2018年03月14日

イジらないで、長瀞さん(1) ナナシ(講談社 講談社コミックス)


喉が渇くマンガだわあ。
高校2年美術部のヘタレオタク。ある日、描いていたマンガを1年のヤンキー系女子にみられる。そしてからかわれる。泣いてしまう。それからずっとつきまとわれる。その子が長瀞さん。「ながとろ」さん。一発変換で出るのね。

オビにある「Sデレ」ってのはちがうよな。それなら「からかい上手の高木さん」のほうがよほどSデレだわな。長瀞さんはわかりやすくデレだし、Sな攻撃は自爆しがち。読者はよくわかるしコミックスを読んでる読者は物語終了後の長瀞さんを描き下ろしでみてとることができるので余計にそうだと思うけど、彼女はもう命がけで先輩をからかうというアプローチしては失敗してるのでつまりそれはほぼ求愛行動なのですよね。
この2人のキャラ造形がすごい。そしてその攻防に喉が渇く。攻防というか、おもに長瀞さん内の葛藤という名のひとりの攻防か。これがジャンプ系ラブコメとちがって心理描写を全部モノローグで説明しないところがいいんだな。先輩は基本ヘタレ受け身だから。

先輩くんが少年誌エロコメを読んでるのをみつける。まちがえて巨乳をムニュッとさわるシーンを取り上げて長瀞さん「こういうのしたいんでしょ」って、小さい胸をちらっとみせる。先輩が赤くなりながら本を取り返そうともみ合いになって転ぶ。起き上がったら長瀞さんは先輩の股間をギュッと握ってるという。その次の瞬間の展開や長瀞さんの顔が絶品。

1巻で1番喉が渇いたのは「先輩、泡、残ってますよー」だよなあ。異論はないでしょ。新しいしエロい。あれまた本当にドキドキするよ。やってもらったことある。

両方のキャラ造形やシチュエーションなど、非常にエクストリームな設定になっているので、バランスをとるのに大変だとは思いますが、この「業」を抱えたままいい感じで続いてほしいなと思いますです。


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2018年03月13日

働かないふたり 13 吉田 覚(新潮社 BUNCH COMICS)


まさか1巻を読んでいるときにはこんな素敵なところに連れて行ってもらえるとは夢にも思わなかったよ。
かつて週刊少年サンデーで「ダメおやじ」というマンガがあった。「BARレモンハート」や「減点パパ」の古谷三敏氏のデビュー作で出世作。
ダメなおやじが家族や会社上司にいびられて半殺しになるギャグマンガ。それがあるとき大会社社長の娘だか社長だかを助けたことで人生が一変する。そしてほのぼのマンガにスイッチするんだよな。
つまりそういう感じ。最初からそういう要素はあったけど、近作はもう完全に「いい話」と「ギャグ」の割合が逆転している。

いちおうはニート兄妹のほがらかニートギャグマンガ。
ギャグがかなり奥に引っ込み、増え続ける各キャラで「いい話」がつづくんだよね。
母親の友達の母の息子をさそってインドへ旅行に行く兄のエピソード。あ、その前の秘密基地つくる話からしてそうだな。
新登場でいきなりいい話になってるユキちゃんの母エピソード。

そして戸川さんの一大決心が今回大きいね。
ニート家のお父さんの部下のOLさん。趣味で創作している。あるときニート兄がそこそこやるってきいたのでいっしょに同人を出さないかと持ちかける。兄は気軽に受けてマンガを提供する。それが珠玉すぎて自分の作品がまだまだという事実を突きつけられ落ち込む。それが前巻までで、今回、会社を辞めてその道を目指すことに決めるんですよ。その話がすばらしい。話もそうだけど、いつもクールで感情を殺して戸川さん、そのタガがはずれる瞬間。その表情がすばらしい。

表情でいうと、ニート兄妹のお隣さんでずっと観察していたけどつい知り合ってお友達になった倉木さん。彼女も本当に「いい顔」になった。そしてそういうことが見て取れるのは絵が素晴らしいからにほかならないわけでな。
夜に目が覚めてまだ午前3時。窓から様子を伺うと兄妹はいつものように遊んでいる。じゃあってんで、遊びにいったら、「お風呂入らない?」とゆず湯をオススメされる。そうその日は冬至だった。そしてすっかり落ち着いて兄妹の家でそのまま寝てしまうという話。なにげない2pのショートコミックだけどいいんだよな。奥底からジーンとする。

クリスマスイブの過ごし方もいいね。外で焼きおにぎりと豚汁を食べるクリスマスイブ。

それでいておまけ(ポスター)がついて500円という良心的にもほどがある価格。

最高なのでゆっくりでいいから揃えてくださいよ。ガッと買って一気に読むってもんじゃないです。


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2018年03月12日

少女終末旅行 6 つくみず(新潮社 BUNCH COMICS)

少女終末旅行 6 (BUNCH COMICS)
Posted with Amakuri at 2018.3.10
つくみず
新潮社

最終巻。ゆっくりと日常は終末に飲み込まれ、旅行も終末に飲み込まれていくのね。フェイドアウトな終わり方。
いやもうこうなってしまったらこうなるしかないっては思うけど、次の瞬間次の瞬間って奇跡を待ちながらページをめくったなあ。

本を燃やし、日記を燃やし、暖をとりながら生き延びていくってシーンが圧巻でした。それこそ、文明が崩壊し、それでも生き物として生きていくという地球全体の流れをダイジェストで演じてるサマに。

読んでいるとゆっくりとココロに雪が降り積もる感じ。そして終わる。近年ない印象に残る最終巻ではありました。いいもの読ませていただいてありがとうございます。



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2018年03月11日

こちら、あたためますか? 今井 大輔(実業之日本社リュエルコミックス)


ほぼ同時期発売の「セツナフリック」というスマホ以降のネット社会の短編オムニバスがよかったのでコレも買いました。値段が高くて版型も大きいのでやや躊躇もしました。
ローソンが舞台でのコンビニ内の人と人のふれあいを描いた短編連作集。
1話は毎日来ている疲れた顔のOLさん。気になってたバイト君がある日「今回おごりますよ」と勇気を出していってみる。OLさんはぼけーっとした顔して「はあ、どうも」といなくなる。バイト君は自己嫌悪にさいなまれる。やべえ、キモいからってもうこなくなるかなって。でも、OLさんは次の日にもきて「昨日はありがとうございました」とあいさつ。
2話はそのOLさん視点からこの物語がはじまる。OLさんはあのときどう思っていたのか?って。

こういう感じで続いていきます。毎回、店員と客でもないですが、コンビニが舞台です。交互視点ですね。

それでいてコンビニ強盗が現れたり、宇宙人や海外セレブが来店するとか、突飛な展開はないですが、市井の人々がそれぞれコンビニでひとのやさしさにふれてほっと自分を取り戻す的な。

最近、ほんとなんでも泣くんで自分が信用ならないんですけどこれも感動しますね。毎話じーんとくるし、このとき相手はこう考えていたのかってわかるのも新鮮。

ただまあ高いかな。そして最近、油断すると2ヶ月後くらいにもうキンドルで半額だったりするんだよね。そういうことやってると「安くなるかも」って紙の本に手が出なくなるし、手が出なくなって買わないまま出てることが忘れて、キンドルでやすかったことをあとで知ったりして、本格的にじゃあ買うのやーめたってなるのでおれにはすごい悪手と思うのだけどみなさんはどうでしょう? ものすげえぶっちゃけると「やれるかも委員会」。紙の本発売して、電子版発売して、すぐに半額になったり分冊売になって「なんだかなー」って。

本作は内容自体は丁寧に作られていていいものでした。


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2018年03月10日

1日外出録ハンチョウ(3) 上原 求, 新井 和也, 福本 伸行(講談社 ヤンマガKCスペシャル)

1日外出録ハンチョウ(3) (ヤンマガKCスペシャル)
Posted with Amakuri at 2018.3.6
上原 求, 新井 和也, 福本 伸行
講談社


借金の肩代わりに地下深くの炭鉱で働かされているハンチョウ。ただ、裏賭博で荒稼ぎしては地上での1日外出許可をもらう。その1日の遊びっぷりを観察するという、カイジシリーズのキャラのスピンオフ。

1巻で主なパターンが出尽くした。基本は外に出て休日に美味しいものを食べたり1日を遊ぶ。とくに1話に顕著。朝の立ち食いそば屋。これから会社に行く前にそばを流し込んでいるサラリーマンを横目にゆうゆうと酒を飲み天ぷらを食べている。そしてまわりに羨ましがられる。そういう感じで休日を楽しむ。

2巻は妙にマンネリ感があったのよね。いま読み直すとまた意見がちがうかもしれないけど、もともとのしばりが同スピンオフの「トネガワ」よりもキツイのでバリエーションのためのバリエーションのような感じになっていてそれがちょっとシラケるところがあった。

3巻はそんなことはなかったな。それぞれの話が珠玉でな。

スーパー銭湯を満喫する回からはじまり、高級料理店で鯖の塩焼きを食べ、名古屋に行き、今回の白眉である、友達の家に泊まってダラダラするという禁断の技まで使用する。

そのどれも非常によくできていた。ハンチョウ一味もエンジョイしまくり。

そしてこのチキンレースは最後どうなるんだろうと思う。

オチはわかってるよね。カイジに登場してカイジにコテンパンにやられるんだから。そうじゃなくて、休みの度に1日思いきり遊ぶ。で、だいたい1話読み切り。ネタにはアルアルかウンチクを盛り込む。非常にしばりがきついわりにもう1回同じことができない。構造は真似できるけど、たとえば、もう1回スーパー銭湯に行く場合はかなり思い切ったネタをぶっこまないといけない。
たとえば、3巻の最後は地下の炭鉱での年越しの様子だったけど、それが地上でのハンチョウ流年越しってパターンはあるかもしれない。でも、それでも苦しい気はする。

このクビの締まり方はほかのどの作品より厳しいような気がするんだよな。

あとこのスピンオフの新しいのは、ハンチョウだったりトネガワだったり、もう本編には登場しないし、脇役だったから設定もいろいろと固まってないってのがありますよね。だからいろいろな設定が「後のせ」できる。たとえばレイラを熱唱したりとか。


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2018年03月09日

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 4 武田一義, 平塚柾緒(太平洋戦争研究会)(白泉社 ヤングアニマルコミックス)

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 4 (ヤングアニマルコミックス)
Posted with Amakuri at 2018.3.6
武田一義, 平塚柾緒(太平洋戦争研究会)
白泉社

重松清氏のオビがすばらしいのよ。

『僕は、この島にいる彼らがたどる運命を知っている。なのに「奇跡」を望みながら頁をめくってしまう。それが、作品の力なのだ。』

このすばらしい紹介に負けない素晴らしさ。

ペリリュー島の日本軍は玉砕した。でも主人公らの苦難はまだつづく4巻。
そこに死がある世界。米兵だけじゃなく誰からもどこからでも死が訪れる。そこに意志強く立ち向かうわけでもなくただただ翻弄されてそこそこの「いのちたいせつに」だけで切り抜けている主人公といったおもむきで。あ、でも、今回能動的なシーンが多かったか。

しかし、ニーナとケヴィンってペリリュー島の先住民の子供らのエピソードはなんかしらんけどとりわけココロが震えた。

まだつづくみたいね。どうなるんだろう。主要キャラ(っても3人か)は生き残ってほしいとは思うんだわ。


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2018年03月08日

鬼滅の刃 10 吾峠 呼世晴(集英社ジャンプコミックス)


「ワールドトリガー」が好きなお嬢様がネットで「じゃあコレも気にいるかもよ」とオススメされたのが本作で、3巻まで買って読んでおもしろかったので残り9巻までいっきに買って、おれも追従して読んだらとまらなくて10巻はおれが買うなんてことになったのでした。

舞台は大正時代。家族を鬼に惨殺され、唯一残った妹は鬼になっていた。妹を鬼から戻すために鬼を討伐する非合法の組織に入隊する。あとは鬼一味とバトルバトルと。
んま、ポトチャリコミック名物のざっくりあらすじだとこんな感じ。

3巻までがもうセンスの塊でね。以降もすごいんだけど、絵やらネームやら構成やら全部の「若い」ところを有り余る独特のセンスで押さえつけて疾走してるのにやられてね。
ややこしいアクションなんかもわかりやすく描くという才能も配慮もあるけどそれよりも炸裂するセンスが大きい。

それは10巻のいまでも健在ではあるけど、それまでにほかの「若い」ところがどんどん成熟されてきて、何度かのターニングポイントはあるけど、8巻で現在形になって、10巻では吉原遊郭を舞台に花魁に扮してた鬼とバトってる状態です。

8巻からの基本は主人公は2人の同期と3バカ状態で活躍し、組織のトップの戦いをアシストって感じで展開してます。しばらくはこうなる気がします。って予想外に誰かが死ぬかもしれないですが、まあ、もう味方は殺せないだろうとは思うんだけどな。一気に読めば10巻まであっという間ではありますが、たとえば吉原遊郭編にしてもバトるまでのお膳立てがちょっとかったるいところがありますし、突然過去がインサートされたりそこでそのモノローグや展開はちょっと強引じゃないか?と思ったりしますが、それはONE PIECEもそうだからいいのか。

3巻まで。6巻まで、8巻までって、買われていくといいかなと思います。

そいで伊之助だよ。最高だあいつ。山でイノシシに育てられた男でイノシシの顔をいつもかぶってるけど、素顔は美少女と見紛う美少年。ただ、頭の中はゲットワイルド&タフ。8巻は最高の活躍を見せてくれたわ。彼の涙と一緒くらい泣いたわ。
彼のキャラの発想もとはなんだろうなあ。あの刀の意味もわからないし。

メンバー3人とも素でバカなのがまたいいよなあ。主人公なのにだいぶネジがはずれてるし伊之助と同じで山から降りてきた田舎者だからな。もうひとりも女と保身しか考えられないバカだし。それでいて3人とも少年漫画にふさわしい「いいやつ」なんだもんな。

ということで10巻はこれまでの集大成たるおもしろさがありましたね。前記のように3巻くらいまでのセンスですべてを押し切ろうとする感じからはだいぶ離れた、良くも悪くも「ジャンプの看板」的な作品になりかかってます。

ただまあ、ちょっとしたアラとしてなら強さのインフレ化というかバランスの調整が微妙になってきましたね。
鬼のボスがいて圧倒的に強い。その直下の子分があっさり殺されてしまうので恐怖に恐れおののいてそれで支配下においているという設定。
退治するほうはトップがその鬼の直下のボスと五分くらいの腕前。やや負けるくらい?
その差異を埋めるのがバトルマンガの主人公特有の未知のパワーを秘めているかもしれない出生の秘密って感じ。

このインフレ具合に9巻からはアマゾンレビューで「ファンタジー化」したという意見があったわ。全面的に賛成はともかく言い分はわからなくもない。そこいらに関してのちゃんとした解釈も用意しているとは思うんだけどさ。

ただ、おれは本作の「おもしろい」をバトルばかりから得てるわけじゃないしな。だから「殺したか!?」「いいやまだだ」みたいのが続くのは正直かったるい。それもう4回目くらいだし。主人公のピンチに討伐隊のトップが助けに駆けつけるパターンも続いてるしな。それが燃えるのもわかるスーパー黄金パターンってのは重々わかってるけど、作者ならそれを超えるなんか作り出せそうな気もする。11巻以降期待。伊之助は殺さんでくれ。



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2018年03月07日

弓塚いろはは手順が大事! 2 由伊 大輔(集英社 ジャンプコミックス)



結論として、おれはこのマンガが好きだということに気がついた。

才色兼備でお金持ちの子で美人で巨乳の弓塚いろはさん。彼女は完璧超人だけど、それゆえにちょっとボタンのかけちがえが起こるとパニックになってしまう。そのことを主人公が知り、陰ながらフォローしたり助け舟を出しているというラブコメ。

2巻になりお互いに距離を縮め、ラブコメっぽい展開に拍車がかかってはきている。でも、まだどこかギクシャクしてる感じ。

そのギクシャクは実際マンガ全体にいえるところもある。その話を前後編に持っていって2話にまたがっているのにその「取れ高か」と思ったり、とってつけたようにファミレスのバイト設定とかつけくわえたりとか、その手の弱点というか「あら」をみつけるのは簡単。

でもそれでも好きなんだな。

ふたりの恋をただ応援したくなる。作品もキャラも含めて不器用なところが愛しい。そういう感じ。先もずっとそればかりがつづくとどうかと思ったりもするけど現時点ではいいね。


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2018年03月06日

ひなつば 昌原 光一(リイド社)

ひなつば
Posted with Amakuri at 2018.3.1
昌原 光一
リイド社

「まげもん」「人情幕の内」の方による江戸マンガ。長編。1巻完結だけど厚いし読み応え抜群。
今回「おおっ」と思ったのは女性が主役で「かわいい」を押し出しているところかな。

江戸末期。剣術道場の先生の一人娘すずさんの話。

男勝りで剣の腕も上々でいつしか道場の外にはファンの女の子が集まっている状態。そんなとき門弟の伊庭にプロポーズされる。自分の中に「女」はないものと思っていたすずのココロに異変が起こる。

ほがらかな道場エロコメかなと思ったりして読んでました。伊庭が好きだって抱きしめてはお尻をもんでぶん殴られたりしてるし。

ところがそこは江戸マンガのベテラン、ひとすじなわではいかない。後半、夜鷹との出会い、夜鷹を襲う辻斬り、と、話が動いていくとけっこうなうねりが起こり、それに「大政奉還」というイベントまでぶっ込んでくる。そう、江戸が終わるわけです。
江戸の終わりと、女性の立場の変化、双方の変化をうまくシンクロしてくるわけです。

登場人物がみんな気持ちのいい人ばかりでなあ。それぞれの後日談、つまり、江戸が終わって、どうなったかってのも含めてとっても気持ちがいい。

とくに実在の女剣士をモデルにした琴さんがとってもいい。もはや自分の涙に信頼性はまったくないんですが、彼女のエピローグには涙が止まらないんだなあこれが。


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2018年03月05日

ハイポジ(3) きら たかし(双葉社 アクションコミックス)


46歳のおっさんが16歳の自分にタイムスリップする話。
これがいつもの「赤灯えれじい」とか「ケッチン」のノリで進行していくのに多少のかったるさを覚えてきた。
高校のときに知り合った嫁さんも若い、そしてずっと気になっていた美少女とはお近づきになる。なんか知らんけどセックスにも恵まれてる。でも、基本それら含めて「日常」ってことで前の16歳のときよりはだいぶリア充ではあるけど、それも含めて「日常」で淡々とすぎる。
タイムスリップして若くなるってかなりな非日常のマンガにおいてびっくりするくらいなつかしの昭和の日常なんだよ。
そりゃああるあるだしなつかしいけど、もうちょっとテンポアップしてもいいんじゃないかと思わなくもないけど、それをやりすぎるときらたかしのノリが損なわれるかね。
淡々とリプレイをするってパターンもありそうでないからな。それを狙ってるのかしら。

それはそれとして「(現状ではない)なにか」ほしくはある。これが書きたいことなんだといわれるとこちらはもう意見はないけど。


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2018年03月03日

スナックバス江 1 フォビドゥン澁川(集英社 ヤングジャンプコミックス)


なんとなく評判なので買ってみました。
1番読んで誤解してたのは、「バス江」って単純に「場末」とかけていたってことだね。ブラックバスのバスとかにかけたちょっと細かいのかと思ってたら。
スナック「バス江」で常連のお客さんとママのバス江さんと明美さんのかけあい漫才的な、コント的な。
これがなんとなく「読めた」感じがしたので手がでなかったんですが、ここでも誤解があって、バス江さんがババア特有ギャグでひっかきまわすって感じかと思ったらメインでまわしてるのは明美さんで、バス江さんはレッツゴー3匹だと長作氏であり、ダチョウ倶楽部であると寺門ジモン氏であり、東京03だと豊本明長氏なんですよね。
それでいてあらゆるネタをぶっこんでくる。パロディ、時事ネタ、力技、流血暴力、脱力、メタ、グロ。ああ、エロはないな。シモネタもかなり薄め。実際のスナックはシモネタばかりなのに。

16話のよびこみくんネタは思わずググったよ。

[【高音質】呼ひ゛込み君 BGM - YouTube]

思った以上に総力戦でその引き出しの多さやテクニックに圧倒される。表紙や雰囲気から想像できる予想を遥かに超えてすばらしかった。

2巻もこのクオリティでネタを繰り出してこられたならもうおれは大ファンかもしれない。


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2018年03月01日

月曜日の友達 2 阿部 共実(小学館 ビッグコミックス)



1巻はあんまりだったんだ。各所で絶賛だったり「このマンガがすごい!」ほかでも入賞(オトコ編で4位)しまくってたけど正直マジでか?と思ってたんだ。
それこそ2巻のオビにある糸井重里さんのコメントの通りなんだよ(裏のほうね)。

小学生だか中学生に大人びたセリフをしゃべられて、なんだか小癪なマンガだと思って読みはじめたのだけど、

これ。まさにこれ。ずっと阿部氏のマンガは買ってる。ノータイムで買ってるので商業出版のもの(同人があるか知らない)は全部持っているはずだけど、それらのこれまでのパターンにあてはめるなら、そういう文学少女の独白で進行する演劇をマンガ化したような感じなのかなと思ってたんだ。
それにしては異様な背景(実写取り込みの精緻なのを経由してのフリーハンド的な、かなりめんどくさいことされてる様子)の書き込みや、やたらとキラキラしてる描写がむしろ不穏ななにかを醸してて、むむむ?これはどっち(のパターン)だ? とは思っていたのよね。

それが2巻で全部吹き飛ばされた。2巻はわりに序盤からずっと涙が止まらないまま最後まで気持ちのいいところに連れて行ってもらえたわ。どっちのパターンでもなかったんだよ。それが最高だった。ココロの底から晴れやかな「おもしろいもの読んだ」というよろこびでいっぱいだ。それがなによりうれしい。

著者の最高傑作で代表作になる。この先、どんな作品を描いてもおれはこれが1位。全2冊なんだし買え&読め。

あ、あらすじいってないな。クラスのそこそこリア充の中1の主人公。物静かな同級生男子とひょんなことで夜の学校で会う。そして月曜の夜に会うことになる話。

あとごめん。ネタバラシになるかな。関係ない話になるかな。よくわからないから折りたたむ。



追記あり
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2018年02月28日

年下の先輩ちゃんには、負けたくない。 なめたけ(KADOKAWA ピクシブエッセイ)


ホームセンターを舞台としたアルバイト。JKのキャリア先輩ちゃんが、男子大学生のキャリア後輩ちゃんをからかっってるラブコメ。1ページ4コマのワイド画面プラス普通のコマ割りのハイブリッドタイプ。今となっちゃ古いかね。あ、「古見さんはコミュ症です」もそうか。

超仕事ができてなついてくる先輩ちゃんを、カワイイとは思うけど年上だし女性になれてないしで硬い感じの主人公。ちょっと初々しいや硬いを通り越して性格に難あるんじゃないか?と思ったり。いや、この不器用な女性への接し方はわかるんだ。でも、便利なのですぐに引き合いに出させていただくけど「からかい上手の高木さん」の西片くんほど可愛げがない気がするんだけどそれがいいのかなという気もする。ちょっと判断が微妙。
後輩ちゃんは好き好き光線を微妙に出しているのはカワイイんだけどね。

主人公はもうちょっとヘタレじゃないバランスにしてほしいとは思う。成長パターンにすればいいわな。後輩ちゃんは多少なれてはきているんだよな。そりゃまあいっしょに初詣いったりしてるもんな。年末年始の描き方がリアルでよかった。正月のホムセンはドヒマとか。晴れ着とか安易に着ないバイト仲間と行く初詣の感じもいいし。

まあでも税抜き1000円はなんぼなんでも高い。


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2018年02月27日

あんたさぁ、 ルネッサンス吉田(小学館 ビッグコミックススペシャル)


はじめての方です。前情報も知りません。いま、調べたら2005年デビューの方なんですね。ベテランさんです。
会社勤めの弟と、マンガ家の姉の二人暮らし。姉はココロの病で、お金をもらってセックスしたりもしてます。
タイトルは弟が姉をそう呼んでいるところからかな。つまりはそんな姉弟の距離感ってことなんだろうなあ。

本作、姉の感覚や感情に入り込ませるチカラがハンパなくてすごいわ。飲み込まれて姉に強制シンクロしていくような感じ。
姉はちょいちょいとエロいことしてますけど、「好きな人とはセックスできない」という感覚の持ち主。そのわけも生い立ちから語ってる。だから、最愛の弟とはセックスしなくていいから大好きと。そういう位置づけ。
だから、セックスのあいだはずっと「こういうこといったら怒られるかな?」「こうしたほうが怒られないだろう」という思考で動いている。これがリアルなのかどうかはわからないけど、前記のように「飲み込まれ」るのですよ。
布団から出られない、トイレから立ち上がれない、自殺しそうな気持ちを薬を飲むことで必死で抑える。この感じとか。
それを「わかる」っていうとおこがましいし単純に錯覚なんだろうけど、たしかにこう考えてそうだなあと。

読んでいて姉になっていき限りなく不安になっていく。そして頻繁に登場するボートのシーン。姉弟でボートに乗りオールを漕ぐ。ふたりで乗っていられるうちはグラグラの不安定なボートでもそれは「幸せ」ってことなんだろうなと。でも、気がつくと岸辺にどっちかが降りて泣いていたりとか。その恐怖とかな。

セックスをしながら「男が何を考えてるのかわからないからこわい」と思い続けているってシーンがとりわけこわいわ。「早く終われ」なんて思いながらみずからそういうことをしている感じが。

愛のあるセックスがしたいなと思いました(なんだよその結論)。


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2018年02月26日

マグネット島通信 1 伊藤 正臣(新潮社 BUNCH COMICS)


謎マンガ。オビに大きく謎って書いてあるし。
『新感覚! SFxアイランドストーリー』なんてあります。
そこそこ人のいる大きめの島に引っ越してきたタイ語の翻訳家。
かわいいJKのお隣さんなんかと知り合いになりほのぼの島生活と思いきや、タイトルの通り、謎の鉄片が降ってくる。小さなネジのような鉄片。
それらが同時に進行してます。
というか、謎のほうは「それがどうした」的な些細なことで、今のところは大きなところにつながっておりません。それが同じく島を舞台とした「サマータイムレンダ」や「ゴールデンゴールド」とはちがうところだね。今のところ人は死なないし。
かわいいJKの知り合いが増えていくちょっとしたハーレム的な方向にもいっているね。のんびりしたムード。
んま、激ヌルの諸星大二郎短編みたいな感じもあるな。遺跡の謎解きな要素もあるし。
次もいちおう。でも、1巻同様の進行なしだったらもういいかな。あんまりノホホンや萌え的なものを楽しむタイプのマンガじゃないような気がするんだよね。


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2018年02月25日

セツナフリック 今井大輔(秋田書店 ヤングチャンピオンコミックス)


「クロエの流儀」の方の短編集。実はまったくはじめてです。クロエの流儀もどんなマンガかしらないです。
半歩踏み込んだ未来の話。
スマホから派生した未来の世界の人間臭い話の連作短編とそれに準じた短編2本。

政府から「運」が至急される世界。たとえば電車に乗れるかどうかギリギリのタイミングのときにスマホから3ポイントを使う。そうしたら30分だけ使った分幸運になるというシステム「ラッキーポイント」

保育所が完備されてる保育マンション。シングルマザーはここに住む。1階が保育所になっていて、毎朝迎えにきてくれてゴハンを食べさせてくれ、タブレットでテレビ通話できてペットが会話アプリで相手までしてくれる「完璧な保育」

使うツールは変わっても人間のやるこということ考えることは大きく変わらないなあと。

その切り口と展開はすごく新鮮でした。

とくにあまり未来的な要素はないけども、SNSを使って結婚しているところに向かっては、スタッフみたいな顔をして祝儀を盗む男の話の、オチのみたことのない地平がよかった。「電子社会で感じる吐き気と、そこでボクが拾ったモノ」。

気に入ったので来月発売の短編集も買おうと思った。


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2018年02月24日

モブ子の恋 2 田村茜(徳間書店 ゼノンコミックス)


内気でコミュ症のモブ子さんが、同じスーパーのバイト仲間の入江くんを知り、じわじわじわじわと好きになっていく話。2巻。
初々しさでいうとむしろ「からかい上手の高木さん」よりもウイウイしてる。彼女ら18とかでひとり暮らししてるんだけどね。愛なのか恋なのかよくわからない二人ってことは、中1の高木さんらと一緒ですからね。

2巻では、はじめてのグループデートとふたりデートというかなりド級のイベントが叩き込まれるのです。キュンキュン力が半端ねえ。

しかも、ふたりデートは相互視点なんですよね。モブ子視点と、入江くん視点でデートを描いている。コレがいいんだ。ふたりの互いを思う優しさを描いている。
んま、うまくいってほしいですねと素直に思えるふたりだよなあ。しかも、うまくいってるしねえ。この育み具合がいいんだよ。きちんと不可逆で先に進んでいる。


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2018年02月23日

文具を買うなら異世界で! (海産物, 高畑 正幸(KADOKAWA 電撃コミックスNEXT)


異世界が現代日本とつながってどうたらこうたらのやつ。
文具店ってのは意表をついていたのでどんなもんかなーって。単巻だし。
大枠はいっしょだね。異世界で困ってる人が「この扉はなんだ」で文具屋につながっていて文具で悩みを解消させるってパターン。

たとえば勇者は文章を組み立てるのが下手で、冒険報告が通らないのでいつまでもレベルが上がらない。だから、文具店にいって3色ボールペンとジャポニカ学習帳の絵日記で、絵日記形式で提出することでクリアするって具合に。

これが1番普通で、意外な悩みに意外な使用法、それに使用される魅力的な実在する文具、と、話のバランスがいい。

純粋にネタが切れたのかしら。それともこれ以上やっても蛇足になるのかしら。いずれにせよ1冊でまとめたのは賢明だとは思った。

文具屋のおっぱいの大きい店員さんをはじめとして各キャラも文具の造形もたしかですしね。いい感じでした。


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2018年02月22日

保安官エヴァンスの嘘 3: ~DEAD OR LOVE~ 栗山 ミヅキ(小学館 少年サンデーコミックス)


モテたいために保安官をやってるけどモテないエヴァンスの話3巻。
今回は長編があったのが新味ではあるかな。エヴァンスの殺害計画を目論む悪党一味に本人も紛れるって話。
相方であり賞金稼ぎでお互いを悪からず思ってるけどお互いにウブなのでアプローチできずにいるヒロインも参加すると。というか、今回は全編参加していたなあ。もうくっつけよめんどくせえから。でもそれだと最終回になってしまうのか。
と、4回に渡る長編はおもしろかったけど、正直パターンは出し尽くした感はあるなあと。4巻はもっと大胆な新味がほしいかな。


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2018年02月21日

サイケまたしても 11 福地 翼(小学館 少年サンデーコミックス)


急転直下の11巻。超能力バトルマンガってことでいいよな。3つの勢力があって、主人公とひとつの勢力が休戦協定を結んでもうひとりのチームと立ち向かう超能力者を増やす能力を持った能力者を捕まえると。
んまあ、すぐにネタバレるから書いておくとそれはレッサーパンダなのよね。
そういう一発ギャグ的なとっかかりで1st2ndバトルもわりとユルいと思いきや、後半ぐぐぐと重くなる。このあたりのギャップを狙ったのかとも思うけど妙に腑に落ちない感じもあるんだよね。

ネパール編以降、芯を食ってない感じはあるけど、12巻以降は期待できるのかしら。


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