてるのがあって残念。サービスカットだけど、扇情的なものが多いんだよな。上司さん、エロボディの持ち主だけどそれをあまりヨシと思ってないのがミソだから、エロ水着着たり、アヘ顔ダブルピースさせたり、体操服でおっぱいゆらしてるみたいな、セクシーイメージDVDみたいのは、それはそれでそういう意図と飲み込めはするんだけど、できれば話の後日談とか、そういうリンクのほうがよかった(そういうのもある)。

でも、ま、ずっと書店でみかけては買おうかどうしようか迷っていたけど買って大正解。おもしろかった。上司さんの懐いてはくるけどまだ「いい人」とまりのラインに踏みとどまっているのがいいです。この先どうなるのかわかりませんが、キャラがいたずらに増えていきそう注意報はありますかね。後半登場の女性新入社員とか清水ってキャラをもうちょっと活躍させることができるような気がするな。


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少女終末旅行 5 つくみず(新潮社BUNCH COMICS)

少女終末旅行 5 (BUNCH COMICS)
Posted with Amakuri at 2017.10.3
つくみず
新潮社

5巻です。アニメ化も決定してます。
誰もいないというよりほぼ生き物がいない世界、少女2人が旅をしています。
このマンガ、しみじみとギリギリの「日常」なんだなあと。これまでもそうですが5巻でも軽くピンチのところがあります。足場が落ちそうになったりとか。
軽く描いてますが、そうなった瞬間に「日常」は終わるんですよね。誰かが死ぬとなくなる日常。そうだからこれは最後の日常なんですよね。ひとりで行うのは旅というより任務ですから。
そう考えると日常マンガでのサービスでおなじみの入浴シーンあありますが、それもまた別のものにみえてきたりもします。これは人類が行っている最後の入浴シーンなのかと。
美術館をめぐるシーンなんてのもそうですね。人類最後の絵になるかもしれないって。
今回、それをちょっと連想させる「死」の描写があります。彼女らがそうと知らずにその「死」に手を貸すシーンがあります。

「霊長類南へ」という筒井康隆氏の長編小説があります。人類が核戦争をはじめて全滅する話です。そのときに、人類最後だろうって自覚している男が、人類全体を代表して最期の言葉をいわなければならないってプレッシャーに襲われるシーンがあります(その時代ならではの最期の言葉を言います)。彼女らはそれを淡々とスローライフ的な日常の中で行っているというのがおもしろいですね。


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2017年10月02日

写真屋カフカ 2 山川 直人(小学館ビッグコミックススペシャル)


2巻目。不思議な写真屋カフカの日常を追いかけているショートコミック。
これまでの山川直人節は健在ではあるけど、本作はより日常よりの「普通」の日々が起こる。「不思議な写真屋」と書いたけど、これは本当にささやかな不思議で、写真に一瞬過去や未来がみえるというささやかさ。
本作は1巻のときもそうでしたがささやかな日常をちょっとだけ写真に切り取ったという感じで、それが非常にいい。

地上げ屋のオヤジが少年時代散々通ってたプラモデル屋のおばちゃんの店に行く。そこを自分の会社で地上げすることになるから。そこでカフカが写真を撮っていたので最後に1枚撮ってもらったら少年時代の自分が写っていた。

ラーメンチェーン店。オリジナルメニューはやるわ、汚いわ、いろいろと仕事が甘いので本部から視察員がくる。彼が主人公の話とかな。

1巻のときも思ったけど、各キャラがゆるくつながっているのとか、山川版の「三丁目の夕日」的なものを感じていいです。ゆったりと読むことのできる作品です。しかし、安定して作品を出されておりますね。


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2017年10月01日

団地ともお 30 小田 扉(小学館ビッグコミックス)


30巻大台です。でも、例によって淡々と「いつもどおり」のともおです。同時発売にプロレスギャグなどがでてますが、元ネタがわからないので買ってません。

今回は実験がすぎる巻ではあったなあ。クワガタの葬式からはじまってインサイドヘッド的なともおのうんこ漏らしの歴史、瓦職人、髪の毛ボサボサときて、虚を突いたように大森さんのいい話をぶちこんだあと、今回最大の問題作スプレーの人たちの話。
いわゆるイマジナリーフレンドのともお版っすね。
そのあとも前後編のかりぐらりのアリエッティのともお版あり、死神との共同生活あり、盛り沢山です。えーと、アニメはもう放送してないんですよね。だいぶアニメ化にむかない内容になってきましたね。

おれが30巻で1番「おおっ」って思ったのは、深夜ラジオで名前を呼ばれたときのともおの万能感と選ばれた感の話ですね。すげえよくわかります。おれも読まれたかったなあ。

ということで相変わらず意欲的という恐ろしいマンガではあります。30巻続いて、ステレオタイプ的な展開があまりない。


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2017年09月30日

淋しいのはアンタだけじゃない 3 吉本 浩二(小学館 ビッグコミックス)


完結巻。やや打ち切りの様相。でも、すべての謎を押さえきれいに終わっていたところは見事。
終わってから逆算してみると3つの軸があったと思う。それがあらすじも兼ねていると思うので書いてみる。

まず、「難聴」とはなんぞやということ。
次に、難聴のマンガ表現。
そして、すべてのキーポイントとなる佐村河内守。

これらについて追求しつつある程度の答えを提示しているドキュメントコミックの完結巻です。そういうミステリの側面もあるのでネタバレを考慮してこのラインはそこまでにしておきますが、この3つの謎が1本に収束していく(推測も多分に含まれるけどさ)展開はホントミステリの謎解きそのままでとってもエキサイティングでした。

「補聴器」が3巻ではキーになる。耳の悪い人がつけている印象ありますよね補聴器。これ、仕組みとしては単純で小さい音を拾って大きく増幅して耳に届ける。これは難聴の人だと「耳鳴り」も増幅されていくから苦痛でしかないんだって。それでも補聴器は必要。それはなぜか?ということから大筋につながっていく。これは目からウロコではあった。

さらにすばらしいことに3巻では大笑いした。それが佐村河内守氏とのパート。本筋に関するネタバレじゃないから書いておくと、1話が雑誌に掲載されてから佐村河内守氏に呼び出されて作者が向かうと、自分が太って描かれすぎているってクレーム。そうしたら奥さんが「あのときはあれくらい太ってたからしょうがないじゃない」と。「じゃあ今は20キロ痩せたのでその絵でつかってください」って。それを神妙な顔をして撮るシーンとかもうおかしくてしょうがなかったわ。そのあとの担当編集のフォローになってないフォローとか。あと、本当にそうだったんだろうけど、長距離異動のとき、横で寝こけている編集の顔とかしみじみとおかしい。
マジメな展開が多いですが、吉本氏の作品で本人が出てくるときのギャグ展開は実に侮れないんだよな。

トータルでそうとうおもしろかったです。

話題になってまたつづきを読むことができるといいなあ(あまり売れなかったようです)


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2017年09月29日

CITY(3) あらゐ けいいち(講談社 モーニング KC)

CITY(3) (モーニング KC)
Posted with Amakuri at 2017.9.26
あらゐ けいいち
講談社

これで安定した感じかな。3巻。
CITYに暮らす人々を描いた群像ギャグ。 ポイントは「カワイイ」の拡大再生産か。
「日常」のような女子3人組はいるけども、それ以外のほうがチカラが入っているように見受けられる。 たとえば大家族の朝の風景。たとえば各賞を進呈するジジイ。そういう女の子要素少なめのネタを意図的に入れてる。それは1巻2巻から引き続いている。まあでも相変わらず女の子が多いけどな。なぜならカワイイ成分を大量に収穫できるのは女の子だからね。

となると、ちょっと弱点もみえるなあ。そういう作風になった以上老若男女描かなきゃならないけど、老の女がちょっと苦手なご様子なあ。まあ、そこいらの発展も込みで楽しんでます。

もう、あらゐ けいいちマンガはそこにあってカワイイが摂取できるのであればそれで価格分の価値は生じますしね。ただ、作者自身「それだけじゃないんだお」って抗い続けておられる感じありますよね。そこが1番スキ。


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2017年09月28日

だんだん街の徳馬と嫁 上巻 藤見 よいこ(小学館ビッグコミックス)


上下巻ということで試しに。
戦後間もなくの福岡の話です。戦死した兄の嫁と結婚することになった炭鉱夫の話です。
純情な弟なのでひとつ屋根の下にすまっている元兄の嫁ですが、もう一歩踏み出すことができない。でも、いろいろなエピソードがあり、「そろそろか!」ってなったときに嫁がこともあろうに兄の名を口にしてしまうわけよ。

ほのぼのとした絵で、ちょっとつり目の一見クールビューティーですがころころと表情を変える元兄嫁が可愛いね。

あと読み切りの「あたしのフェデリカ」がまた興味深い。画家のダリ、その妹、そしてダリの親友の詩人。その三角関係をば。これが史実などの「へー」もあるし、随所に「いいシーン」がある佳作。

あとがきマンガの自画像に声を出して笑いました。このセンスすげえわ。これだけでもただ者じゃないなあと。

下巻楽しみにしてます。ただまあどうなるんやろ。


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2017年09月27日

ライカンスロープ冒険保険 2 西 義之(集英社ヤングジャンプコミックス)


RPG的な世界に保険を組み込んだ話。パーティーが全滅したら自動的に教会に連れて行かれて生き帰っているのは保険があるからだった。

2巻が最高だった。全エピソードが珠玉。

1話完結の、「保険業やっててこんな話があった」的なのが続くかと思ったら大きい話がゴゴゴゴと動き出す。

まずは魔王軍が「気がつく」。そりゃあそうだな。敵がやられてもやられても立ち向かってくるんだもんおかしいと思うわ。保険屋の社長が拉致監禁される。それを奪還にいくアクション巨編。いきなりクライマックス。

続いて、狂戦士のベタだけどマジ泣きの話に「くっ殺せ」がいいたいだけの姫戦士の1話完結的なこれが「本線」じゃねえのと思う話。

で、後半、社長の過去を知ってる男が登場していっきに物語がヒートアップして3巻に続く。

見事な構成。スキがない。適度にギャグ、適度にエロ、問題のないアクション描画。シリアスパートもずっと緊張感が漂うし。すべてにソツがない。

ただ、おれは未読ですが前作「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」のファンによるとこんな下品なのはダメですってことです(Amazonレビュ−より)。ふーむそんなものなのか。

3巻楽しみ。


posted by すけきょう at 20:31| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする