2017年04月04日

トーキョーエイリアンブラザーズ 3 真造 圭伍 (小学館ビッグコミックス)


最終巻。いい感じの終わり方だ。地球調査にきたエイリアンの兄弟が東京を舞台にドタバタすると。
このマンガは1巻から3巻までずっと「上京して、ひとり暮らしからみた東京」を描いている。それがおれのときと見える風景に多少の差異はあるけれども本質のところで変わってはいないことをこのマンガを通じて知ることができてよかった。

ひんやりしておりややカラッと刺すような感触なんだよな。東京のひとり暮らしがみている風景って。視覚触覚ないまぜだけど。そういうの描くことができる数少ないマンガ家だと思う。

それは別に地方人じゃくても異星人でも同じだしね。東京が懐かしくなった。住んでしまうとキラキラしたところがものすごいいきおいで減っていくもんな。渋谷とかも今記憶にあるのはセンター街のビルの隅に捨ててあるマクドナルドの袋とかゲロとかだし。そしてそれでも魅力的ではあるんだよね。なつかしい。

次回作に期待してます。




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2017年04月03日

バイオレンスアクション 1 浅井 蓮次 (小学館 ビッグコミックススペシャル)


読んでおいてよかったわ。

「専門学生の女性がバイトで殺し屋をやっている」

これがおもしろいマンガである確率は実は恐ろしく低い。なぜなら誰もが考えつくような陳腐な設定だから。
よって書店でみかけたときも1回スルーしたんだ。でも、町山智浩氏がホメてたってどこかで読んで「ほお、それなら」と。そう思ってみてみるとネットじゃもうどこも売り切れ。うむ、みんなよくわかってるわ。

そう、これ名作。

あらすじは書いたね。それ以上のことは書くことができない。そしてあと感想は「名作」。これ以上も蛇足になる。よってこれからの文章は蛇足。こういうちょっと文体が変わるくらい名作だと思っていただければいいのでせっかちな人は上記の書影をクリックしてもう買うといいよ。Kindleならすぐ手に入るしアフィのパーセンテージが大きいからおれの実入りも大きいし。

名作のゆえんはしっかりしてるところだね。アクションも設定も。
ヤクザな社会が舞台。デリヘルのサイトからたのむとすぐさま派遣されてさっくり「仕事」をする。その中のひとりで「ナンバーワン」が主人公ね。
ナイフも格闘も銃もなんでもござれ。そして簿記2級の勉強中。
こういう設定を書けば書くほど陳腐に見えるな。でも、そうなんだもんな。

ドライなんだよな。この雰囲気はかなり思い出す人がいる。北野武氏だ。
「その男、凶暴につき」「ソナチネ」などの殺人がかなり身近な映画、「座頭市」「アウトレイジ」なんかの何が起こってるのかわからないくらいのアクションの監督。
そう、本作は北野武氏への挑戦状だと思った。「たけしの挑戦状」はゲームだけど、このマンガは「たけしへの挑戦状」だ。

「これをおもしろく実写映画化できるもんならしてみろ」と。多分に、世界で1番おもしろく映画化できるのは彼だと思う。ドライなのに血の匂いがするという相反した「画」を実写でできる人はそういない。しかも、ユーモアの糖衣で。
マンガ化できる人もしかり。

まあ、つまり、このマンガの「バイオレンス」はそういう感じ。

だから北野武氏に読んでもらいたい。町山氏がオススメしてくれないかな。

1巻に必要なものはみんな詰め込んである。で、2巻ではどの「部品」を使って展開していくんだろうなあと。



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2017年04月02日

シャッフル学園 5 ホリユウスケ (秋田書店 少年チャンピオン・コミックス)


完結巻。日本一複雑なんていわれてたデスゲームマンガ。特殊な環境で、クラスメイトの中身が入れ替わってる状態。それで殺人鬼も混ざっている。殺人鬼は誰の中にいる?って、あらすじだけでもめんどくさそうなのがわかるマンガ。

