2024年09月14日

片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 乍藤和樹 (漫画) 佐賀崎しげる (原作) 鍋島テツヒロ (原作)秋田書店

片田舎のおっさん、剣聖になる〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 6【電子書籍】[ 乍藤和樹 ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
片田舎のおっさん、剣聖になる〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 6【電子書籍】[ 乍藤和樹 ] - 楽天Kobo電子書籍ストア

ラノベのコミカライズ。原作未読、コミカライズは既刊6巻まで。その時点での感想になります。2025年にアニメ化も決定しております。さもありなん。

Amazonでポイントバック中!傑作剣術マンガ『片田舎のおっさん、剣聖になる』を通し「男の子の物語」の素晴らしさを語る。 - Something Orange https://somethingorange.jp/entry/ossannkennsei

ここがバズったので、そういや持ってるけど読んでないなと思いみてみると、5巻まですでに所有しておりました。
上記インスパイヤされたブログのタイトルのように電書の功罪、セールで安かったり、〇〇円以上買ったら〇〇%引きとかあるので帳尻合わせについいろいろ買ってしまうんですよね。同タイトルはまたチョイチョイとセールになります。これを書いている時点(2024年9月14日午後9時30分)ではまだ安いようです。

そいでもってどんなもんじゃいと5巻まで一瞬で読み終えて6巻も大急ぎで買って追いついて、そのいきおいで感想文も書いている次第です。その熱はあるということです。

あらすじを書く感想文は下手な感想文だそうですが、あらすじ。

タイトル通りです。ラノベの功罪。片田舎で町の子供を相手に剣術を教えてるおっさん。ある日、子供の頃に教えていた弟子がやってくる。可憐な女の子だけど国の一番強い騎士団の団長になってやってきましたよ。
女の子はおっさんの力量を買っているので、ぜひ騎士団に剣を教えて下さい。というか、王様勅命ですさあ行きましょうとあれよと都に連れ出される。
都についたら国一番の冒険者(これまたお約束のボインの女の子)がまた弟子。そしてふたりともおっさんに惚れている。
そしてさらにラノベのお約束で、主人公は自分がモテてることも強いことも無自覚で、そんなボクなんかが!ムーブを炸裂。

んー、お約束だぁ。清々しくも明瞭。

ところがここからちょっと毛色が変わってくる。そして毛色が変わらなきゃ凡百の異世界モノに埋もれるのみですしね。

おっさんは騎士団の剣術指南になる。
いろいろなところでいろいろなひと相手におっさんは剣術の腕前を披露させられる。
こういうとき、腕を隠すパターンが多いけど、おっさんは上記の国のナンバー1にいきなり勝ってのけます。ナンバー2にも勝ちます。つーか全員に勝ちます。しかも「ちゃんと」勝ちます。ここがすごい。この「ちゃんと」がとっても「ちゃんと」なんです後述。
そしてファンタジー異世界らしく、モンスター討伐にもいきます。冒険者のボインちゃんとともに、名前がつくような強いモンスターと戦って勝ちます。
と、異世界舞台で全方面に熱い剣術マンガなのです。マジかよ、冒険者のボインがあたってウヒョーみたいのないのかよ。ないのです!そういう方向のニーズは今度探しておきますね!

と、この剣術描写がちょっとすごい。

このままこう縦に剣を振り下ろすとこうなる。だからこうするって描写が頻発します。これが非常に決まる。残心っていうんでしょうかね。残像というか、マリオカートのタイムアタックのときのゴーストというか。
熟達者同士の一手二手先の読み合い描写というかな。詰将棋的な。
その殺陣描写も、きちんと生身の人間が剣を振り回していると重みをはじめとする存在感(と、少しの嘘)が感じられ、もちろんなにが起こっているのかというマンガおなじみの現象もなく、迫力も十分でマジで天下一品です。
しかも、チャンバラがはじめるお膳立てもとてもうまい。
すべての主要キャラとはいちおう戦ってる。お手合わせという感じで。
そこでのおっさんの強さが理にかなってる。ほかのメンバーも強い。それをねじ伏せる強さってのの説得力が、もう、「ちゃんとしてる」というほかないんですよね。
そのうえで、味方主要キャラとおっさんって組み合わせで各種ミッションでもまんべんなくチャンバラ。しかも、ロケーションも毎回凝っている。

こういう主人公(及び主要キャラ)が無敵状態ってマンガは往々にしてあります。異世界モノはとくによくみるでしょうか。それで主人公が苦戦するには、いくつかのパターンやセオリーがありますが、原作はかなり丁寧に先達のピンチ判例を学習分析されアレンジされていて、それを作画も過不足なく画にすることに成功しております。ちゃんとしています。

ただ、巻数のはじめのころは剣戟アクション以外の描写はこってりとはいきませんでしたかね。
キャラをうまく描くのは大前提。それがないと不成立です。
次に、女の子が心が動くかわいさがあるかエッチか。
その次に、アクションが熱いか。
次に、設定です。
そしてお話。
最後に背景描写です。

だから、背景描写が上手いか下手かを測るのにもっとも楽に評価できます。あれ?背景がアレなのにこのマンガはおもしろいぞ?なんでだろう?から逆算したほうが分析がしやすい。
背景描画の緻密さや正確さなどを含めた「説得力」は描かれてる内容に寄り添わないと出てきません。というか逆ですね。因果関係は逆になっていきます。
マンガがおもしろくなればなるほど、背景がちゃんと描かれていきます。必然です。だって、上記の「おもしろい」を増やしていくと最終的にはすべてをおもしろくしないといけなくなりますし。
(なかには女の子のかわいさやキャラの魅力だけで突破していく異能の作品もありますが)。

とくに「大きい」ことを描く作品は、題材にふさわしい背景が必要不可欠。例外はあまりないです。
本作はかなりわかりやすく最初の方はあっさりしてます。ここはそのままの意味です。画面が白いといいましょうか。(それで剣戟描画のキレだけはすごかったです)
でも、巻が進むにつれて、具体的にミュイ編からは、舞台設定の練り込み、そのための描画コストも加速度的に上がり、まあ、こっさりって感じにはなっていきます。天下一品なだけにね。
そして5巻にはもうこってりです。6巻のシュプール編はもうこってりMAXでした。このマンガの最大クライマックスですね。たぶん、この先、何十巻と続いたとしても、語り継がれる名バトルです。

そして6巻ですごくキリよくエピソードが片付きます。

よって、いまのうちに6巻まで読んでおいて2025年のアニメに備えましょう。たぶんアニメも1クールは6巻までとは思うんだけどな。

アニメ興味ないひとも血湧き肉躍る西洋剣戟バトルマンガです。敵も味方もそれぞれに流派があったり戦い方がちがったりしてほんと細やかによくできてますし、燃えるアクションマンガです。おっさんはじめ敵まで含めてみんなかっこいいし。
バイオレンス描画も、やりすぎず、かといって物足りなさもなく、いいバランスだと思いますよ。ファンタジーの盛り込み具合もいい塩梅ですし。
片田舎のおっさん、剣聖になる〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 1 (ヤングチャンピオン・コミックス) - 乍藤和樹, 佐賀崎しげる, 鍋島テツヒロ
片田舎のおっさん、剣聖になる〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 1 (ヤングチャンピオン・コミックス) - 乍藤和樹, 佐賀崎しげる, 鍋島テツヒロ

片田舎のおっさん、剣聖になる 1-6巻乍藤和樹同梱一律.即発送
片田舎のおっさん、剣聖になる 1-6巻乍藤和樹同梱一律.即発送
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2024年09月05日

路傍のフジイ 鍋倉夫 小学館

路傍のフジイ(1) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ] - 楽天ブックス
路傍のフジイ(1) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ] - 楽天ブックス
既刊3巻。
あらすじや概要を書こうとして、難しいマンガだなと思った。
主人公フジイ。40オーバーで派遣で働いているさえない男。誰とでも敬語で話し、なにを考えるかよくわからない。どこか一芸に秀でているわけでもない。THE 取るに足りない男。けして人生に関わるような大事な人物ではない。でも、、、
ああ、3巻にうまくセリフで抜き出してあるね。丸引用。

「恋愛感情とは違うんだよな… 藤井さんを見てると人間そのものを少し好きになれるというか…」
「別に、会って何するわけじゃないんだけど… 時々 無性に会いたくなるんだよね」

これらはフジイと交流があったり過去にあったひとのモノローグですね。
フジイはさしてなにかをしたわけではないです。協調性があるわけでもセンスや含蓄があったり、逆に無口で男前ムーブをかますこともせず、その場にただ居る。静かにいて尋ねられたことはなんでも答える。思ったことも率直に言う。行動もする。独身なことや趣味やら態度をいじられたとしてもはにかんでじっとしている。
多趣味でいろいろなことをするんだけど、そのどれもが秀でているわけでもない。絵を描いたり、皿を焼いたり、ギターを弾いて歌うけど、どれも素人レベル。

だけどその率直さに疲れないし居心地がいいので懐いてくるひとが現れる。のちに役者になったり有名になったりして、ふと、フジイどうしてるんだろう?と思う。

そういう感じのマンガ。

フジイをみていると、あるひとを思い出す。

と、以降とうとうと前職で知り合ったフジイみたいなひとのことを書こうとして、ふと気がつく。
もしかして、「路傍のフジイ」を読んだひとには、みな、それぞれのMYフジイを連想しているのではないか?と。
そしてそれは本作に魅入られている証ではないのかと?

ふう、危ないところだった。1巻は鳥を捕まえる話。2巻は嵐の夜にフリマの準備をする話。占い師の話も好きだな。3巻はスキニーゴートのライブに行く話が好き。
って、まんまとフジイにやられてるなあ。

でも、これを書くために読み返していて思い出したけど、フジイの本名、店をやっていたときの隣人だな。なかなかアレなひとだった。本書のフジイの真逆にいるひと。ま、よくある名字に名前だもんね。

路傍のフジイ(2) (ビッグコミックス) - 鍋倉夫
路傍のフジイ(2) (ビッグコミックス) - 鍋倉夫
路傍のフジイ(3) (ビッグコミックス) - 鍋倉夫
路傍のフジイ(3) (ビッグコミックス) - 鍋倉夫
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2024年08月22日

偉人画報 三峯徹 稀見理都 金平守人 少年画報社

偉人画報 三峯徹(全1巻) (YKコミックス) [ 稀見理都 ] - 楽天ブックス
偉人画報 三峯徹(全1巻) (YKコミックス) [ 稀見理都 ] - 楽天ブックス

伝説の投稿職人三峯徹の半生を描いたもの。

ということは、すなわち昭和生のオタクの半生を語るものでもあり、それはつまり自分の半生といかにリンクしてるかになり、どうしても自分語りになってしまう。だが、こんなネットの隅っこのしょうもないもんの自分語りに興味がある人がいるとは思えないので、それは折りたたんでから書きます。それまでは普通の感想文を。

三峯徹氏はエロマンガ雑誌の読者投稿コーナーでひと目見たら誰もが覚える独自性の強い絵で投稿を続けていることで有名で、ついにはタモリ倶楽部にも特集されております。そんな彼の生まれたときからの歩みを描いております。

原作はもちろん三峯徹氏で監修は「エロマンガノゲンバ」などエロマンガ研究の稀見理都氏が手がけており、エロマンガ描きマンガなどを描いておられるベテラン金平守人氏が作画という最高の布陣。
これでつまらないはずがない。
というか、その予想を大きく上回ってとてもおもしろい。
三峯徹氏の半生がかなり波乱万丈だったりするし、それは昭和のオタクのドキュメンタリーとしてもすごくよくできているんですよね。

淡々と読者投稿(プラスオタク交流)を続けていた昭和生まれの一般オタクの半生ながら、いやそれだからこそ、当時のオタクの空気を凄くリアルに感じられる。少なくともおれは本作がもっともおれの感じていた空気に近い昭和オタク描画って感じがする。
たとえば、幼女誘拐監禁殺人の犯人の家がビデオテープだらけで、オタクバッシングがはじまったって過去の事件がありました。それにともない成年コミックが「成年コミック」になってしまった流れ。
当時のオタクはさぞかし大変だったって話だけど、まったく無傷だったと三峯氏は語っているし、稀見理都氏の解説でも壊滅的な被害は一部とあったし、実際のところおれも無傷もいいところだった。もっともおれはあのころ「そんなに」エロマンガは読んでなかったが、本書にもある三峯氏の代表作のひとつでもある「朝顔イラスト」は雑誌で目にしている。なおかつ、本書で実名で出ているエロマンガ誌は全て知っているなあ。どこが「そんなに」か。

本書内はだいたいの固有名詞が実名であり、様々な当時のエロマンガ誌などがバリバリ実名で描いてあります(おもに表紙)。その全てが金平守人氏の模写なんですよね。このすごさに恐れおののいてしまう。
とくに少年三峯氏の性の芽生えのトリガーになった石ノ森章太郎氏の模写がすごい。この空気というか「らしさ」が出てるの本当にすごいです。まんま石ノ森氏のタッチを再現できてるなあって。
そのほかのマンガはもちろんだし、三峯徹氏の投稿に並行するカタチで他の方の投稿もあり、それも模写されてます。はては昭和平成の風俗文化なんかも模写されておりその精緻さと「精緻すぎなさ」がすごいです。
模写ってどのような感じでされているのかはよくわかりませんが、少なくともスキャンしてトレースって簡単に済ませてることはないなあと。とくに90年代の美少女エロマンガ誌の全盛期の「臭い」が感じられるなあと。魂の模写。もちろん、「地」の絵もすごい。コミックビームがデビューかは知りませんし、全てを追いかけてきたとはいいませんが、金平氏のファンを続けていますからね。どれくらいファンかというと娘の名前は金平氏のマンガのキャラからとってるくらいです(たまたま目についていいなってノリでしたが)。
デビュー時より作画が上手な方と思ってましたが、現在もなお向上されているなあと思いました。ブレがないままキレが増している。

稀見理都氏もかなり的確に当時もエロマンガ業界を分析しておられててすごいです。当時の空気を真空パックされ、ああそうそうって思い出すことが多いのです。
また30年1万5千以上の投稿を眺め倒され(国会図書館等利用して)ておる。三峯徹氏は投稿を通じて日記ブログのようなことを延々とされており、個人情報があのイラストともにだだ漏れだったってあとがき代わりのコラムも最高でした。それがまた模写の端々にわかったりするのがまた最高で。まじで三峯徹情報がみんなわかってしまう感。

マンガはタイトルからもわかるように、偉人三峯徹の伝記漫画という体裁になっており、学校の図書館にある学習まんがのパロディ的なつくりになっております。
大なり小なり、この手のパロディマンガはギャグ系をお描きになるひとは1回は着手されていそうな気がするんですが、それを1冊通して作りきったのがすごいです。そういう意味では「純ギャグ」でかなり完成度の高いギャグマンガの1冊になっております。

そして物語はビルドゥングスロマン仕立てになっています。そこらへんも偉人伝的ですね。
ハガキ投稿を通じての交流人気。やりすぎゆえの炎上と、ネット前時代に、ネットで起こったことを一通り経験されております。挙げ句に、編集のほうから大きなスペースを割いて名指しでdisられてたりするんですよね。実はおれが名前をリアルタイムで認識したのはこのコラムのような気がします。だからなんかとてつもなく大きなオタクコミュニティの裏ボスみたいな感じなのか?と思ってました(「げんしけん」にそういうひとでてきてたじゃないですか?実在の人物でいうと岡田斗司夫さん的な)。ま、余談。
そして、炎上→自粛→復活(エモいドラマあり)のあと、右肩上がりに有名になり、ついにはタモリ倶楽部出演(これまたリアタイで目撃してた)を果たされます。実はそのあとにさらに頂点の出来事もありますがそれは読んでのお楽しみ。さらに、そのあと劇的なエモ展開。そしてハートフルエンド。「男坂」オチ。
ぶっちゃけその歩みに同期する点が多いんですよね。なんたって学年いっしょですし。タメなんすよ。
おれのみならず、昭和後期にオタクに関わっていたひとにはリンクすることが多いのではないかなと。

日本のヘンリー・ダーガーなんて称されてるらしいですが、ただ、特異な人物であると同時にともに昭和平成をオタクとして駆け抜けた「一般オタク人」としての三峯氏も浮かび上がるんですよね。そこが両方描いてあるなと思えたのがおもしろかったのです。

偉人画報 三峯徹 (ヤングキングコミックス) - 稀見理都, 金平守人
偉人画報 三峯徹 (ヤングキングコミックス) - 稀見理都, 金平守人





追記あり
posted by すけきょう sukekyo at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月06日

日陰に迷う なまえれんらく ワニマガジン社 成年コミック

成年コミックです。
書影みるととても買いやすそうなものですが成年コミックです。

だから成年になったら買いましょうね。

unnamed.png追記あり
posted by すけきょう sukekyo at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月02日

運命 松田光市 青林工藝舎

運命 [ 松田光市 ] - 楽天ブックス
運命 [ 松田光市 ] - 楽天ブックス

青林工藝舎系には悪夢系というのがあると思われる。ルーツというわけではないだろうが、マンガ史においての金字塔であるつげ義春氏の「ネジ式」にいまだ強くある影響。そこより派生して数々の名作が発表される。とりわけ青林工藝舎はジャンルとして1ラインを用意して安定供給している。

本作はオビのケラリーノ・サンドロヴィッチ氏の「悪夢の連打に酔え!」って惹句がすばらしく端的に内容を表しておられる。

悪夢のような内容でありながら「酔う」。これが大きい。

おれは解像度の低い悪夢と思った。目が覚めたらあらゆるものがおぼろげでそれをたぐろうとすればするほどそれが不確かなものになっていく感覚。そこにあった夢が浜辺で砂で作られた像のようにあちこちボロボロと急激に崩れ落ちる。
ダビングを重ねたビデオテープの再生をみているかのような。
しこたま酔っ払った日の飲み会での出来事を思い返すような。

いまこうやって本作の表紙をみてもうすらぼんやりとした内容の断片しか思い出せない。

本書を開いて最初の「バイオレンス町内会」を読んでみる。

40代からの町内会「青年部」の地区対抗野球大会に、20代の本当の青年をチームに参加させた。すると他チームからやっかまれてついには場外乱闘がはじまる。そして唐揚げ屋の打ち上げで「青年」を労ったが、そこで別客の男女が口論からの殴り合いをはじめてさきほどの醜い乱闘騒ぎを思い返して「青年」はろくに食べずに帰ってしまう。だから、残った唐揚げを持っていけと押し付けられてゴミ袋に大量の唐揚げを入れられ引きずりながら帰る。道すがらさきほどのカップルが公園の鳥に唐揚げを撒き散らして共食いさせているところを発見。翌日の新聞一面に「鳥、多めに死ぬ」と載ってエンド。

どうだろう?なんとも捉えずらい話じゃないだろうか?

他作品も、泊まり込みで就活にきたけどうまくいかないので風俗で遊んだり、教育実習生としてボロボロの自転車で必死こいて学校に行こうとしたらペダルが壊れてすっ転んでしまったり、うなぎを神とする宗教施設に自分のアパートから水道を盗まれて40万円請求されたり。

捉えずらいが悪夢で、それがまた夢特有のリアルな、それでいてわけのわからない法やルールに引っ張られている。
実際、本作品は現実との乖離が「弱い」。ぶっとんだ展開やマジかって残虐描写がない。パチンコに勝てないから腹いせに息子を焼き殺す蛭子能収さんくらいのぶっ飛び方がない(その息子の名前が実子と同じってのがまた)。
そこがなんとも悪夢「らしい」。夢ってどんな突拍子もないことも辻褄が合ってる。でも、逆に辻褄を合わせるための現実に即した展開をすることもままある。その感じが描けてるのがすごい。
解像度が低いゆえに、度のあってないメガネですごしているような気持ち悪さがある。これがまさに「夢」としかいいようのない感触。そして「悪夢」としかいいようのない、覚えてないけど、なにか「嫌な目に遭ってた」としかない記憶だけが残る。

うわ、酔ったなあと思いつつ本編を読み終え、「自作解題」。
各話の冒頭に「実話。」「大体実話。」「結構実話。」ってあり、衝撃というか戸惑いで頭がさらにガンガンしてくる。え?どういうこと?現実は悪夢ってこと?鳥が多めに死んだの?って。チェイサーかと思ったらこれテキーラか?と。

青林工藝舎のさらなる悪夢の助長なのか、本の紙の臭いがまた一段とトリップを誘発する。この紙の臭いはなんだろう?おれの感覚だけか。それはただの言いがかりですかね。すみません。

いい意味で読んだ気がしないというと褒め言葉になるか心配なのですが、それが率直な気持ちです。あと酔います。

運命 - 松田光市
運命 - 松田光市
posted by すけきょう sukekyo at 07:21| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月28日

サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん はぐはぐ(電撃コミック)

サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん(1)【電子書籍】[ はぐはぐ ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん(1)【電子書籍】[ はぐはぐ ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん(2)【電子書籍】[ はぐはぐ ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん(2)【電子書籍】[ はぐはぐ ] - 楽天Kobo電子書籍ストア

いつの間に高速に乗っていたんだろう?そんなマンガ。

ロシアからきたサーシャちゃん。ロリ体型金髪ロング碧眼。変な日本語とロシア語を使いこなす。スポーツ万能。奔放快活。そしてエロ好き。オタク。
主人公はエロマンガ好き&エロマンガ描き。オタク。みんなにキモがられてる。でもエロ好きなサーシャには気に入られる。
そんな中1のラブコメ。

既刊4巻。1巻2巻はちょっとエロい「からかい上手」な話と読み進める。サーシャちゃんがとにかくかわいい。かわいいかわいい。すごくかわいい。かわいいかわいい。なんかいっても足りないくらいかわいい。まあ、主人公の「ししょー」も典型的なドギマギ童貞少年でかわいいね。エロマンガ読みってことを抜いたら「からかい上手」の小豆島の少年と変わらない。

ところが3巻からタガがはずれてきて(2巻にもすでに前兆はあるが)、ちょっとエロいのちょっとが抜けていくんだよね。で、ついに4巻では、、、
だから、ほのぼのちょいエロってことだったんじゃねえのか!って戸惑うのよね。さらに戸惑うのはエロ展開あとも基本線はブレないのよね。

いやまあぶっちゃけ、やるのよね。これまでもカップルで肉体関係があってつづく話は多いけどさ、ちょい攻めてるけど全年齢向けエロコメかと思ってたので完全にノーガードで攻撃をくらってフラフラになるのよね。
ええ?やったんか?(これまたぶっちゃけると成年コミックマーク的なストレート描写はない)って戸惑いつつも両者変わらなすぎることに戸惑う。

中学生でそんなことはなかったよ。でも、そんなことがあったら関係性が変わりそうなもんじゃん?西片(そんな名前じゃないが)も調子こいて似合わないイキりを見せそうじゃん?おれのオンナ扱いしそうじゃん?サーシャのほうはそういう性格と飲み込めるところはあるんだけどね。でも、わりにいつもどおりで。
「そんなもんだよ」って手練れはいいそうだけど、こちとら孫がいるのにラブコメばかり読んでる社会不適合者で社会不適応者で永世名誉童貞だからね。衝撃のままなのよ。

サーシャがこれだけ盛り盛りの全部載せでドンブリから溢れているのは、逆に功を奏しているんだよなあとも。
これがもっと高木さんみたいだともっとモヤってたなあと。リアルでもアレだけど嘘過ぎてもアレか、

今後どうなるんだろう?ししょーくらいドキドキはしてます。

【追記】
その後、作者が成年コミック得意な方だということを知りましたし、サーシャちゃんを、町野変丸氏でいうところのゆみこちゃんくらい、よく使い倒していたことを知りました。さもあらん。
でも、負け惜しみじゃないけど、知らなくてよかったわ。だって、インパクトがあったから。

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サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん(3) (電撃コミックスEX) - はぐはぐ
サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん(3) (電撃コミックスEX) - はぐはぐ
サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん(4) (電撃コミックスEX) - はぐはぐ
サーシャちゃんとクラスメイトオタクくん(4) (電撃コミックスEX) - はぐはぐ

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2024年07月27日

さっちゃんとふくちゃんの5円玉 ドブリン 青林工藝舎

さっちゃんとふくちゃんの5円玉 [ ドブリン ] - 楽天ブックス
さっちゃんとふくちゃんの5円玉 [ ドブリン ] - 楽天ブックス

深夜の馬鹿力のベストバイのコーナーで取り上げられており、興味を持ったので購入。伊集院氏が青林工藝舎?ってのが決め手かしら。
伊集院氏、サブカルとすごく相性がいいけど、そこにどっぷりではないって距離感がいつも感じられるので取り上げたのが珍しいなと。
って、こっちがすげえくわしいひと的なマウントをとってるように思われますが、そんなことはないのです。アックスとか久しく買ってないし、そのラインの新人もわからないし。
と、そういう経緯で本作を手に取ったのです。

小学生くらいの淡い思い出を描いた短編10本。

勝川克志氏やスージー甘金氏のようなイラストレイテッドな絵でノスタルジーBUTビターな「岡崎に捧ぐ」みたいなかんじなのね、ふむふむと読み進めていくと表題作「さっちゃんとふくちゃんの5円玉」からムムム?と。

伊集院氏もこの話をクローズアップしたから、詳細を取り上げます。

新聞のちらしをさっちゃんとふくちゃんで眺めてます。ピザのチラシをみては「なに食べたい?」って。マンションのチラシをみては間取りをみてどこに誰が住んでって。チラシの裏が白紙なら落書きをする。だけど、消しゴムもない家なのでまちがって描いたらツバで消して汚くする。
買い物帰りのおばあちゃんが帰ってくる。5円玉を落としたのを教えると「それあげるから駄菓子屋でなにか買ってらっしゃい」っていうので喜んで出かける。おわかりのとおり5円玉で買うことができるものはないのですごすごと帰る(おれが小学生の頃は個包装のパインアメは1個5円ではあった)。
おばあちゃんは5円でなにも買えないことは知らないので「なに買ってきたの?」なんてニコニコとたずねる。「もったいないからなにも買わなかったよ」と。おばあちゃんは「そうかい」とニコリ。さっちゃんは5円玉にノリを塗って乾かしてはそっとめくり透明な5円玉を量産する遊びに夢中になります。おばあちゃんにこれでお金持ちになったからマンションにさっちゃんとふくちゃんとおばあちゃんで住めるよ!とたくさん作った透明な5円玉を見せます。すると、おばあちゃんは「ふくちゃんって誰?」と。
んー、イマジナリーフレンド的な存在としてふくちゃんがいたんだね。

こういう、なんともいえない話がきてから本領発揮ですね。マンガの場面により画風を変えたり、サッと描いたように見せかけ、その実ていねいにマンガ世界を描いております。
貧乏な少年少女が主人公で時代もそれなりに幅がありようですが、それぞれ別に楽しく生きてるぜ!って前向きさと同時にペッタリと貼り付いているリアルな手触りの貧乏とのコントラストがなんともいえない味わいを醸し出してます。
唯一無二。

「まちこ」老いて独り暮らししている母を訪ねて、粉を2ついれた贅沢なポタージュを飲むシーンにとくにリアルと愛と貧乏を感じた。
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さっちゃんとふくちゃんの5円玉 - ドブリン, 内田春菊, 杉作J太郎
さっちゃんとふくちゃんの5円玉 - ドブリン, 内田春菊, 杉作J太郎
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2024年07月18日

LV1魔王とワンルーム勇者 toufu (芳文社コミックス FUZコミックス)

Lv1魔王とワンルーム勇者 1 (芳文社コミックス FUZコミックス) [ toufu ] - 楽天ブックス
Lv1魔王とワンルーム勇者 1 (芳文社コミックス FUZコミックス) [ toufu ] - 楽天ブックス

[新品]◆特典あり◆Lv1魔王とワンルーム勇者 (1-11巻 最新刊)[描き下ろしアクリルキーホルダー付き] 全巻セット - 漫画全巻ドットコム 楽天市場店
[新品]◆特典あり◆Lv1魔王とワンルーム勇者 (1-11巻 最新刊)[描き下ろしアクリルキーホルダー付き] 全巻セット - 漫画全巻ドットコム 楽天市場店

最近はアニメをみるマンなのでアニメをみる。わりにたくさんみてると思う。
アニメをみて気にいったら原作にあたる。アニメの多くはマンガを原作にしてる。そのうえでアニメ化するということは、理論上は人気がありおもしろさがありアニメ化するクオリティが担保されているということになる。
なのでアニメでおもしろい場合、原作は安心して読むことができる。
本作もこのパターンを踏襲しているもので、ずっと楽しかった。
先日最終11巻が発売されて終了した。アニメの方は2023年放映されていたので1年経っての終了。

勇者一行が魔王を倒して10年。7回の生を生きる魔王が復活する。ただし、レベル1のちびっことして。
すぐさま勇者に会いに行ったら、10年の間にいろいろあって勇者はワンルームで飲んだくれて腐っていた。
ほっとけない魔王は勇者とワンルームに暮らすことになったのでしたと。1巻1話でタイトルは回収されています。

勇者との最後の戦いのときは3つ目で蛾の羽がはえたオス状態だったけど、お子さま体型でセーラー服を着ていて、買い物に行くなどのときはそのままの服のまま下乳+へそ丸出しで女子高生体型に変身もできる。

「…お前ってさ、男…なんだよね?」
「…そんなこと どっちでもよいではないか?」
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こういう名シーンを挟みつつ、勇者の魔王のラブコメ風味でワンルームと、勇者のかつての仲間や、魔王軍の四天王的なのくわえつつ展開するってテンプレートになってるのかと思いきや、残り半分はほとんどワンルームにいないってことになっている。ありていにバトルマンガになっていく。
それはアニメ放映分からより苛烈にはなっていくね。
そいでそのまま必要な過程を踏襲し、すなわち王道展開で大団円を迎える。最近流行りに思える、エピローグたっぷり型でいい余韻。

本作の最大の特徴は絵だ。
スクリーントーンが最小限で、あらゆるものをペンでガシガシと書き込むタイプで、一見、ざらっとしてみえるが、精緻。とくにバトルシーンにはすごく描き込んでいる。どのシーンも一定のトーンで描き込んでるタイプとはちがい強弱濃淡がかなりはっきりしている。
たぶん、いまどきはここまでくっきりと分けて描いておられる方は少ないと思われる。画材はアナログだとは思うのだけど、そこは自信はない。
この描画は非常にアーティスティックな手法ではある。
インパクトを読者に与えたいところは特に強く与えることができる。シンプルにいえば、印象を強く与えたいときは大ゴマで描くじゃないですか?それと同じこと。絵の密度や緩急により読者の感情をコントロールする方法。最近は散漫な印象を与えるのと、PC処理で各種仕上げがスムーズになってきたので流行ってないすね。
このマンガのアクションは異様に記憶に残る。そいで読み返すとあのときの記憶にある苛烈なアクションとギャップがある。こんなだっけか?って。でも、読み終えたら、記憶にはその大迫力が戻ってる。
各キャラもいきいきと描かれてて、それぞれ「らしい」動きとセリフ。さまざまなモンスターや細かい背景も起伏に富んでて何度読んでも飽きない。
「楽しんで」などとはとてもいえないけど、読者を楽しませようという思いに溢れていて描かれておりすみずみまで味わい尽くすことができる。
シンプルに作者の筆に乗せた熱量がダイレクトに伝わる作風なんだよ。だから、読者にもダイレクトに迫力だった記憶が残る。
昭和時代に雑誌のアオリによくあったコピー、「熱筆」ってやつだ。
読んでいるあいだは毎週毎週一日千秋の思いでジャンプの発売日を待ち望んでいた少年の気持ちになったよ。(なおアニメもその熱を魂をうまく受け継いでいたと思うぞ)
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これがマンガの持つ魔法だ。この瞬間を味わいたくて、思い出したくて、無職で金がないのにマンガに金を使うのだな。

Lv1魔王とワンルーム勇者 11巻 (FUZコミックス) - toufu
Lv1魔王とワンルーム勇者 11巻 (FUZコミックス) - toufu
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2024年06月28日

佐々田は友達 スタニング沢村 文藝春秋社

佐々田は友達 1 [ スタニング沢村 ] - 楽天ブックス
佐々田は友達 1 [ スタニング沢村 ] - 楽天ブックス
佐々田は友達 2 [ スタニング沢村 ] - 楽天ブックス
佐々田は友達 2 [ スタニング沢村 ] - 楽天ブックス

2巻のジャケットが素敵だったので、こりゃあ読みたいな。試し読みしておもしろそうだったら買おうなんて、ebookjapanをみると、試し読みできないんだよね?およよ。じゃあ、Kindleでって調べたら1巻をすでに持っているのです。なんだそりゃ?(買った覚えがなかった)
まあ、助かったなと1巻を読んだら衝撃的におもしろかったのですぐに2巻も買って読んでさらに衝撃的なおもしろさだったのその勢いでこの文章を書いている次第でござい。

高2の佐々田は物静かで地味で、どちらかというと陰キャグループにいれられる女子だけど、そこの面々と話が通じるほどのオタクでもない。はぐれ狼ポジ。学校があまり好きではないが、不登校になるほどの強い意志は持ってない。
だから帰り道が1番好き。道の木々や草花や虫やカナヘビを追いかけてます。かといって積極的な野生児やフィールドワーク大好きってほどでもない感じ。
それで今日もカナヘビを追いかけて林を抜けたら、同クラのスクールカーストトップのギャル系の高橋さんとバッタリ出会います。
次の日から高橋さんにからまれるようになります。で、以降、カースト間を超えた友情ストーリーが「はじまらない」。
そう、はじまらないんですよね。佐々田さんは1話ですでに先生に評されている。「ガード固め」で「ニコニコ流すタイプ」なんですね。
頑なにマイペースでパーソナルスペースを確保していようとするけど、先ほども書いた通りそれで波風を立てるまほどのメンタル強者ではないのですね。だから、殻にこもる。
で、名前呼びしてベタベタしてくる陽キャの代表である高橋さんに、笑いながらも「名前呼びするな」「あと距離が近い」とおずおずながらもいってのけるのですね。

ここらへんの感じがとってもいいなあと。最近好きなキーワードであるところの「雑魚」いなあと。
本作には「友達」ってタイトルがついているわりに、メイン登場人物の高橋と佐々田の接点が極小なことなんですよね。こんな接点のないの珍しいと思いつつもリアルだ。結局「人種」のちがう同士の異種交友は無理が出てくるんですよ。
高橋は根っからのパリピでひとがたくさんいるほど、みんなが騒いでるほどアガるし、全員がそれを望んでいると思っている。だから、コミュ症気味な佐々田を良かれと自分の仲間とのオケパに誘うわけです。だけど、佐々田はいろいろ考えた末(特に着ていく服)に「寝逃げ」するのですね。ひたすら横になって連絡をシカトする。
そして仲がさめて、そのまま夏休みで、まったくお互いを思い出さないまま、過ぎていくのです。
そのまま夏休みに突入で2ヶ月互いに連絡なし。ここがすごい。2巻の白眉。

学校だけの付き合い、同じクラスの間だけのつきあいってたくさんある。1回だけ休みに集まったけどそれっきりとか。
高橋も佐々田も詳しくは語られることのない他キャラも、それぞれまったくちがう夏を過ごしているんだよね。干渉し合わない。つるまない。つるむのはつるむ用の友達がいる。また高橋は短期間に何人もつきあったり別れたりしてる。まったく佐々田の関係のないところで。これがまた画期的だよなあ。

と、こんなに人種がちがうのに、クラスが一緒なばかりにひょんなことで関係が生まれる。
これが学校のいいところおもしろいところだなと。たまたま同じ年に生まれてたまたま近くに住んでいただけのひとを同じところに集めて何年もいっしょにおく。
その化学変化ってすごいよな。そりゃ「学校なんてクソだ」ってのから「学校サイコー」ってのから無数のその間って面々がそれぞれが感じているグラデーションがある。それをしてカーストといってるけど、底辺が上の方を取って代わろうとは思わないわけですよね。威張ってるのはいやだけど。
現実だと当たり前。だけどそれをあらためて考えさせるマンガなのです。マンガの青春群像劇だと集まったり、なんかの偶然で会ったりつながったりするじゃん。でも、学校でカーストがちがうひとは現実だとまず思考や行動範囲がまったくちがうからがっつりからむことがない。

そこいらをそれはそれは丁寧に描いているんですよね。しかも、平等に描いている。誰の夏休みもそれぞれに平等に尊い。上下はない。

高橋にしても佐々田にしても、主人公らしからぬ、読者からの共感を拒絶する苦味のあるキャラなのがまたいい。それぞれいいところもあるけど、上記のオケパぶっちみたいな読者がひくような、理解が難しいような言動をお互いにするんだよね。
高橋はどうしようもなく純度の高い陽キャでパリピ脳だし、佐々田はどうしてもコミュ症だし難儀なところがある。おれはどっちにも「わかるわー」ってところが少ない。

そんなこんな含めてあんまりやりすぎてもダメだし、ぬるくてすぐに仲間とか絆を連呼しててもダメだし、関係性に緩急つけすぎるのもちがうしって、つまり、さじ加減がいいんだよね。それをとっ散らかったものじゃなくて「マンガ」としてきっちり成立しているのもいい。その互いの、たまに交差する青春がいいんですよね。

全描画いい。とりわけ、さりげな心象描画がとてもいい。激エモ青春!ってほどじゃない、かといってクールってほどでもない。
また夏休みのような二元中継の構成も非常に巧み。

高橋みたいのと佐々田みたいなやつの理解ができたような気がした。とくに高橋。パリピの脳内や行動理由を知った気になれた。



おもしろかったです。3巻楽しみ。
佐々田は友達 2 (文春e-book) - スタニング沢村
佐々田は友達 2 (文春e-book) - スタニング沢村
佐々田は友達 1 (文春e-book) - スタニング沢村
佐々田は友達 1 (文春e-book) - スタニング沢村
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2024年06月27日

それでも天使のままで 小骨トモ 双葉社

それでも天使のままで (アクションコミックス) [ 小骨トモ ] - 楽天ブックス
それでも天使のままで (アクションコミックス) [ 小骨トモ ] - 楽天ブックス

おもしろいけど何度も読めない本ってありますよね。本作のことです。
何度も読めないわけを書いていこうという趣向です。心に深く刺さってダメージが深いからです。しまった。すっかり書いてしまいました。

以下蛇足です。

4編収録されております。学生さんが主役の話ですね。

「リカ先輩の夢を見る」
https://x.com/Kobone_Tomo/status/1804063903879700671

映画少年が名画座で映画に感動して涙している。上映終了後にリカ先輩も涙していたのを見かける。学校に馴染めない少年。ふざけあってる同級生が幼稚に見えるが、その幼稚にバカにされてる屈辱。そしてリカ先輩に呼び止められて映画の話をしようと誘われる。先輩はバンドのボーカルが好きだから興味を持ってみたいといってたのだけど、ひとしきり映画の話をした少年は、わかってくれるひとがいたと救われた気持ちになった。次の日、少年はおすすめのDVDをもって先輩を尋ね話しかけようとしたら先輩と同じクラスの陰キャが話しかけている。先輩の話を立ち聞きしてその映画をみにいったから話をしたいと。でも、先輩はキモがる。少年は声をかけられなくなる。
後日、少年と映画をみにいく。先輩はバンドのボーカルに少年から尋ねたおすすめ映画をリプしてる。そしてあくびを噛み殺しながら意識高い映画をみてる。
少年はブチギレてリカ先輩を断罪する。
「お前なんかに僕”ら”の気持ちはわかるもんか」
「お前”ら”なんかに…! 映画を観る資格はない」
(”ら”の””はおれがつけました)

そして少年は逃げ去って勝どきをあげながらも泣き崩れる。

どうよ?意識高い映画鑑賞をする眼を持ってるってことでなんとかちっぽけなプライドを支えていた映画少年をズタズタに引き裂くマンガは?
”ら”のつけるところのすごさよ。いろいろな方面に溜飲を下げている。この身勝手さが思春期の厄介なところだよな。

次の作品はバンド。その次もバンドで、最後はマンガがキーになってます。

他人の心より、自分のプライドと好きになったものを通じて良くも悪くも歪み、そして多少学習する。そういう思春期に標準装備のダルさ。その「ダルい」をおさえてた蓋を開いてまざまざと思い起こさせる作品集です。
大きな石をひっくり返したらその下でうごめいている虫か、酒造りの大きな樽をかき混ぜたら醸造してるどろっとした液体の底から浮かび上がるあぶくか。

共通点として体液大サービス描写ですね。人間、こころが動いているときは体液が出るし、思春期はとくに代謝がいいので期間限定増量キャンペーンで体液が出ています。涙、汗、精液、その他。
だから、すっかりキャンペーン終了して久しいおれもその体液描写にあてられてなんだかわからんが汗がだくだく出ます。デトックス効果があるのかその逆なのかはわかりませんが。うろたえる。そうだな、読むたびにうろたえてしまう。

なんつか。10代20代って毎日何本もフラグが立ったり折れたりしてるなと。このマンガのキャラもどういうルートを通ってどういう未来に向かうのか、それがグッドエンドなのかバッドエンドなのかわからないけど、フラグが立ったり折れたりしてるなあと。
「リカ先輩の夢を見る」にしても、映画少年がヲタキモいって避けられるエンドも、映画少年とリカ先輩がいろいろ妥協して(少年は性欲と色と映画ヲタと自分に洗脳させようようとして、リカ先輩はバンドのボーカルにセンスいいと思われたいための専用コンシェルジュとして)関係を続けるエンドも、さらに妥協してつきあうまでもあったりとか、いろいろあるけど結局自意識大爆発大自滅エンドを選んだわけで。
そこらも含めライフ・ゴーズ・オンだけど、その自爆で読んでるこっちも巻き添えを食らって破片が胸に刺さって痛い痛いとなるわけなのですよ。

ということで心にハンカチをご用意して読んでください。


それでも天使のままで (アクションコミックス) - 小骨 トモ
それでも天使のままで (アクションコミックス) - 小骨 トモ
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2024年06月25日

スキップとローファー 高松 美咲 (講談社)

【全巻】スキップとローファー 1-10巻セット (アフタヌーンKC) [ 高松 美咲 ] - 楽天ブックス
【全巻】スキップとローファー 1-10巻セット (アフタヌーンKC) [ 高松 美咲 ] - 楽天ブックス

スキップとローファーは天才バカボンです。
さしあたりこの画像を見ていただきましょう。アニメ天才バカボンのOPですね。初代です。元祖でも平成でもレレレでも深夜でもありません。
有名な歌です。適当に検索すると聞くことができるでしょう。

西から登ったおひさまが東に沈む〜ではじまります。(手頃な動画があったんですがサイバー攻撃を受けてダウンしてます)

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西から登ったおひさまが東に沈む〜のところのバカボン
柳の下に猫がいるだからネコヤナギ〜のところのパパ

つまりなにがいいたいのかというと、スキップとローファーの登場人物はバカボンやパパのように掘り下げられてこういう足場の不安定なところで毎日がんばって立っているなあということがいいたいわけです。
本作の登場人物はえげつないまで人物像を掘り下げられてます。最新10巻では元生徒会長がザクザク掘られております。しかも「マジだる…」って感じで。
個人的に1番きつい「掘られ」だなと思いました。痛い痛い。彼が感情的になるシーンはとても痛かった。似たようなことした封印されし記憶の扉がゴゴゴと開きかけます。
この解決法で、彼がすごいやつだなとも思いました。

スクールライフコメディと帯には書いてあるけど、読後、自分も掘られたような気持ちになるんですよね。不完全燃焼のスクールライフを送ったひとには堪えます。そもそも完全燃焼悔いのないスクールライフを過ごしたって思ってるひとは大いなる勘違いか忘れているだけだと思われます。あの時期に「黒」を体験してない人間はいない。

と。性善説で、どのキャラも作者に愛情たっぷり注ぎ込まれた「いいひと」のように描かれつつも、同時にオノレの汚さと雑魚っぷりに頭から黒い臭い煙が出てオーバーヒートで立ちすくんでおります。自分を燃してる火葬場の煙を見ているような。それでも人生は続いていくのだなと。そしてじわじわと一歩踏み出すしかないと。そう思っていられるのは、もはや高校生に共感性羞恥心を持たない程度には、すれた人間になれたからでしょうか。おれにもスキップとローファーのキャラみたいに作者から暖かく守ってくれてる存在があったと思います。ま、親とか。

そしてここから本編とは関係のない与太話ゾーンに突入ですよ。

今年のマンガにおけるキーワードは「雑魚」だと思っている。取るに足らないキャラを取るに足らなく描く。
それは若すぎて足らなすぎるキャラを描くための定石ではあるんだけど、その描き方に新風が巻き起こっているような気がする。
そして、たぶん、その流れの最初の一滴になっているものに本作もあると思う。
本作の登場人物は遠慮なしに裸にされる。無防備な弱い自分を思い知らされるエピソードが満載。しかも、かなり「平等」に裸にされる。成年コミックやエロゲーでたとえたいところだがここではさておきましょう。
そこを作者EYEで優しく見守っている図式。これに救われているし、それが作品全体を世知辛いが優しい世界ってトーンにしているんだなと。

雑魚は世界を救ったりはしないけど、多少の安心はもたらしてくれそうだね。

スキップとローファー(10) (アフタヌーンコミックス) - 高松美咲
スキップとローファー(10) (アフタヌーンコミックス) - 高松美咲
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2024年06月11日

室外機室 ちょめ短編集 ちょめ(アクションコミックス)

室外機室 ちょめ短編集 [ ちょめ ] - 楽天ブックス
室外機室 ちょめ短編集 [ ちょめ ] - 楽天ブックス

4篇収録の短編集。

個人出版として描いたもので、それぞれ単独の作品として発表されたもので統一性はないと思われるんですが、共通点というか作風が見いだせることができます。かつ、完成度が高いです。

1冊の本としての体裁を「序」と「〆」という描き下ろし作品で出だしと終わりを飾っている。目次や表紙や口絵もなくいきなり「序」がはじまる。
新幹線の帰路だろうか。突如なんでもないところで停止する。主人公がなにげなくスマホをみるとWi-Fiが通っている。「しつがいきしつ」。ふと車窓からエアコンの室外機がフジツボのようにくっついている雑居ビルがみえる。
好奇心からネットワークをつなげてみる。
そうすると「目次」が現れる。
1番下の「継ぎ穂」をクリックする。すると次ページから「継ぎ穂」が現れる。

継ぎ穂 / 継ぎ穂 - ちょめ | webアクション https://comic-action.com/episode/2550689798575876059

いつまでも残っているのかわからないが、リンク先を参照していただければすっかり読むことができるので、本作はネタバラシとか関係なく全部語ろう。

同人誌即売会。「接ぎ穂」という同人誌を発見。なにげなく買う。とてもおもしろいファンタジーマンガだった。ところが奥付がない。おもしろいのに情報がないから「いろいろわからなくて残念だった」とSNSに画像とあげる。ところが、次に見返したら、SNSの発言が削除されている。「あれ?」と思うと本はある。やっぱりおもしろい古き良きミステリーオマージュ。「あれ?」そんな話だったっけか?また読む。いやーおもしろいSFだなあ。と、読むたびにコレジャナイと思う。共通しているのは「おもしろいものを読んだ」という感想。なんとか内容を残そうとノートに書き留めているうちに、「これはこうしたほうがいいのではないか?」と着想が次から次へと湧き上がり、ノートに書き留めていき、ついには「継ぎ穂」という同人誌を作り上げて売る。

つづく、「21gの冒険」「混信」「地下図書館探検譚」。この4作(「序」「〆」も)に共通すること。

帯にあるように日常から不思議が入り込んでいくファンタジー短編になっている。
いわゆるSF(すこし・ふしぎ)ですね。それから終了したあとにSHになります。すこし・へんか。
物語の主人公は日常からするりと非日常へと入り込み、また「戻る」。でも、以前とはちがう、「変わる」がある。

そして、その「変わる」には人間が介在していないという特徴もある。人間っていうとちがうか、人の作りたもうたモノやコト。
「継ぎ穂」での同人誌のように、モノやコトが「ふしぎ」へといざなう。
そして基本は主人公のモノローグ以外のセリフがない。
最後のジブリアニメのような、タイトルにもある探検マンガの「地下図書館探検譚」にしてもたくさんの登場キャラが出てくるが、主人公はほとんど会話をしてないんだよね。
ひとりで「不思議」に迷い込んで抜け出して「変化」するという、不思議な成長物語4編なのです。
変わるための勇気を出す。もうちょっと具体的にすると、コミュニケートするために一歩踏み出す作品。「継ぎ穂」の主人公が同人誌にインスパイヤされてなにかを発信したくなるって感じの。作品ごとになにかはちがうけど変わる物語。

そういう希望に満ちた読後感を持てるいい作品集ですね。

室外機室 ちょめ短編集 (アクションコミックス) - ちょめ
室外機室 ちょめ短編集 (アクションコミックス) - ちょめ
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2024年06月06日

ふつうの軽音部 - クワハリ/出内テツオ | 少年ジャンプ+

[新品]ふつうの軽音部 (1-2巻 最新刊) 全巻セット - 漫画全巻ドットコム 楽天市場店
[新品]ふつうの軽音部 (1-2巻 最新刊) 全巻セット - 漫画全巻ドットコム 楽天市場店

[第1話〜第4話]ふつうの軽音部 - クワハリ/出内テツオ | 少年ジャンプ+ https://shonenjumpplus.com/episode/16457717013869519536

ジャンププラスで連載している軽音マンガです。最新2巻が出ました。そこまで様子を見ようと思いました。でも、2巻まで読んで好きだったので取り上げることにしました。

ぼっちや、けいおん!とちがって男がいます。部員が1年だけで45人いる。それがふつうなのかはおれにはよくわかりません。名門校の吹奏楽部みたいですね。そんな軽音部の話です。

流れとして、概要を紹介して、ちょっと腐してから、あとで持ち上げる構成にします。Aメロマイナーで、Bメロでドラムレスになって、サビで熱くなるタイプの楽曲風ですかね。

大阪が舞台。以降も実在のモノやバンドや楽曲が多数出てくる。主人公が90年代の日本のロックが好きなのでそこらへんからの選曲が多いです。ちゃんとJASRACにお金を取られる感じで歌ってます。主人公、高1の「はとっち」は「陰の者」を自称するスクールカースト下位。ただふつうだから特段いじめられたりとかではなく、高校に入ってそうそう軽音部以外の友達もできるし、部内でもいじめられたりとくに浮いたり、逆にチヤホヤされることもないポジにいます。
バンドをやったり大人数の部活マンガだけあって人間関係、とくに男女間でドタバタが渦巻くナンパでパリピな軽音部もはとっちは陰の者だから浮いた話とはあまり関係がないのです(2巻現在)。

1巻では完成したバンドがそのドタバタに巻き込まれ空中分解。
2巻は新たなバンドを作ろうと日夜奮闘しつつも集まったメンバー+助っ人の初ライブが散々なデキだから、夏休みは弾き語り修行としてメンバーに内緒で弾き語り修行をして、休み明けまた人間関係で波乱が起こります。

最大にふつうなこととして登場人物が雑魚ばかりです。これこそふつう。とくに男は普通以下の雑魚が目立ちます。女に色目をつかってフラれるとケツまくって逃げるような雑魚。女は女でまあ似たようなもんです。
でも高校生だし。ティーンエイジだし。そりゃあそうだよな。
ここらへんアカラサマに雑魚なのに感激していた1巻でしたし、2巻以降もこの雑魚感がつづくのか心配だったのですが、杞憂でした。登場人物全員雑魚いままです。

そこがいいんだ!
今年のマンガのキーワードは「雑魚」だなと思っています。雑魚なキャラクターが雑魚なりに右往左往しているなか着々と育っていく。

本作の場合、それこそがロックの衝動となるわけです。片岡義男さんが「ロックンロールは、僕はNO!と叫ぶこと」なんておっしゃってますが、それなんですよ。

ふつうの軽音部 - ジャンプルーキー! https://rookie.shonenjump.com/series/pGBIkZlifOI

本作は原作者のクワハリ氏がジャンプルーキー!という新人の登竜門的なところで描いていたマンガをベースに出内テツオ氏がリライトしております。
これがわりと忠実なリライトであり、原本における、「ロックの衝動」がちょっと「ロックの衝動」のままなんですよね。
もうちょっと具体的なことを描くと、毎話の引きの謎、構成の妙(いい意味じゃない方面の妙)。あちこちの意図不明の謎のコマとセリフ、旧式な場面転換、単調なアングル、原本ほどじゃないけど揺らぐ作画、よくわからない設定やエピソード挿入(鷹見くんとのことを最序盤で描いた割にけっこうのちのち関係してきているじゃんとか)。なんつか「ロックの衝動」なところが随所にあります。

でも、1巻クライマックス。主人公のはとっちが誰もいない部室で弾けないギターでandymoriのeverything Is my guitarを歌うシーン。
2巻クライマックス、弾き語り修行で副部長を前にして歌うスピッツのスピカ。

心が震えるんだよ。

これだ!って。シンプルに心が震えている自分がいます。選曲がいちいちジャストなんだよ。切り取ったみたいにはとっちの心情を歌っている。そして聴きたい!はとっちの声で!熱望してる!むしろ熱望しすぎているのかもしれません!

なんとかこのロックの衝動を大きく大きく熱く熱くしてください!そしてなんとかはとっちにeverything Is my guitarやスピカや拝啓、少年よや、生活や、赤橙を歌ってるのを聴かせてほしい!
つまり、まあ、アニメ化してほしいんですかね?(問いてどうする?)

あと2巻の弾き語り修行とか、ずっとメンバー間で揉め事が起こってるわけで、これって『友情・努力・勝利』のジャンプ印ではあるんだよね。切り口こそあれだけど。

https://open.spotify.com/playlist/459e2r1Qt8JLASW8tSd02r?si=b76c1a8de46a48d0

ふつうの軽音部で歌われてる曲を並べたプレイリストです。Apple Musicにもありましたよ。
ぜひ、これを聴きながら読んでください。そしてはとっちがカバーして夢想してください。心が震えますよ。

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ふつうの軽音部 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) - クワハリ, 出内テツオ
ふつうの軽音部 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) - クワハリ, 出内テツオ
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2024年03月26日

SPY×FAMILY 13 遠藤達哉 (ジャンプコミックス)

スパイファミリー 全巻 1-13巻 最新刊 セット 遠藤 達哉 集英社 ジャンプコミックス コミック 全巻セット SPY FAMILY SPY×FAMILY スパイ ファミリー クリスマス プレゼント 贈り物 ギフト 【新品 / あす楽対応 / 送料無料 / ラッピング可】 - MCK
スパイファミリー 全巻 1-13巻 最新刊 セット 遠藤 達哉 集英社 ジャンプコミックス コミック 全巻セット SPY FAMILY SPY×FAMILY スパイ ファミリー クリスマス プレゼント 贈り物 ギフト 【新品 / あす楽対応 / 送料無料 / ラッピング可】 - MCK

13巻を読んだ。ちょっと異様なくらいおもしろかった。
なんていうかな、「覚悟を決めた」おもしろさというか。
なんの覚悟かというと、居続ける覚悟というかな。

マンガっていくつかのレベルがあると思う。「バクマン。」ってマンガでは、マンが家における成功の証として自著がアニメ化することってあった。でも、SPYxFAMILYはさらにその先にむかっているような気がする。
より売れることってのもあるけど、ワールドワイドに認知され、たとえば、作者名やキャラの名前が一発変換されたり(いま、竈門炭治郎とか竈門禰豆子って一発変換できるがアニメ4話くらいまではできなかった)、ありとあらゆるグッズ展開され、老若男女にキャラが認知され、みんなにモノマネされ、パロディのネタにされ、って「大事な共有のもの」として認知される感じ。
アーニャのモノマネをして似てるかどうかみんなわかる。この領域。

そして知名度に沿った風格が備わり、さらに一段レベルが上ったおもしろさが備わった。
過去にもいわゆる「国民的人気」って称号がついたものはそうなっていると思う。
アンチも増えると思うけど、それはもう宿命だよね。おもしろいからムカつく、人気あるからムカつくって人種はいつも一定数いるからね。

売れること知られることによって「おもしろいマンガを描かねば」って常人には想像もできないようなプレッシャーがかかるだろうし、それで押しつぶされるひともいるんだろうけど、打ち勝った場合、さらにおもしろくなる。

前置き長かったけど、最新13巻がえらくおもしろかったと。そういうことをいいたかったわけです。

夜帷の覚醒パンチの目も覚めるようなアクションからはじまり、夜帷へのご褒美シーン、ロイドのシリアスからのヨルさんオチ。
そいでアーニャとダミアンの甘いのもいれつつの、新キャラ登場からの婦人会の一件がまたいいんだ。終戦直後のピリついた感覚を描いている。これ、時代劇なんだよね。ちびまる子ちゃんやサザエさんより昔って考えるとおもしろいよな。
新キャラの老夫婦も曲者っぽいしな。緩急もテンポもバッチリだわ。

ここにきて何回目かのピークがきているような圧倒的な完成度。貫禄がぐっとついてきた感じ。
(こういうことがあるから売れているもの=悪って決めつけるのは危険だし、損なんだよね)

SPY×FAMILY 13 (ジャンプコミックスDIGITAL) - 遠藤達哉
SPY×FAMILY 13 (ジャンプコミックスDIGITAL) - 遠藤達哉
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2024年03月25日

フラッシュ・ポイント 今井新(同人誌)

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フラッシュ・ポイント|Flash Point|paperbook - arataimai - BOOTH https://booth.pm/ja/items/4984090

今井新「フラッシュ・ポイント」 https://shikaku-online.shop-pro.jp/?pid=177399076

今井新「フラッシュ・ポイント」 - タコシェオンラインショップ https://taco.shop-pro.jp/?pid=176677393

同人誌です。知ったきっかけは忘れました。おもしろいと聞いたのでよっしゃ!って勢いで。
230Pの大作です。おれも届いたあと「うわーお」って(まだ、同人誌の相場がよくわからないの)。

いろいろあって無職のイマイ君。主夫のようなことをしている。ある時、妻が仕事に行ってから、妻の妹のJKが遊びに来るようになる。JKもいろいろあって学校に行ってない。そのうち昼夜問わず遊ぶようになり、彼女が戯れに撮った動画が世界中でバズるようになる。
そして、どうなる?やるのか?と思いながら読んでいたら、急に「ここの」世界とリンクする。コレが衝撃で、以降、話がどう転ぶのかさっぱりわからなくなった。けど、その衝撃をさらに上回る衝撃展開で衝撃的に終わる衝撃マンガ。

マンガと画力は密接なつながりがある。描いた絵で描ける話が決まるといっていい。だから逆にいうと画力によって描くことができるマンガは自ずと決まっていく。
いわゆる「絵がうまい」からといってなんでも描くことができるわけではない。逆もまたしかり。たとえば、大友克洋氏は蛭子能収氏のマンガを描くことができない。逆も。そこに手塚治虫氏が混ざっても同じ。それこそ浦沢直樹氏の「PLUTO」のように「描き方」が必要か。

本作はそういった意味で彼の画でしか描くことができない内容だったとい思うし、他の誰が描いても100のインパクトは与えられないだろう。One and Onlyとはこのことだと思ったり。

そしてこれは雑誌媒体じゃ難しいよなあ。そこにあったのを一気に読むからこその衝撃のような気がするし、読み終えたあとの狐につままれたような感慨もある。不思議な読後体験ができます。
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2024年03月24日

異世界サムライ 斎藤勁吾(メディアファクトリー)

異世界サムライ 3 (MFC) [ 齋藤 勁吾 ] - 楽天ブックス
異世界サムライ 3 (MFC) [ 齋藤 勁吾 ] - 楽天ブックス
異世界転生ものもゲーが出るほどあって、あらゆるバリエーションが作られているゴールドラッシュの真っ只中で飽和通り越したと思ってるのに、その飽和の泡の中から新しい「なにか」が生まれてきているのがすごいです。

日本のサムライが異世界転生するなんてベタ中のベタかと思いつつ、まず、作画の鮮烈さに心を撃ち抜かれる。まあほれぼれと見とれるばかり画だね。1巻はほぼ画のイキオイにあっけにとられたまま読了だったな。

武士道を貫いてるという女性主人公。次にこれが効いてくる。ジャパニーズクレイジーブシドーです。武士として生きるために自ら顔に刀傷を作り、最後の稽古として父親と真剣試合をして父を殺し、関が原に死地を求めて乗り込むも、気絶してる間に合戦が終わり、辻斬りのよな真似をして腕自慢と果たし合いを100連勝し、仏門に帰依するも許しを請わず、ずっと敵を切り刻みたいと仏の前に祈るような、ハリウッドザコシショウのネタ的に誇張しすぎた武士なんですよね(あるいは戦国時代はそうだったのかもしれないが)。
そのキャラに異世界のひとびとは畏怖するのです。なぜなら、異世界はvs魔獣魔族という人類の天敵がいるのでひと同士で殺し合ってる場合じゃないのです。だから、人斬りに1mmも躊躇しない主人公はもう魔族くらい怖いのです。この設定よく考えてあるし、よく描けています。

しかし、異世界の作り込みも複雑にならなすぎるように苦心されてますが、なかなか複雑に積み上げられていきます。

余談。この作者ってことではないのだけど、異世界を描くのを好むひとはわりに「設定」を組み立てるのが好きじゃないかなあと。
もちろんこれまでの「有り物」に全乗っかりしているひとも多いし、それでおもしろいものが作ることができるなら問題はないんだけど、考えた設定を「全部描きたい」って欲は、創作、とくに異世界モノを描くひとに多いし、それを要求する読者(熱心な読者って層ね)も多いけど、危険だと思っております。

異世界のキャラも魔界のほうもいい感じです。
ジョーカーのような強さの主人公に負けてないキャラたちだし、これらの魅力はまた絵に返ってきます。
血なまぐさいがポップ。それでいて迫力も十分だし、それぞれオリジナリティがある。

最近のマンガのトレンドのテンポ(個人的にそう思ってるやつ)で速いですが、3巻でドカドカ新キャラ投入してテンポが落ちてきてるかな。それも今風ではあるけど、NOTFORMEではある。(これが前記の「危険」の要因)
個人的には新展開より新キャラ投入を慎重にしたほうがいいとは常々思ってます。おれがマンガのキャラでさえも人見知りする体質だからかもとは思いますが。

4巻ではそれらの新キャラが忘れられずにバシッとした活躍しますようにと。

異世界サムライ 3 (MFC) - 齋藤 勁吾
異世界サムライ 3 (MFC) - 齋藤 勁吾
異世界サムライ 2 (MFC) - 齋藤 勁吾
異世界サムライ 2 (MFC) - 齋藤 勁吾
異世界サムライ 1 (MFC) - 齋藤 勁吾
異世界サムライ 1 (MFC) - 齋藤 勁吾
posted by すけきょう sukekyo at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月23日

旅は愛いもの甘いもの ももしろ/三月トモコ(文藝春秋)

旅は愛いもの甘いもの 1 [ ももしろ ] - 楽天ブックス
旅は愛いもの甘いもの 1 [ ももしろ ] - 楽天ブックス

献本。
30の派遣社員。社員に二股で本命とちゃんとつきあうからって理由でフラレる。
そいで傷心旅行。そこで謎めいた年下イケメンと出会う。
旅先で出会い宿まで一緒で晩ごはんをいっしょに。そいで「時間があったら旅につきあってくれませんか」とお願いされる。男は小説家で彼女と行動をともにしたらネタになりそうだからってことで。

と、こういうシステムやパターンが出来上がってるのに、そのレールにあまり乗らねえなってのが1点。
やろうと思えば毎話読み切りのスタイルであちこちいって名所名物押さえて彼氏とキャッキャウフフかドキドキ要素入れて1パッケージにすることは可能だよね。
本作ではシステムになかなか入らずにそれぞれの事情や日常を取り入れつつ1巻では結局旅行は2箇所。
きちんとロケハンつけて背景もしっかり描写してるけど、それ以上に各キャラの身辺もえらいしっかり描写している。
そのほうがリアルだけどね。毎週週末にどこか旅行に行くのは大変だよな。

もう1点は主人公をふった二股男。彼の回想とか出演シーンが多い。これがまた合法クズというかひどいやつだけど断罪するほどじゃないギリをついてる絶妙ないやなやつ。後半はちゃんと嫌なやつになり逆に惜しいと思ったくらい。いやなやつだけど法的にはもちろんだしモラルや一般常識からも大きくは逸脱していない。でもいやなやつ。
彼を回想も今もしっかりと描写している。なんとなればそいつの今カノも描写している。そんな絡める理由があるのか?と。
タイトルの通りラブストーリーにかかっているからなんでしょうかね。それとも他書出して恐縮ですが「凪のお暇」みたいな感じにするのかしら?

作画の方のあとがきに出不精とあったけどそれっていいのかな?ともちょっと思いましたけど、孤独のグルメの谷口ジロー氏もモデルになった店には行ってないそうなんで問題はないのか。



旅は愛いもの甘いもの 1 (Seasons) - ももしろ, 三月トモコ
旅は愛いもの甘いもの 1 (Seasons) - ももしろ, 三月トモコ
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2024年03月22日

黒ギャルさんが来る! いつむ(ドラゴンコミックエイジ)


既巻4巻。
落ち込んでいるサラリーマン。黒ギャルが話しかける。落ち込んでるの?おっぱいさわってみる?ってオープニング。
その手の密着ギャグとか、エロハプニングありの、正当なギャルエロコメな感じだなと思ったら、巻がすすむにつれて普通にラブ要素が強くなっていくのがおもしろい。ラブコメのラブが進むとエロが引っ込むのね。そういわれてみればこの現象あるよね。
1巻で満員電車で密着してしまう。胸がギューってなる。サラリーマンがドギマギする。定番ネタですよね。ところが4巻になり恋してるって黒ギャルが意識してからの満員電車シチュでは耐えられなくなりドギマギするという。

ベタでマンガらしいリアリティの薄い(すなわち、こんなやつぁいねえよ!)、ちょっと昔ながらのラブコメ体裁ではあるのだけど、最初サラリーマン男だったのに、陽キャ100%でスタイル神なのに恋に対して免疫がなくて純情な黒ギャルさんのほうに心情をフォーカスして描写していくのが不思議だなと。(それもきっちり厳格にルールは決めてない緩さがこの作品には合ってる)

黒ギャルさんはツンデレがないキャラで、ツンはもともとないんだけど、デレも長く続かないのでどうなってても素に戻るのよね。そこがおもしろい。だから、サラリーマンを好きだと自覚しても紆余曲折は多少はあったけど変わらないのよね。その描き方が興味深い。まあ、そこらも含めてわりと適当説もある。
そうなんだよね、本作はいろいろ適当なんだと思う。本来ならないはずのサラリーマンとJKの接点はなにか?っていうと、住んでるところが近いから偶然よく会うってパターンが様式美になってる。田舎でも都会でもそんなよく会わねえだろって(だから学校ってシステムが便利なんだよね)。
ただ、それもまたよしと思わせるマンガ全体から漂う「愛嬌」のようなものでたいして気にはならないんだよね。なんか安心して誰にも感情移入したり入れ込まないでみてられるなあと。
黒ギャルさんはかわいいしな。それでいいじゃないって。

でただこうなるとサラリーマンがおもしろくないんだよな、マンガのキャラとして。たいてい、高嶺の花(JKってだけで、ギャルってだけで、巨乳ってだけで、高嶺の花になるのは現実でも虚構でも決まりになってます)から惚れられるってのはそれなりに「なにか」ないとダメってなってるじゃん。虚構のほうではとくに。それこそ、幼馴染、全方位に優しい、真面目、たまに男らしくて頼れる、一生懸命、一途、などなど。ここいらでいうと、真面目キャラではあるんだけどちょっと弱いかな。
だけど、真面目であるがゆえに、ちゃんと黒ギャルとおつきあいを考えてるのがおもしろいのでそこらへん5巻ではどうなるかって。
まあ、現実だと3年経つとJKって高嶺の花要素が1個なくなるし、JK時代からつきあって卒業したら結婚ってあることだからなあ。

昨今のラブコメの流行りであるセックスしてもつづくってのじゃないほうがこのマンガには合ってるなとは思う。



posted by すけきょう sukekyo at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月21日

おしかけ!爆乳ギャルハーレム性活 ひし形とまる (同人誌)成年コミック

「オタクに優しいギャルはいない!?」ってマンガがギャルの出てくるマンガで1番健全なマンガだと思ったのでその真逆のマンガってなんだろうなあと即頭にうかんだのがこれでした。真逆なので成年コミックになるのは致し方ないことなんです。



[オタクに優しいギャルはいない のりしろちゃん魚住さかな\(ゼノンコミックス\): ポトチャリコミック] http://sukekyo.seesaa.net/article/502730460.html



追記あり
posted by すけきょう sukekyo at 19:52| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月20日

オタクに優しいギャルはいない⁉ のりしろちゃん魚住さかな(ゼノンコミックス)


タイパを考えると残り少ない人生正直になったほうがトクなのだがおれはギャルが好きだ。
エロいものもそうじゃないものもギャルものがけっこう割合を占めてきている。あんまり意図して読んでいたわけではないが結果そうなった。成年コミックなものはとくに偶然だが振り返ってみるとお気に入りはギャルモノが多い。

それはともかく,本作。
学校のミスコンテストに1位2位で選ばれるような美少女コンビ(ギャルものはコンビが多いね)がひょんなことからオタクに懐いてくるって夢マンガ。
BUT非常に健全。鬼健全。
でも、キャラ立てがうまいし、話が盤石で悪く言えばベタまであるけど構成がうまくてスキがなく、ベリーベリーピースフル。
なので飽きずにずっとみてられるのよね。

6巻は黒ギャルのほうとケーキ屋でバイト(白ギャルは接客無理だから)。クリスマスにオタクがギャル2人にプレゼントを買うために奮闘するという流れ。
ギャルマンガの鉄の掟で(あんまり例外はない)、カッコはエロ派手でサバサバ性格だけど実は恋愛耐性なくて純情でチョロい。
それは本作も踏襲。純情度はふたりともかなり高い。
エロでも全年齢でも胸元を見せたりパンツはざらにあるけど、本作はない。いっしょにお泊りしたり海やら祭りやら学園祭やら、行事行事でイチャコラしてるけどスーパー健全。

それでいて「おもしろさ」が保たれているのがすごくおもしろいんだよね。メイン3人も他キャラも丁寧に描いてるし、いい絡み具合で味が出ている。

主人公キャラもオタクで頭も良くないしスポーツもデキないしイケメンでもない。だけどこういうときは誰にでも優しいとかここぞってときに男気を見せるって定番のやつ。
ちょっと変わってるのは、ポケモンを元にしたようなモノのオタクで、白ギャルも隠れオタクで、そこが縁でつながっていくところかな。うまく話にからんできいきます。とくに学校外で徐々に接触が増えていく段階がうまい。しかも上げ止まりせずに6巻でもまだ展開している。

これ現実とちがうのは、ギャルでかわいかったらなにがどうあろうとつきまとうヤンキー男キャラが出ることだよな。本作はそこいらはさすがにご都合なところもあるけど、一応対策や事情もあってそこいらもちゃんと練っているよなあと感心。
ギャル=男女問わず人気者だけどオタクとうまくいい感じでいい夢を見ていられる。

つまりは丁寧なんだよなあ。原作が別にあるのももちろんだけど、作画も非常に丁寧で愛がある。





posted by すけきょう sukekyo at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする