2017年11月11日

味いちもんめ 食べて・描く! 漫画家食紀行 1 倉田 よしみ(小学館 ビッグコミックス)


「味いちもんめ」も作者の倉田よしみ氏も実は初体験です。
おもに大ベテランのマンガ家に食にまつわることをインタビューしにいくというエッセイコミック。ただし、作者のかわりに「味いちもんめ」に出ているキャラがたずねるというテイになっている。
いくつか「決まり」があり、表紙に作者による今回訪れるマンガ家さんの模写、仕事机の描写、作者によるサインと略歴。食べ物について話す。とか。

このインタビューのメンバーがものすごい。敬称略で、ビッグ錠、川崎のぼる、谷口ジロー、モンキー・パンチ、うえやまとち、矢口高雄、池上遼一、ちばてつや、小山ゆう、浦沢直樹、土山しげると。思わず全員書いてしまった。こりゃあだって省略できない正真正銘のビッグネームばかりじゃない。
どれもこれも「へー」ってネタがあってなあ。前半はまだペースというかつかめてなかったようなところもありましたが、どうもそれはおれのほうで、倉田先生の独特の間がつかめた中盤以降はぐっとおもしろくなりまして、前半を読み返すとコレがまたいい。

ただまあいわゆるご年配ばかりで、「東京にやってきて、++を食べた。こんな美味いものがこの世にあるんだなあと思ったよ」みたいな展開は多かったすね。もちろんそれが悪いこともありませんが。

マンガ家に食をたずねるマンガといえば「うつぬけ」でマンガ家内ジョブチェンジを果たされた田中圭一氏も「箸とペン」という作品を書いておられましたが、むこうがご子息に様子を伺うって変化球に対してこっちは直球ですからね。まあ、どちらも味わい深い。
マンガ家でダブってる人はうえやまとちさんくらいか。アプローチや内容は当然のことながら全然ちがう。うえやまとちさんの仕事場がすごいんだよな。海辺の元レストランだったそうですげえロケーションと建物。


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2017年11月10日

大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック(1) 植芝 理一(講談社 アフタヌーンKC)


ずっとモーニング系は読んでいたので当然存じ上げている作家さんですが、ディスコミュニケーションの最初の何冊かをのぞいてはあまり縁がありませんでした。当初、本作も手に取ったときに「それ」とはわからないくらいでした。

早くして父を亡くし母と2人で住んでいる。父の葬式の日から父の意識がアタマに流れ込むフラッシュバック現象が起こる。きまって女子高生だったころの母親との出会いやエピソード。そして主人公は高校生。母親はアラフォーで肉感的になっている。高校の自分に(父親に)ラブラブのときの母親と、今の自分に(自分に)ラブラブの母親。
そりゃああんた母親に恋するだろう?ってマザコンラブコメだったのでした。大蜘蛛というのは母親の旧姓。

1巻時にはわりと展開はなく現実の肉感的な母親とエロコメで、フラッシュバックでは淡いラブコメ、それに振り回されて主人公が消耗しているという、基本を丁寧に描いている。

JK時代に蜘蛛がこわくて父親に抱きついたのとおなじことを息子にもするとかな。そりゃあ恋するわ。

ということでマザコン養成マンガなのでしたが、自分の母親のJKをみても恋しねえだろうなあとは思ったり。


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2017年11月09日

竜と勇者と配達人 2 (ヤングジャンプコミックス)


1巻は話題になったので2巻ともども買って一気読みしてみました。
中世RPGの世界での配達人の生活。中世のところとRPGのところと現代のそれにそくしたところのミックス具合が絶妙。
主人公・吉田はハーフエルフで職業が配達人。あらゆるところに書状を届ける仕事。セールスドライバーっすね。

RPGな中世が舞台なのでモンスターが跳梁跋扈しており、死んでも大丈夫なようにセーブポイントがあり、勇者は大軍隊を率いて竜を倒しにたびに出て、竜を仕留めたらそこが「町」になるとか。そういう「理屈」でガンガン押していく感じ。

で、吉田さん(女性らしい)は役人の仕事っぽくビジネスライクにやったり、狩猟禁止のところでモンスターに襲われてえらい目にあったり(モンスターを狩猟してないかどうか見張る人も役人)。

全員が全員、竜討伐とかのクエストに出てるわけではないので、たとえば、魔法使いなんかは氷の魔法を延々と使い、とれたての魚を凍らせ続けて移動させる仕事をしたりするわけだ。

で、2巻の中頃からかなり毛色が変わってくるんだよね。役人がどんどん近代化するのに逆らうテロ組織のような人が誕生する。で、随所にみうけられたアクションがどんどん開花していく。

ちょっとクセがある。作画も内容も。マンガ作法のようなものも。

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ふっと連想したのは竜巻竜次氏だったんだけど、今読み返すとそう直接的な相似はない。ただ、斜めにみてる感じや「ありもの」をドタバタにアレンジするノリなんかには通じるものがあるんじゃないかなと思った。

つづきはどうなるんだろう。3巻に期待。あと立派な役人になるために吉田さんが毎朝唱えている役人になるための教訓のために「コンプライアンス」の意味が完全に身につきましたね。そこはありがとう。


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2017年11月08日

天国ニョーボ 4 須賀原 洋行(小学館ビッグコミックス)


完結。いろいろあったけど完結したな。この先もTwitterで連載するとかいってたけど、金のかからない仕事はしないでお馴染み(らしい)の氏だからないんだろうな。っていうか描くことないだろ。

作品内やあとがきは非常に率直なんだよな。これが須賀原洋行氏の特徴なのかね。

それによると本来やりたかったことはあったけど長期連載は無理っていわれたので闘病記にシフトして描いたとのこと。なるほど、1巻の迷走っぷりはその名残ではあるのね。くわえて2巻3巻でもよくわからない料理のシーンに材料を調理しているところだけ1ページ8コマ使ったりとか謎の描写も多かった。

4巻はそういうこともなくわりと淡々と闘病記を描いておられました。いろいろ圧縮したら2巻から3巻になってそれはわりと名作になって、それはひょっとしたら映画化とかもあったかと思うともったいないことをしたんじゃないかとは思います。そうしたら銀幕にも実在ニョーボさんが残る事になったのになあと。そういうポテンシャルがあったのでとっても惜しい一品になったと思います。

闘病のあり方とか気持ちの持ち方とかは人それぞれでしょうけど、薬を持ってきた薬剤師夫婦の美男美女
っぷりに自分のミジメさを感じたりするところはなんというかちょっと気持ちがわかりますね。


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2017年11月07日

ロッタレイン 3 松本 剛(小学館ビッグコミックススペシャル)


完結巻。血のつながっていない13歳の妹に恋した30歳の男。完結感はかなり分厚い感じでどうせ全3巻3ヶ月毎月発行だったんだから厚みをそろえればよかったようにも思えるが、ともかく読み応えがちょっとすごい。2017年でも屈指。読み応えというか余韻だな。読後の余韻がスゴイ。全身持っていかれる。
これは別の場所でネタバラシとして細かく書くほうがいいのかとも思ったが、もう全て書いたということに気がつく。余韻がスゴイんだよ。それがすべて。

あと書いておきたいのは憎たらしい市井の人々描写な。これも非常に強く印象に「残らない」。すごくぞんざいに描かれてるんだ。でも、すげえ憎たらしい。松本作品はこういう良識ある赤の他人の視線が非常に強い。なにかあるのかと思うくらい。
本作は、主人公の働いているところに怪文章を送りつけたのを握りつぶそうと思ってた人のいい社長の後ろから覗き込んで大騒ぎするババア店員。父親とケンカして妹と家を飛び出したあとに現れる民生委員あたりが憎たらしくて印象に「残らない」。とってもぞんざいでふっとみのがしてしまうくらい適当に描かれてる。作者にサイン色紙描いてもらうときに民生委員っていっても作者も描き方を忘れてるんじゃないかと思うくらい。

すごい作品だった。もう1回1巻から読み返したい。あと1〜3巻揃えると当たる小冊子も送ろう。


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2017年11月06日

むすび島 浮世艶草子 八月薫(リイド社 SPコミックス)


幕末の琉球が舞台で無人島に取り残される男女のサバイバルマンガという、幕の内弁当っぷりも甚だしい内容にくわえて、実はおれははじめてなんですけど、ラーメンズの片桐仁氏が大好きなエロマンガ家であらせられる八月薫氏でおびに「お色気たっぷり」ってあったのもまた超ポイント高いってことでジャケ買いしましたよ。

琉球王国のしきたりで結婚が決まったふたりは無人島においていかれる。ところが潮の流れが悪かったので予定にない島に行く。そうすると置いてこうとした船が巨大なワニに沈没させられて閉じ込められてしまう。それではじまるサバイバル。

南国らしく、幕末らしく、シャコ貝の殻でオノを作ったり、大きな貝を鍋にしたり、魚の脂でろうそくを作るといった、というサバイバルの工夫。

途中現れるメンバーなどもその時代ならではの事情のある人だったり、島の謎があきらかになり、なおかつ、最後には1話で登場したワニとリベンジマッチという。非常にすっきりとまとまっています。

もちろんその間にエロシーンもふんだんです。ゲストもエロい目にあいますし。非常にうまくまとまってます。シナリオ(篁千夏)も作画も素晴らしい。非常にいい娯楽映画をみた感じ。


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2017年11月05日

まことディストーション 1 まつだ ひかり(KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ)


おもしろい。女子高生バンドマンガ。端的にいって「けいおん!」が描かなった美味しいところを丁寧に押さえて回っている印象。
ギターとまちがってベースを買ってきてしょうがないのでベースをはじめる女の子が主人公です。ベースみたいな地味なパートいやだあとゴネるところ「振動とベースの重さでダイエット効果がある」でやる気になる主人公です。
ベースの持ち方講座や、メンバーのだれがエロく演奏するかコンテスト、雑誌の表紙を飾るポーズコンテストとか。
基本は貸しスタジオで展開して、ライブとか学校の風景とかはほぼないです。練習後のファミレスはあるか。

あんまり練習しないのは「けいおん!」と同じではありますが、楽器少女あるある度は500倍くらいこっちのほうが濃いですね。

おもしろい「こういう切り口があったか」とずっと新鮮でした。



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2017年11月04日

ちょろこいぞ!休刊さん 大見 武士(少年画報社ヤングキングコミックス)


田舎のエロ本の自動販売機のあるところでエロマンガ雑誌を買ってみたら中からその雑誌のマスコットキャラの女性が現れてエロコメ開始ですと。
その雑誌が休刊号だったので休刊さん。
ちょろこいのは優しくされるとすぐにホレてしまうから。といっても基本はショタ風味の男性とうれしはずかしの同居生活。
大人言葉(生徒会長口調かな)なのにいろいろとお子様な思考やうぶさ。そしてグラマーでメガネという、代表作「哀川編集長」をはじめの鉄板の大見キャラです。好きですよね。結構なことです。
今回はもうひとつの大好物であるローションのヌタヌタプレイは控えております。

1巻完結で最近はたいがい2巻まではつづくのに〜みたいな裏話もおもしろかったです。ベテランの佳作といったオモムキ。おれは近年やってた暗いドロドロ系よりは断然こっちが好きです。ただまあワンパターンと思う人も多いんだろうなあと。いい意味の「お約束」が満載でそれを逆手にとるという設定もよかったので、もうちょいとみたらおもしろいギミックや展開もあったんじゃないかなとも。


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2017年11月03日

モブ子の恋 1 田村茜(徳間書店ゼノンコミックス)


これはジャケ買いだったのだけど正解か。正直なところ1巻では判断がつかないところはある。ただ、1巻は大変おもしろかった。

田中信子さんが主人公。ノブコがモブコって読み間違えられて、わたしは脇役のモブにふさわしいなあって思う、目立たない女の子が主人公。

舞台はスーパー。モブコさんは同じスーパーでバイトする男の子をのことを好きになっている。で、目でおったり、「寸止め」って言葉でいうなら「尺止め」くらいのイベントでドキドキしたりしております。

「古見さんはコミュ症」ってマンガもありますが、コミュ症ということではなくかなりの奥手で臆病者という感じでコミュ症ってのともまたちがう感じです。ちゃんと勇気を出して意中の人にRINEのアドレスを聞き出したりしてるもんね。

このままほのぼのとふたりの愛を育んでいく方向になるのか、他キャラが横恋慕したりでドロドロしていくのか。とくに安部さんってリア充のコミュ強がどういうリアクションするかがポイントだなあ。普通にいい子の割合が強いんだけどさ、「なにか」しでかすのにはもってこいのキャラじゃない?だから彼女が現れるとドキッとするんだよな。
だからどうなるのかとハラハラしながら2巻を待つ。

あと、モブコさんの奥手エピソードで某うどん屋で「かけの小」っていってるのに「中ね!」ってなるけどそれを言い出せない感じ、すげよくわかる。某うどん屋のおばちゃんって本当よく注文聞き間違えるよな。あれはどういう現象なんだ? どこの店でもだよ。あるあるだよなあ。


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2017年11月02日

ゴールデンゴールド(3) 堀尾 省太(講談社モーニング KC)


「刻刻」アニメ化だそうで。
島に突然現れた神様によって巻き起こるドタバタマンガ。2巻では死者がでてしまったのだけど、3巻はそんなこともなくわりあいと適材適所でめいめいがいろいろ適切な行動をしてて、わりかし次にコマをすすめる巻のような気はした。
でも1箇所これまでで最大のビジュアルショックがあるね。これはよく考えたなって。

あ、そういや「刻刻」でもあったな。こういう膠着している感じ。


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