タネ明かし編になる5巻を読むと「うむー?」ってところはあったけども、最後がこの作者らしくてよかった。いわく「童貞愛」にあふれててな。これ以上は書かない。

各描き分けも細かいギミックもトリックも着地点もかなり健闘していたなあと。まあクライマックスの展開からラストにやられたんだよ。読み直そうとは思わなかったけど(なんていうか殺しまくるスプラッタなことに比重をおきすぎてるから)。

次回作も期待しよう。


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2017年04月01日

ゴールデンカムイ 10 野田 サトル (集英社ヤングジャンプコミックス)


最高だ。最高のギャグマンガだ(といいきっていい配合になったよね)。
なんでもかんでも入れた闇鍋よろしく、あらゆるジャンルがあらゆるジャンルに入り込むという状況のマンガで唯一くらい他要素が入らない殺し合いの部分でもギャグが混ざってきたわ。96話の最後のページね。声出して笑ってしまったわ。
この時代の北海道はアホや奇人がヒグマなどと跳梁跋扈してたんだなあとまちがった歴史を脳みそに刻みつけられる。

ということで、北海道を舞台に財宝を求めての大騒ぎは、気球での空中戦なども含めて、ちょっとグルメ少なめになったけど最高潮を持続しているというミラクルの光に照らされて依然ギラギラと輝いているのです。

相変わらず1pあとにはなにが待ち構えてるのか読めない展開だしなあ。すばらしいです。なんだろうこのテンション持続力。マンガ内のコトバでいうとずっと「勃起」してる状態だ。



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2017年03月31日

アイアムアヒーロー 22 花沢 健吾 (小学館 ビッグコミックス)


完結しました。ちょっとネタバレありで書きたいので、そういうのお嫌いな方は読んでから出直せなさい。




つづきを読む
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2017年03月30日

100万の命の上に俺は立っている(2) 奈央 晃徳( 講談社 講談社コミックス)


1巻を読んだのもつい先日でほぼつづけて読みました。作者作品ともに前情報なし。ジャケ買いってやつです。
異世界モノです。ある日突然クラスメイト2人とともに異世界にジャンプされ、おかしな人にクエストをクリアしろといわれる。世界は異世界の定番中世RPG的。モンスターをやっつけてレベルアップしながらクエストをこなしていく。
2巻ではキャラ(パーティーとNPCと)が増えて、よりハードなクエストがはじまってます。2巻で終わりきらないような。
それなりの知識がないと読み進めるのがとってもしんどいマンガです。そしてそれなりの知識があると「なんだかなー」が多いという。

シンプルにいうなら設定や目指すところはかなり複雑で「高いところ」なんだけど、それを表現するに見合うスキルが伴ってない。

メタの構造で、人々や魔物が生きて暮らしているところをプレイフィールドとして、彼らは「勇者」となり「ゲーム」をしている(もしかしたら今後それをひっくり返すなにかがあるかもしれないけど)。死んでも生き返るし魔法やら不思議な力を使うことができる。虚空から武器を出したり、ランクアップしたらジョブチェンジができたり。かなり(ってもありモノを下敷きに)練り込んだ世界の情勢の中、自分らがどうするかって(クエスト自体が具体的なものじゃなくて謎解きの要素がある)探り探り進行する。
キャラは主人公以外メインは女性。なおかつ主人公以外の男性キャラは甲冑に身を包んだりなどで極力顔を見せないようにしたりしてる。キャラにしても、設定は細かく深いんだ。読モだったりいじめられっ子だったり男性恐怖症だったり。
主人公は、厭世的で人嫌いでありながらも、狡猾でわりとドライな人の道に外れがちな行動に躊躇ない。3人のうち1人でも生き残ればセーフというシステムを利用するためにあーしてこうしての応用な。ゲームの構造を点く的な。

これらの魅力的な要素が全部、見せ方や活かし方が上手くいってるとは思えない。全部ね。

すべてのバランス調整が甘いんだな。だから、個別では魅力的なものが噛み合ってない。原作者がとくに「一生懸命すぎ」るんだな。抜きどころがなくて詰め込みすぎたためににっちもさっちもいかない状態。

「尺の都合で「登場人物は知ってるけど漫画内にはまだ書けてない情報」がいくつか出てきているので順に書いていきます。」

2巻のおまけ設定ページのまえがきが裏付けてます。「登場人物は知ってるけど漫画内にはまだ書けてない情報」は漫画には必要のないものです。そしてそれが後々必要ならこういうもの書く前に全力で漫画内に盛り込むべきです。ほかの「どうでもいいところ」を削ってでも。

これだけギチギチの設定で動く場合、それぞれのキャラのバックボーンは切り捨てるべきか、むしろそっちを活かすなら設定をゆるやかにするかどれかを省略しても成り立つかどうかをすごく一生懸命考えるべきです。設定が読モとかすごくどうでもいいし、前半にあった主人公がクラスメイト2人とクエストってハーレムか?とかの期待するシーン不要じゃないかね? 実際2巻にいたる前にそういうところ全然どうでも良くなっているし(ぶっちゃけ別のヒロインが登場してるし)。

ビュッフェで美味しそうなものをあれもこれもととってみたら大皿から零れるわ、料理同士が混ざって干渉して味が台無しだわって。

そもそも。タイトルに即するなら主人公のソロで、クエスト毎にゲスト登場って構造のほうが良かったんじゃないかなーって。まあ、後々の構想に障るのかもしれないけどさ。

ところがよ、それらのダメを飲み込んでも「これ、どうなるんだろう?」ってのは残るんだよね。何回も書くけど、あちこちに「美味しい」ところはあるんだよ。たとえば、ゲームの世界に住んでいるとして勇者一行を傍目からみたらどう映るかとかさ。上記のように、本人とゲームマスター以外は時間が止まっている。そしてジョブチェンジだの武器を変えたらそれは突然変わっているようにしか見えない。そういうのが伺える(ビジュアル化すればいいのにと思うのだけど)のがおもしろかったりさ。
だから非常にもったいないものがあるんだ。

どうしたもんだろうなあ。

つーか、逆のほうがおもしろかったような気はするんだよな。自分らの住んでいるところを舞台にゲームしてる存在と干渉してクエストするみたいな。あー、それは「GANTZ」か。





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2017年03月29日

AIの遺電子 05 山田胡瓜 (秋田書店 少年チャンピオン・コミックス)


ちょっと「難しく」なってきている印象。
ロボットやヒューマノイドが普通にいる未来(近未来ではないよな)での医者が登場するショートコミック。
すでに主人公である医者は「世にも奇妙な物語」におけるタモリ氏のような狂言回しな役割になる回が多くて、だいたいはその話のみのゲストで患者の、人間だったりヒューマノイドだったりロボットが主役。
そいでもって話はややもしたら哲学の領域に入り込んでいるかのような深く込み入った「人間とは何か」みたいな話が目にとまるようになってきたなと。それが難しいなと。話として難しい。そしてマンガのおもしろさとしても難しいなと。考えさせられて余韻は残るのだけどそういうのばかりずっと読んでもなあって。ひとつひとつクオリティは高いし先に控えてる未来という気はするんだけどさ。もっとこういろいろな切り口の話とか笑える話とかほしいなあって思うようになった。ずっと「苦味」ばかりなんだもの。
とくにヒューマノイドの殺人鬼の話は非常に不気味。マンガとしてのオチが弱すぎるのも不気味。



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2017年03月28日

純潔戦線 (1)草野 紅壱 (幻冬舎コミックス バーズコミックス)


魔法少女モノです。「まどか☆マギカ」な現実的な火器を使用して敵というか今のところ変質者を退治するマンガです。可愛い女の子が2人出ているのに、裸になるのは男ばかりという誰得なギャグです。

かなりどうかしている設定と描写なのに魔法少女は純粋でなくてはいけないって設定もとっても意味がわからなくていいです。

ただ、作者の前作「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」はリタイヤしてるので心配です。その場その場のシチュエーションはおもしろいんだけど話の芯を食わないので集中力が続かなくなるんですよね。そこらへんどうかは2巻でわかりそうな気がするのでまあとりあえず2巻までは。


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2017年03月27日

時計じかけの姉 (1) いけだ たかし (幻冬舎コミックス バーズコミックス)


本書はいけだたかし版の淫魔の乱舞説。

いわく、女子高生がキャッキャ百合百合していた「ささめきこと」が「あずまんが大王」としたら、日常をじっくりと描いた「34歳無職さん」が「よつばと!」となるから、エロエロの本書はあずまきよひこ氏が別名で描かれた淫魔の乱舞じゃなかろうかと。

シャッターな商店街。そこの時計屋には姉弟が住んでいる。姉は時計の修理をし、弟は男娼をしていると。そんな話。

あとがきによるとエロい美少年が描きたかったということでして、そりゃあ描きたいんだからしょうがないわな。ということで、かなりブレーキを踏んでない感じのエロ描写です。

[時計じかけの姉:作品・シリーズ | 幻冬舎コミックス GENTOSHA COMICS]

まあまあ。1話読んで判断してみてください。これよりも後ほどになればなるほどノーブレーキでアクセルは踏まれます。

そして、エロエロなのに商店街の様子ときたらまるで「それでも町は廻っている」じゃないですか。のん気でコメディな商店街描写。でも、商店街の連中はだいたい弟の「客」という異常事態。なんだこりゃ。興奮を阻害してるような、変なエロさが醸し出されるような。

さてどうなるんだろこのマンガ。


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2017年03月26日

サイケまたしても 8 福地 翼 (小学館 少年サンデーコミックス)


うなるほどおもしろかった。
うちとこのお嬢さんが買っていたものだけど6巻くらいからおれと交互に金を出し合って買うことになりまして。だから読んだのは実は最近だったりします。ちなみに8巻はおれが出しました。
8巻はネパール編の完結巻。

と、その前に、なにがおもしろいかを書くために未読者にちょっとあらすじと説明を。

超能力バトルの話です。少年少女が超能力で戦います。だいたいひとり1能力って「ジョジョ」あたりからのルールなんでしょうかね。エスパー魔美とかだとバトルはないけどたくさん能力持ってましたよね。
主人公サイケは近所にあるモグラ池で「溺死」することで1日前に戻ることができるという能力を持ってます。
それを駆使して、どんな敵にあってけちょんけちょんに負けてもそれを「リセット」することで勝ちます。何百回も愚直にリプレイするわけです。
ラスボスが登場してます。そして度重なる能力駆使のために身体がボロボロになっております。だから世界に何人もいない完全に病気を治療できる能力のいるものを探してネパールに飛びます。それが7巻8巻。

ネパールというのがミソなんですね。主人公には「モグラ池」がないのですよ。だから能力を使えない。つまりただの死にかけです。たよりになるのは仲間2人だけと。

7巻ではやっとの思いで治療の能力者に出会うところまで、そしていいところでラスボスが登場します。そして8巻。
すごい熱いんですよ。これまでの集大成。爆発しております。肉弾戦あり、知能戦あり、ギャグあり、駆け引きあり、友情、正義、などなどこれでもかとこれまでの要素を美味しくまとめてます。たとえるなら、「キラキラ☆プリキュアアラモード」の3月26日放送回。これまで作ったスイーツが全部のっているデコレーションケーキのようです。

「ワールドトリガー」同様の主人公が努力と弱い能力でやりくりする系とはいえます。だからスカっとするところが少ないし、味わいではありますが描写が「モチャモチャ」してます。でも、決めるところは決めているしキャラはすごく立っている。
能力戦も限界までネタを出してそれを利用しているのがいいね。キャラのひとりアナという女性の触れたものに絶対にはがれないガムテープを出すという能力の汎用性の高さよ。

8巻でいい感じでひと区切りだからまとめ読みに最適ですよ。



posted by すけきょう at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする