2017年05月31日

まどからマドカちゃん(1) 福田 泰宏 (講談社モーニング KC)


主人公の通勤路にある道沿いのアパートにまどかちゃんが住んでいる。そいで毎回、窓の奥で「なにか」やるという。
たとえば焼き鳥屋、たとえば寿司屋、コスプレじゃなくて、ちゃんと焼き鳥を焼いて、寿司を握って、主人公に振る舞う。主人公は戸惑いながらも食べたりする。

まどかちゃんは20代かな。スタイルよし。おっぱい大きい目。クチが描いてない。喋らない。煙草吸う。お姉さんタイプ。
巻末収録のプロトタイプだとわりと主人公にホの字っぽいけど本編ではよくわからなくなっている。謎の存在。

まどかちゃんかわいさが8割で持ってる感じあり。

非常に細部に渡って細かく描写してるだけにいろいろと謎がある。1番の謎は窓を力いっぱい開けるとかカワイイを全面に押し出すのに煙草吸いはイマドキではないのと、喋らないの、彼女の行動やその位置づけが意味不明なのか意味があるのかのラインが微妙すぎるところ。
かわいいを売りにしてるのにそのためのアクセントがそれに使役されてないところね。

あと、窓の奥になにがあるってネタ自体も、ギャグマンガだからウソもまるでOKのラインなのか、それともギリで用意できるノンフィクション的のラインなのか。
どっちかに振り切ったほうがおもしろい気がするんだけど。できれば後者か。前者は昭和のギャグだから。
そうなると、窓の奥に釣り堀があったり、桜の木が生えているのはどうにもキツイ。
たとえば「からかい上手の高木さん」。このマンガには「ウソ」はないです。マンガの中の彼らは現実に即した法則の中で暮らしてます。本作はマンガ的なウソの世界にいるのか、それともこちらと同じところにいるのか。別にはっきりさせる必要もないけど、あやふやすぎるのはシラケる。

そんなこんな全部、まどかちゃんがかわいいからいいかーで乗り切ろうともしてる感。

それでいいならいいんだけど、後々苦しくなるんじゃないかなあと。だって、ずっとまどかちゃんがかわいくないとダメだし。
2巻までみてみる。1巻はずっとかわいかった。


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2017年05月30日

はじめてのひと 2 谷川 史子 (集英社 マーガレットコミックス)


うわ、せつない。1巻ってどうだっけ?というかこんな強くせつなさを感じる作品あったっけ?

シンプルにあらすじを書くと、好きだった男性が自分を好いてくれてました。でも彼は結婚して子供もいました。それでも好きが止まらないという。

んまあ、ベタベタな話だけど、その表現がすばらしかった。

両思いになって一夜を過ごしてラブラブになったけど、次の日に、友達に「その人独身なの?」と尋ねられた瞬間、世界が「黒く」なっていくんだよ。これは物理的な意味で。
そこがスゴイんだよ。つまり、その瞬間から、このマンガのこの世界は彼女の気持ちを明るさ暗さで表すようになる。スマホの画面の明るさ調節のスライドバーのように。

ココロに不安を覚えると黒くなり、それでも彼氏との愛情にココロが沸き立つときは暗闇に光が灯る。

会うと明るい。でも、前のなにも知らなかったころのように真っ白の明るさじゃなくてところどころに「影」が忍び寄るような明るさ。そしてふっとしたことでいっきに黒くなる。レストランで不倫の別れ話をみたり、友達にもう別れたといったら。

このふとしたことにサッと入ってくる「黒」描写がもうたまらない。そしてせつない。主人公がかわいそすぎる。

谷川氏の描写でベッドシーンとかこういうのを読む日がくるとはなあと(ってほど長年のファンでもないんでもしかしたらベッドシーンについてはこだわりのあることで有名だったのかもしれないけどさ)。
もしかしたら谷川史子氏の成年コミックがでまわる日も近いのか(さすがにそれはない。成年コミックの手法としてはアリと思うけど、マネできなそうだよなあ)。

ベテランの変幻自在の技に翻弄された2巻でした。


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2017年05月29日

いぬやしき(9)奥 浩哉 (講談社イブニングKC)


ラス前。こうきたかと思った。「GANTZ」と似てはいるけど、こっちのほうがアレだな。

あああ、ネタバレ込みでつづきを読むからだ!



つづきをよむ
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2017年05月27日

ハミングバード・ベイビーズ 1 朔田 浩美 (集英社 ヤングジャンプコミックス)


「孤独のグルメ」「花のズボラ飯」の久住氏原作の新作グルメマンガ。作画の方も少女漫画系のベテランさん。こなれたカワイイ絵です。
コンサートで出会ったアラサー女子2人。ギタリストとドラマー。2人で組んでユニットをやることになる。それにラブ要素をからめたストリーラインと、基本2人で、「いい仕事」する酒屋でガンガン飲み食いして「あー最高」ってなるマンガ。
・久住氏がバンドを長年やっておられる方というのはドラマ版「孤独のグルメ」なんかでご存知の方も多いとは思うのだけど、バンドのライブや練習のあとの打ち上げ飯だよねつまり。
・なんというかいつもの飯というより「ハレの日」にちょっとスペシャルなものをみんなと楽しく腹に入れたいって感じのモノがメイン(その真逆もあるけど)で下戸なんだけど美味しそうに見える。

「花のズボラ飯」でもそう思ったけど、久住氏の「女子言葉」は独特だわ。あまり無理せずに書いておられるとは思うけど、作画が戸惑うようなセリフが多い。端的に「そんなこというか?」って。宇能鴻一郎氏をはじめ官能小説の大家の若い娘言葉的な。
それが味わいにはなってるね。ただ、好き嫌いは「孤独のグルメ」とか「食の軍師」のときより明確に分かれそうな気もするけど。

「うまさのループ 停止は不可能 ピーマンだめ押し トーゼンおかわり とっまっらっなっE!」
「大吉!! このジャンク味 ザッツ・オキナワ! スパムがどんギマリしてて ヤバイ!」

こんなの。また音楽がかなり重要な要素になってるマンガなのでセリフがリズミカル。

それを作画の方がちゃんとモノにされてるね。だいたいがグルメマンガがこんなに隆盛なのは、かわいいキャラと、写真取り込みでもなんでもいいからうまそうな料理を描くことができれば8割方完成ではあるからなんだよね。それに1アイデア入ったら完成。ここしばらくの参入のハードルが低いマンガだよ。
本作は上記の1アイデアね。でも、その1アイデアがかなりの「愛デア」なのよ。すなわち演奏シーンとかライブ後のダルい感じとかすごく上手く描けているなあと。これは久住さんどうお感じなんだろうなあ。

ただ、おれもバンドやってライブとか何回かやったけどこんなフレンドリーなのなかったけどなああ。演奏中ずっと袖で控えてる次のバンドに悪口いわれてたりとか(身内がそばにいて聞いてたのよ)。


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2017年05月25日

仕事場のちょっと奥までよろしいですか? 佐藤 ジュンコ ポプラ社


仙台在住のイラストレーターでルポライターな佐藤氏がルポする大人の「はたらくおじさん」なマンガ。
おれの購入動機は仙台在住の伊坂幸太郎氏といがらしみきお氏の仕事場訪問があることです。
仕事場拝見といっても妹尾河童氏のような繊細で詳細な鳥瞰図を描くような画風ではないし背景もちょっとだけなので仕事場より仕事そのものを本人にたずねて佐藤氏のおもしろかったことをいろいろとマンガ化する感じ。
ほかにはスナックのママとかこけし職人とかイラストレーター、グラフィックデザイナーとか。
作者わりと正直な人のようでノッてるときとノッてないといったらなんだけど描きにくい回がはっきりしてておもしろい。それは話をする人の情報量や人柄も関係ありそうだけど。
最大の特徴はボールペンで書いているという絵ですかね。フェルトの刺繍のような独特の質感があってこれは紙の本じゃないとわからない感じだなあと思いました。
いがらしみきお氏のクマガイ氏との出会いの話や、伊坂幸太郎氏の仕事の進め方とかおもしろかった。

ただ1200円は高い。読み応えはあるけど。


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2017年05月24日

踏切時間(2) 里好 (双葉社 アクションコミックス(月刊アクション)


踏切の遮断機が降りている間のオムニバスショートストーリー。
1巻は楽しかった。楽しかったけど「まあいいか」ってあまり深く考えてなかったので2巻はどうしようか悩んでいたけど、2巻が1巻を上回る傑作でしたよ。

1話めの「SNS兄妹」からいきなり新機軸。外で兄と話していると恥ずかしいので踏切を待っている間ずっとラインで話している兄妹の話。アニメ「月がきれい」でもうまく使っているけど、スタンプがいい感じにアクセントになるんだよね。それは実際もそうだけど創作でもいい感じ。
あとはゴスロリだったり重耳(三国志)だったり。上記のSNS兄妹もそうだけどスマホを上手く使ったりもしてるね。
前もあったっけ? 最後の2話連続エピソードも良かった。そもそも踏切とはA地点からB地点に移動する間に線路があるために存在するもので、A地点B地点とも待っている人がいる。その2人で話を作ることができるわけです。

ということでかなりおもしろくなったので3巻も期待です。あと、「SNS兄妹」は双葉社のほかの雑誌で独立させて連載すればいいんじゃないかな? そっちのほうがわかりやすく人気が出そうだわ。



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2017年05月23日

空挺ドラゴンズ(2) 桑原 太矩 (講談社アフタヌーンKC)


2巻もすばらしかった。あんまりすばらしいので2巻はどうしようかと思っていたんだ。
最近、重厚長大な作品、アニメでいえばジブリのような作品を前にするとひるむようになってきたんだ。脂っこい食べ物を好まなくなったのと同様、マンガも安定して大河なおもしろさが保証されているようなものは「別にいいかな」って反応を示すようになってきた。

ドラゴンがいる世界。そしてそれを狩って生活している人がいる世界。その狩人集団を描いております。
飛行船のような飛行艇でドラゴンを捕まえては街で売って生活する。

本作がすばらしい理由は大小を上手く描いていること。

大きなドラゴンも、街の人々の暮らしも、その縮尺をたしかにきっちりと描いている。地面も空も描いている。マクロもミクロも描いている。こういうのできそうでできないんだよね。
2巻は飛行艇で働く少年と娼館の客を取る前の娘の淡い恋と、捕まえたけど逃げ出した超巨大ドラゴンの捕物帖が同時進行する。
スケールの大きいマンガではありますが料理も美味しそう。すべてに神が宿るくらい細かく描かれており「みてきたんか」感が満載です。

読んでしまえば「読んでよかったな」とは思うんですよ。龍の肉のカツレツ食べたい。



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2017年05月22日

モキュメンタリーズ 1巻 百名 哲 (KADOKAWA ハルタコミックス)


モキュメンタリー、フェイク・ドキュメンタリーともいうけど(厳密にはちがいがあるんだっけか)、ドキュメンタリーを撮ってるってていで創作を描くという手法。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が有名ですね。日本だと「放送禁止」シリーズとか。
ホラーが多いような気がするけど、4話収録されている本作にはいまのところホラーはありません。

架空のマンガ家、百野哲を主役とすえ、実際にカメラをまわしているという回もありますが、フェイク・コミックエッセイといった感じで展開する。

4話はバラエティに富んでおり、
・あるAVだけを延々と落札している男と接触して話を聞く
・アイドルのライブまで歩いて行くという「儀式」に同行する
・自分探しにバングラデシュの人里離れた漁村に放置される
・海軍カレーに対抗していた陸軍ナポリタンがあった

といった布陣。
向き不向きでいうと最初の話が1番おもしろかったな。そして最後のはいろいろと無理があったような。

パッと思いつくのは島田虎之介氏「ラストワルツ」かな。テイストとかちがうけど、とくに前半の聞いてきたような法螺話感が共通点を感じる。

本作はシマトラ作品と比較するならストレートなマンガ表現と起承転結を踏まえたまっすぐな話作りな分読みやすい。それにモキュメンタリーというワンクッション挟んでいる感じ。

たいへんおもしろかった。2巻も期待します。1話のような謎解きがあるのがええですね。


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2017年05月21日

おばけ道 小野寺 浩二 (少年画報社 ヤングキングコミックス)


「ソレミテ」の続編。「ソレミテ」はすごいマンガだった。
幽霊をみようってことでマンガ家の小野寺浩二氏と「それ町」でおなじみの石黒正数氏と編集をつれて心霊スポットを巡るルポマンガ。
3巻にわたって続いて結論として幽霊なんかいないってことになる。つまり、3巻分、ずっと夜の心霊スポットでウェーイでもなくてわりと常識のある大人がみにいって「なにもいない」って帰ってくるという「なにもない」マンガを描き続けてきたわけです。画期的といえばこれほど画期的なものはない。なにもない空間から「ネタ」を錬金してたわけだからな。

で、続編は、前作の反省からはじまる。幽霊をみてないのはつまり我々に霊感がないからだと。だから霊感をつけるために修行しようと。で、滝に打たれてはESPカードで結果をみて、少年画報社のパーティーにいっては各マンガ家さんにESPカードを試してもらったりとか。
今回はちゃんとネタがあるわけです。グーンと描きやすくなったんじゃないでしょうか。
でもだからってあきらかに前作よりおもしろくなったかというとそんなでもないのがマンガのおもしろいところですね。

つまらなくなったわけではありません。相変わらずのやり取りですし。こういう内輪受けで盛り上がる系って雑誌にひとつは必要ですし、そういう「編集が出てくる内輪受け系エッセイコミック」のなかではかなりレベル高いんじゃないかと思います。


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2017年05月20日

ゾンビ少年と殺人鬼少女 1 田村ゆうき (秋田書店少年 チャンピオン・コミックス)


ゾンビの少年が殺人鬼の少女に切り刻まれるギャグ。
昭和のギャグマンガのような容赦のない切り刻みっぷりでスゴイとは思う。
だいたい公園が舞台で2人しか登場しない。そこにゾンビ少年が住んでいる。そこに少女が放課後やってきていっしょにいるという図式。
たとえば、キャッチボールをしよう。あ、ボール忘れたって、少年の心臓を取り出してボール代わりにするとかそういうネタ。
ただ、それはスプラッタってことじゃなくて、どちらかとエロにウエイトをおいていて、切り刻んでるときの少女が恍惚としたアヘ顔をしていたり、手ブラって切り取った手を胸につけてみたりとかそういう方向。

あらゆる点で非常に丁寧です。エロシーンはエロいしそこそこリアリティのあるスプラッタだしで。だから昭和ギャグチックとはいえ、いろいろなところは21世紀仕様ではあります。

いろいろと細かい設定や小技を仕込んでいるみたいだけどそれが功を奏すことはあるのかなと思ったり。そうして展開することに勝算があるのかしらんとか。


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