2017年10月22日

美しい犬 下 オオイシヒロト, ハジメ(秋田書店 少年チャンピオン・コミックス エクストラ)


おー、下巻がすごくキレイにまとまって「なんだこりゃ」に全部道筋がついて回収されて終わり、最後にキレイで上質な「なんじゃこりゃ」が残るといううまい着地点。やっぱ施川ユウキ氏は上手いわ。
ネタバレになるかな。これはつまりひばり書房などのカルトホラーマンガを今施川ユウキ風に再現してみたって感じなのかなと思った。
おれは基本ホラーマンガはこわいのキライだから読まない派だから、カルトホラーといってもリアルタイムでは知らないで、唐沢俊一氏などのアンソロジーを読んだぐらいだけど、あらゆるところがフワフワしてるのに変なところを律儀にスジを通したりしてるとかつうじるものがあるような気がする。

タイトルのように美しい犬に翻弄される少年の話。

ただ、まあ、最終的に残る感想は「なんじゃこりゃ」だな。施川ユウキ氏もあとがきでそう思われるのが本望なんて書いてらしたし。


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2017年10月16日

すうの空気攻略 4 福井 セイ(小学館 サンデーうぇぶりSSC)


え?次で終わるの? 4巻にして最高になったのに。
田舎からきたすうちゃんが母親が残した「空気を読んでうまくやるマニュアル」を読みながら失敗や笑いを繰り返しつつ、3巻の終わりに「最強の布陣」たる5人のメンバーができる。いやこれがとってもよかったのよ。5人がうまく噛み合ってるのをみてすうちゃんが泣くシーンあるの。これがギャグのつもりなんだろうけど本当に感動的なんだよね。
5人の描き分けがまたすばらしい。それぞれのキャラの立て方。性格の差異はそれがキモなんだからアタリマエだけど、見た目の描き分けの配慮がすばらしい。それぞれの記号をきっちり活かして、なおかつ女性っぽく私服なんかは気を使ったそれも性格ごとにコーデしてるし、それが極端ってギャグはなくてみんなアタリマエに着こなしてる感。
5人の活躍でもっとみたかったなあ。もう空気攻略とか関係ないじゃん(とはずっといってる派)。とはいえあと1巻あるから楽しみにしてます。


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2017年10月15日

Spotted Flower 3 木尾士目 白泉社

Spotted Flower 3
Posted with Amakuri at 2017.10.14
木尾士目
白泉社

アマゾンレビューでかなり叩かれてますね。
「げんしけん」のメンバーがたどらなかったルートをたどるマンガ。
斑目っぽい人が最初にホレた人と無事に結ばれたルート。
1巻では子供が生まれる前にセックスレスになったのでなんとかセックスしようと四苦八苦するほのぼのな話。
2巻では「二代目」のキャラもからんできて、なおかつ子供が生まれる。
3巻ではそのキャラたちがからみはじめて、斑目が浮気するのよね。
奥さんが子供を産んでヘロヘロのタイミングで、元カレといるのがたまらなくて浮気だって。ダメだなー。
と、まあ、こういうダメな人を描くのがもともと作者の芸風ではあるからな。
うーむ。たしかに「4巻はもう買いません」って意味もわかるんだよ。そういった意味か「げんしけん」と「二代目」ってこういう鬱展開をなくすようけっこう繊細にココロを砕いておられたんだなあと。

あと、メガネのコのすべて飲み込んだ上で愛している感じがすごい。ここで彼女と斑目に明確な差がついたよね。それは性差ってのもあるかもしれないけど、彼女の「愛」が報われてるのはおれは美しいとは思う。

それがあるからおれは4巻買うけどね。


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2017年10月14日

バイオレンスアクション 3 浅井 蓮次, 沢田 新(小学館 ビッグコミックススペシャル)


マンガになったなという感想を持ちました。
1巻のときにビートたけし氏だったらどんな映画を撮るのかみてみたいと思いました。
2巻はただただおもしろさのカタマリだったなと思いました。
そして3巻ではマンガになったなと思いました。良し悪しでいうなら両方の部分があります。それを書いたら早いかな。

専門学校に通う20歳の殺し屋ガール。ここしばらく非常にこのたとえを書いている気がするけど、「Dr.スランプ」におけるアラレちゃんバリの無敵さ。まだ苦戦を強いられているという状況はないね。
3巻では監禁するためだけに存在するというヤクザが管理してる不気味なビル。そこに監禁されている囚人を救いにきた3人組の殺し屋を迎え撃つという展開。全体の8割くらいかな。

この戦いがマンガだった。すなわち実写化してもこのおもしろさは絶対に出せない域に達したなと思ったんだ。
そしてそれを無理やり実写化するといわゆる「Vシネマ」になってしまうなと思った。
それはいいことなのか悪いことなのかわからない。ただ、ずっと実写ドラマ化やアニメ化を視野に入れつつやってたら3巻のおもしろさには到達しなかったろうなあ
みちたかってクレイジーなキャラと、主人公の相棒となるスナイパー。あと上記の3人組。これらの濃いキャラクターが入り乱れてドタバタするというのは非常に「マンガ的」。そしてこれを実写化するとしょうもない感じになるのは目に見えてるじゃない。もはやだれもこれらを演じられる人はいないだろう。そういったマンガ的に突き抜けてしまったんだよね。良し悪しだよほんと。

マンガは素晴らしいよ。マンガが最強だよやっぱり。



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2017年10月13日

私だってするんです 1 小谷 真倫 (新潮社 BUNCH COMICS)


好きなオトコに女性のオナニーについて調べてくれと頼まれていろいろと調査する話。
女性はセックスの話はするけどおたがいのオナニーの話は絶対にしないそうです。まあ、男性もそうしないけど女性はもっとしないみたい。
で、なんとか聞き出せる人を探し出してはそれを実践してみてレポートとしてイケメンくんに提出するという話。

鉄棒とかのぼり棒とか机の角とか自転車のサドルからはじまって、電マ、またエロシチュエーションとして腐女子的なこと、自撮りとかにも追求している。

その視点は新鮮でいいです。
ベタなのもあるし、たとえばただ布団にしがみついて股間をあてるってのはそれぞれが名前があるけど共有化されてないこととか(シャッポとかいってたかな)あって非常に「そうだったのか」という発見が。

話としてはどうでもいいんだけど、オトコの意図やストーリーの進行のほうが要領を得ない感じでふわふわしてる。

作画も全体的にそうで、モノの大きさとの縮尺とか、有名人の似顔絵(出川氏、伊集院氏、みうらじゅん氏っぽいのが登場しているがみんな普通にひどいクオリティ)とかなあ。

まあ、女の子はカワイイしエロシーンはエロいし、おまけもその手のネタだし、作者がやっていたお水世界のネタもおもしろい。2巻まで待ってみようかしらねえ。「おおそうだったのか」が1コ2コあるだけでもめっけもんだし。



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BEASTARS 5 板垣巴留(秋田書店 少年チャンピオン・コミックス)


ビビるほど急展開。
動物が人間みたいに暮らしてる世界。肉食獣と草食獣が表向きは仲良く暮らしている世界。
ハイイロオオカミなれど心穏やかな主人公は園芸部でヤリマンの草食のウサギにホレますが、ウサギは学園でトップを狙う主人公が裏方をつとめる演劇部の部長であるアカシカと愛人関係にあるのです。
と、4巻終わり、ウサギはライオンだけのヤクザ組織に拉致されます。組長に食べられるためです。それを奪還すべきハイイロオオカミは単身ヤクザ組織に乗り込むという5巻です。
え?と思った。このまま突っ走るのか?って。突っ走ったよ。いくつか後戻りできない展開が起こってるよ。大丈夫なんかこれ?ってくらい急展開。急展開に興奮するより心配するくらいの急展開。

1巻冒頭の学校内で草食が肉食に食い殺されるなんてネタはもう完全に雲散霧消しちゃったね。だって、今更その犯人がわかったところで5巻のモロモロのインパクトにはかなわない気がするんだもん。だれが犯人でも「ああそう」って感じになる。

そこがなんか残念だけど、6巻はどうなるってのはかなり強いね。


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2017年10月11日

六道の悪女たち 6 中村勇志(秋田書店少年チャンピオン・コミックス)


5巻が終わったときすごく心配してたんだ。
最大の敵のメンバーがこともあろうに同じクラスにまとめて転校してくる。そいで友好的に過ごしていたけど、それは六道の最大の武力を持つ乱奈さんの弱点を見つけるため。その弱点がみつかったので「仲良しごっこは終わり」だと6巻では血みどろの戦いが始まると。
と、6巻はまだそのための駆け引きでした。そもそも六道は普通の平和を愛するオタク少年だからドンパチの殴り合いは性に合わないし、むしろ命がけで止めようとする性質があるから全面戦争にはどうしたってならない。
そう、だから、6巻は敵に騙された乱奈さん以外のメンバーで知力体力を尽くして対決を避けるって「総力戦」なんだよ。これは予想できなかった。そしてそれが素晴らしい。各キャラが要所要所にガチンと噛み合って「いい仕事」をする。感動した。また飯沼が涙が出るほど男前でな。こいつが1番かっこいいわ。

それはそうと思ったけど作者の弱点。お膳立てが上手ではないな。5巻にポッとでてきた竜宮ってレディースが話の中核にいるってのはなあ。降ってわいたような配置だったんだよな。そりゃまあしょうがないってのもあるんだし、6巻で表紙になってる竜宮のボスはほれぼれするくらいかっこいいけどさ。そこが残念というか、もうちょっとうまくやれたんじゃないかと思ったり。

あとややネタバレになるけど、鬼島連合に取り込まれた乱奈さんに、六道が「そこにいるやつらちょっと殺しといて」っていえば一瞬で終わる話ではあるよね。乱奈さんはDr.スランプにおけるアラレちゃんばりに無敵なんだし。
でも「それ」をやらないところに感動があるんだよね。いや、分かっちゃいるんだけどさ。そういうの「いかんともしない」って状況を作り上げてそこに追い込まないとって気もする。六道はなんで歩道橋で無傷だったのか?とか、雷乃さんは学校じゃなくてもっと遠くで監禁しておけばよかたんじゃないかとか。
まあ、重箱の隅ってのは承知。不粋ってのも承知。作者よりにすごく考えればいくらでも解釈はでるのも承知。でも、それはすっきりと読者にわからせるってのも大事やろ。

しかし、わりとクライマックスだぞ。7巻で終わるのか。そういや六道で6巻だったな今回。


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2017年10月10日

働かないふたり 12 吉田 覚(新潮社 BUNCH COMICS)


作者のあとがきがおもしろかった「いつ終わんだこのマンガ」だって。いや、自虐ではないと思うけど芯食ってる。マジいつ終わるんだろう。
兄妹のだらだらニートライフ。どんどんキャラも増えていってよくわからない広がりを見せています。
12巻では11巻で風邪で調子の悪いときにイキオイで出してしまったオーストラリアのおっぱい大きい子ちゃんをもうひとり出すという暴挙に出ました。ほぼその出落ち感にもかかわらずインパクトは絶大。「Dr.スランプ」でガッちゃんが2人になったくらいのインパクト。

そしてそのふたりの役立ちどころは、ニート兄と戸川さんとの関係の行方ですね。今回これが特筆すべき変化のひとつでした。兄がおっぱいボーン子さんといるときに戸川さんと会うと戸川さんが意味もなくその場を立ち去って「なんで怒ってるのかしら?」と自問自答するという流れ。
その兄と戸川さんの今巻の最後のエピソードがいい。この関係から目が離せない。
そのあとの丸山のエピソードも定番で鉄板だけどよかった。丸山には幸せになってほしい。つーか、登場人物は全員幸せになってほしい。無理だろうけど。まあそれぞれそれなりにね。

毎巻おまけにシールがついてましたが今巻はポスターでした。シールのほうがコストがかかるんだろうかねえと思ったり。



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2017年10月09日

ぼくたちは勉強ができない 3 筒井 大志(集英社 ジャンプコミックス)


理系の天才が文系の大学を、文系の天才が理系の大学、そいでスポーツ特待生が英語の大学をそれぞれ目指すといいだしたので、すべてに秀才の男が彼女ら(3人とも美少女)の家庭教師をするというラブコメ。

展開が早く、3人ともいい感じでいい子でそれぞれにアプローチしていくも、お互い親友同士なので足を引っ張ったりの泥沼にならず、健全にちょっとはみ出すお色気ってラインで上手く進んでいる。

作者の最大の特長はまとめるのが上手いことだね。1話のページ数に内容を圧縮して美味しいところをうまく配置する。とってもきれいな盛り付けをするタイプ。プレバトで土井先生にホメられるタイプ。

その成果がいかんなく発揮されていたベストは主人公男がスマホを買う回。風呂に持ち込んで勉強したら捗るってきいたのでそれを試していたら、機械音痴の彼が次々と彼女らに連絡を取ってしまう。彼女らも風呂に入ってるという。
ドタバタとギャグと3人の入浴シーンがキレイにまとまっている。すばらしい。同じ内容を同じページ数でまとめるのは他作家にはなかなか難しいと思うぞ。
同様にパジャマパーティーの回も素晴らしいね。
作者はマンガ家にはかなりめずらしい多人数を上手く動かすという才能をもっている。

全体的なストーリーもそれぞれをチクチクと適度にコマをすすめている。とくに、文系の天才の子は他2人の思いをしってるからややひいてるけど、少しづつ自分の気持ちに気がつきはじめているというあたりの進行が上手い。文系の天才だけあって駆け引きを知ってるんだな。他の二人はそういうのもちょっとバカで直情径行だから。

匠の技ですね。安定安心の3巻でした。


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2017年10月08日

メメント飛日常 カラシ ユニコ(小学館ビッグコミックス)

メメント飛日常 (ビッグコミックス)
Posted with Amakuri at 2017.10.4
カラシ ユニコ
小学館

「100年後にも残る才能」なんて帯にありましたよ。大きく出ましたね。2117年にも本作が売ってるのでしょうか。
SFのさじ加減が絶妙な作品集です。
最近読んだ「好奇心は女子高生を殺す」「大きい犬」「ストレンジ・ファニー・ラブ」などの流れとはまたちがう、かなり現実のそれにウエイトを置いているためにSF的な要素のギャップがまたスゴイ。
「ザ・人間チャレンジ」ではネコが人間になれるかどうか会社で働くことで試される。会社でPCで入力作業を延々やる。
「BAR俺のドッグフード」は飼い犬が家出する。そしてBARを経営していたという話。

どこが現実にウエイトだよ?っておもわれるかもしれないけど、ネコの話はともかく、犬の話はかなり人間関係を深く細かく描いているんだよ。

「孤塔にて」は動物が出てこない。ものすごい高いビルの屋上。トイレしか無く、降り口が見当たらない場所に殺し屋のオトコが降ろされる話。すごい世界観。

だいたいがハッピーエンドってのがまたスゴイね。だいたい執筆された順に並んでいると、どんどん絵がさっぱりしていくんだよ。その絵にも救われているけどかなりどうかしてる話に重いリアリティが内包されている。

そして表題作がクライマックスに用意されていた。
1度だけみたそこにあるわけのない幻のバス。それがくるかもしれないということで毎日もう廃線になってるバス停で待つ少女の話。これは作品集のタイトルになるだけの作品だし、これは100年後にマンガのアンソロジーに収録されていてもいいと思うわ。おれが選者だったらまあもしかしたら。


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